国内線の機内にもあっさりとモリンホールを持ち込むことができた。
男性のアテンダントが頭上の手荷物入れに、雑ではなく丁寧に置いてくれた。
なんだ、ここに入るサイズだったのか。
それはなんだ?と聞かれることもなく、ケースを見るだけでモリンホールだとわかってくれる。
モンゴルならではだなあ。嬉しいなあ。

エアロモンゴリア航空。モンゴル国内線。
プロペラ機だ。乗客は25人位。
ちょうど翼のすぐ近くの席だったので、プロペラの羽越しに地上が見える。

まったくとんでもない広さの大陸だ。
どこまでも緑と山。
緑の草原を削っている車の轍がナスカの地上絵みたいだ。
雲の影が映る。
高い山も低い山も上から眺めればよく高さがわからなくなる。
地図か航空写真みたいだ。
いや、飛行機から撮ったのが航空写真なのだから当たり前か。

不均一に、もこもこと広がる雲が視線の下に来る高度となり、雲の表面に映る太陽の光を見下ろし、神様の視点にいるなあと、飛行機に乗る度に感じることをやっぱり感じ、機内食(唐揚げ)を食べ、ああ、もう今までに来たことのないところを飛んでいるのよねと思っているうちに高度は下がり、雲の切れ間から再び眼下に航空写真のような地上が見えてくる。

なんでもあるオブス!
雪をいただいた山の尾根が見えた。
雪解けの水だろうか、それとも氷だろうか。
雪の周りは黒く湿っているように見える。
上からみると高さの感覚がつかめない。
雪のあるところの方がなだらかで低いようにも思える。

そして湖が広がった。
深い濃い青。
手元の地図を広げる。
形からみてどうやらヒャルガス湖らしい。
地図で見たら相当大きな湖なのに、その形がわかるほどに目視できるなんて、飛行機とは、まったくなんて乗り物なんだろう。

ともあれヒャルガス湖を過ぎれば、目的地、オブス県の中心、オラーンゴムへの到着はまもなくである。

オブスへ


(あるがまま舎通信2013年6月号掲載、一部修正・加筆)