さすが遊牧の国モンゴル。
子牛、子馬、子ヤギ、子羊、子ラクダにも固有の単語がある。

つまりこういうこと。

親牛:ウフル 子牛:トゴル
親馬:モリ 子馬:オナガ
親ヤギ:ヤマー 子ヤギ:イシク
親羊:ホニ 子羊:ホラガ
親ラクダ:テメー 子ラクダ:ボトガ

細かく言うと、オナガやトゴルは1歳未満の子。
年齢によっても呼び方が変わる。
親の方も牡か牝か、去勢しているかどうかでも違う呼び方になる。

さらに、体の色や柄でも呼び方が細かく違う。
そういう言葉を覚えていないと、一体どの家畜のことを言っているのかわからない。

黒、茶色、褐色、銅色、大ブチ、子ブチ、曲がった角、鼻筋に線あり
牧民ならではの覚えないといけない単語がたくさんあるのだ。

それにしても子牛たちは本当に可愛い。
乳飲み子といっても、既に犬よりも大きい。
ふかふかした毛並みに大きな真っ黒の瞳
眠たそうな長いまつ毛
これから角が生えてきそうな気配だけの小さな出っ張り。
押し合いへし合い繋がれている姿でさえも、お互いを舐め合ったりもしていて愛くるしい。

子牛


乳搾りが終わると、親牛たちを今日の放牧地へと追いやる。
放牧の場所は毎日変わるので、草のあるところへ順繰りに連れて行っているのだろう。
そして子牛は時間差で親牛と別の方向へと放す。
親子が一緒にいると夕方の乳搾りのときに乳がなくなってしまうから。
と、ソドノムが教えてくれた。

「朝は早く起きて、裸足で歩くと健康にいい、とモンゴルでは言う。靴を脱いで歩いてごらん」
最初は怖そうなおじさんに見えたソドノム。
だが、とにかく話したくて仕方がないという様子で、何かと教えてくれる。
自分と一歳しか変わらず、そのうえ日本好きとわかって親近感が湧いてきた。

(あるがまま舎通信2014年4月号掲載、一部修正・加筆)


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