mongolぶろぐ「目は細くても、視野は広く」 -4ページ目

mongolぶろぐ「目は細くても、視野は広く」

ラーメンや、本など思い立った時に、思い立ったことを書込んでいきます。

CONTENT’S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ (NT2X)/小寺 信良

¥2,205
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この本は津田大介さんと小寺信良さんが、様々な分野の人と対談することによって新時代のコンテンツの在り方について探った本。様々なフィールドのなかで、コンテンツのありかたや、「通信と放送の融合を」といわれるこれからのコンテンツについて積極的に考えている方々や、小寺さんや津田さんのクリエイティブな考えに触れることができる良書。本書内では様々なアプローチの仕方の可能性に探っており、これからのコンテンツについて考えるにあたって大きなヒントとなりえると思う。

個人的には第2日テレの土屋さんのお話が印象的だった。今まで私は通信と放送の融合となると、テレビのコンテンツをどうネットで配信していき、その配信するページ上でどう収益を得るのかや、どうテレビに誘引していくのかということを考えていた。しかし、ネット独自の、ネットでしか配信できないコンテンツを作るというのもおもしろい。ネットと放送が完全に融合するのではなく、「テレビ局」がコンテンツをリリースするひとつの選択肢としてネットを考えればいいのだと思う。コンテンツの特性に応じてこれは放送で、とかこれはネットでとか…。逆もありえると思う。テレビに合わせたコンテンツ作りや、ネットにあわせたコンテンツ作り…。そうすることによって最大公約数的であったテレビのコンテンツにもっと多様性が生まれる。これならばテレビの最大公約数的なコンテンツを嫌ってニコニコ動画、youtubeなどのコンテンツを楽しむ人(他にも原因はあるのだろうが)も、今までの最大公約数的なコンテンツがすきな人も両方取り込める。日本のテレビ局のコンテンツ制作能力はかなり優れている。これは必ずしも不可能なことではない。

しかし、現状ではネット配信では収支のバランスがとれていないのが現状である。なにかいい方法はないだろうか…。

少し考えたのがコンテンツの最初の部分だけを無料で流す。うまく視聴者が続きが気になるように。4コママンガならば4コマ目を抜いておくといった具合だろうか。そこで続きのコンテンツを課金制にしてそこからお金を得る。その上に広告もつける。課金制だから広告をつけてはならないという根拠はどこにもないのである。この「4コマ目課金+広告」、どうだろうか。
テレビ進化論 (講談社現代新書 1938)/境 真良

¥756
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テレビの未来という自分が今一番関心のあるテーマであったためとても興味深く読めたのだが、この本はコンテンツを学ぶにあたって入門書としてはこの上ない本だなと感じた。

テレビ業界や映画業界のコンテンツとお金の流れの説明や映画からテレビの時代への移行など、基本的なことでありつつも知らなかったことから、グーグルゾン、台湾での海賊版業界との提携や、のまネコ騒動、テレビ局が参加した映画制作が出てきた過程、電車男ビジネスについてなど詳しく知りたかったことまで幅広い知識が身についたと思う。

また現在のアクトビラ、NGN、テレビ連合など最近のギョーカイの動きや「次のテレビ」のビジネスモデルなどもわかりやすくしるしてあるとともに、新しい視聴率の構築の必要性やこれからのギョーカイや政府がどのようにしていかねばならないかなどとても示唆に富む内容であり、 大変よかった。
「通信と放送の融合」のこれから コンテンツ本位の時代を迎えて法制度が変わる/中村 伊知哉

¥2,310
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【1・2章】

 この本は文章もくだけた感じで、ポップな例が数多くあげられておりとても読みやすかった。課題や問題点、対策などもも踏み込んだ提示がしてあったのでよかったと思う。

 まずこの本を読んで感じたのが、先週の輪読の課題である「パラダイス鎖国」とは違う視点で書かれているということだ。(私のあさはかな読みによるものなのでもし違っていたらご指摘願いたい)
 
 パラダイス鎖国においては日本の世界における存在感は薄れてきているということが全体として論じられていたが、この本を読んで受ける印象は「日本」という国への興味は深まっているということである。それをよく表しているのが「日本を目指して捕まったフランス娘たち」の例であろう。90年前の萩原朔太郎の言葉にあるように、日本はフランスなどの「文化の中心」を目指し、「憧れる」存在であったが、今は「文化の中心」になり、「憧れられる」存在になったのである。それは「世界コスプレサミット2007」において8万人を勝ち抜いた優勝賞品が日本旅行であることだったり、ポケモンなどのジャパニメーションの人気など本書においても数え切れないほどの例があげられている。余談であるが、文化と関係がないかもしれないが、つい最近イチローの活躍によって日本の野球に憧れを抱いたメジャーリーグでドラフト1位指名を受けた選手がメジャーの誘いを断って当時のオリックスブルーウェーブの入団テストを受けに来たということもあった(結局オリックスは採らなかったのだが)。
 
 しかし、「フランス娘~」と同じ項目にあったように「日本にはその自覚が足りない」のである。確かに日本のポップカルチャーは人気がある。世界でもそのクオリティは群を抜いていると言って過言ではないだろう。しかし、データを見る限りその人気をビジネスに結びつけられていない。ソフトパワーにしきれていないのだ。世界に誇るクオリティを持ちながらも市場レベルでは影響力をなくしている。これは「パラダイス鎖国」で述べられているところと共通している。
 
 コンテンツ産業のみならず、他の産業にもいえることであるが、日本は「もったいない」のである。クオリティの高さや需要の高さはトップクラスなのである。それをもっと自覚し、ビジネスにつなげる、つまり国力につなげられるよう積極的にアプローチすべきである。

【3章】

テレビ局の著作権を侵害した違法コンテンツを流しているyoutubeに削除要請を出し続けている日本に対し、youtubeとの共存を目指した形での新たなビジネスを模索しようとするアメリカ…この例を見るだけでも日本のコンテンツに対する考えの硬さが伺える。

音楽業界においてもそうである。日本の音楽業界は、今までCCCD(コピーコントロールCD)の開発や、違法ダウンロードサイトの利用者も有罪にするなど、違法ダウンロードサイトの動きを封じようとやっきになっているが、あるサイトを封じたとしてもまた新しい技術が生まれさらに著作権を侵害される…このいたちごっこである。

ではアメリカのテレビ業界がyoutubeと提携した話ではないが、音楽業界も抜本的な考えの見直しが必要なのではないだろうか。例えば、こうした違法ダウンロードサイトと対立するのはあきらめるのである。レーベル側が公式に無料でダウンロードできるようにしてしまうのはどうだろうか?違法ダウンロードサイトでダウンロードされたものは音質が劣悪で、アーティスト側の意向にそぐわない。しかし、公式に配信した物であれば音質がいい、アーティストが意図した形でリスナーに届けられるうえ、今まで音質の悪い違法ダウンロードサイトを利用していたリスナーが公式のダウンロードサイトを利用しない理由はない。

確かにこの方法だと、パッケージコンテンツや有料のダウンロードの売り上げはなくなるかもしれない。しかし、今まで以上にレーベルのサイトには多くの人が注目することは間違いない。ここをビジネスにしていくのである。おそらく多くの人が注目するサイトとなれば多くの広告収入が見込めるだろうし、アーティストのグッズやライブなどのコンテンツを充実させ、そこから収益を得ていくことも今まで以上に活発になるだろう。いくら曲が無料でダウンロードできるからといって、ライブで得られる一体感というのはライブに行かなければ体験することはできないわけで、多くの人に無料で曲を聴いてもらうことで逆にライブの集客につながるかもしれない。無料で聞いてみて好きになったアーティストのグッズがほしくなるかもしれない。

テレビにおいてもそうであろう。無料で見せてしまえばいいのだ。テレビはスポンサーからの広告収入で運営されている。しかしネットの広告費は年々増加しており、いつかテレビを抜くのではないかとも言われている。テレビの広告費にこだわる必要はないのである。テレビを軸としながらも、そのフォロー(再放送など)をネットですることによってそのテレビ局のサイトはかなりの注目を集めかなりの広告収入を見込めるはずである。グッズなどの話は先ほど触れたことと同じなので省略する。

通信と放送やコンテンツ産業は目まぐるしい変化の時を迎えており、テレビや音楽に限らず今までの運営方法に縛られていては対応できないのである。しかしこういった業界に動きがでてきたとしても行政やシステムが整っていなければ何も始まらない。情報通信行政組織をこの枠にいれればこの理念に反するだとか、この理念と齟齬しているなどと論理を述べる時間はないのである。業界ごとの柔軟な対応とそのような動きをサポートするべく行政の素早い対応が求められるであろう。
パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54)/海部 美知

¥760
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金ゼミの輪読は自分の興味のない分野についても深く知識を得られるいい機会だと思っており、個人的に楽しみにしていたのだが、最初の課題図書が「パラダイス鎖国」ということで非常に驚いた。先日メディコムのジャーナリズム総合講座において、朝日新聞の五十嵐浩氏から今の日本はパラダイス鎖国という状態に陥っておりこれは問題であるといった議論が最近よくなされているというお話を聞き非常に興味を持ち、丁度是非調べてみようと思っていたからだ。

本書を読んで、任天堂のwiiやトヨタなどの自動車産業の世界的な活躍、または日本のアニメのコンテンツ産業の好調、海外へ行った日本人のアスリートの活躍、日本へ旅行にくる外国人の増加…これらの印象が強かった私は驚かされた。豊富な資料が提示されていていかに日本が危機的状況にあるのかがわかりやすく説明されていて説得力はあった。

しかし、昨今小学校での英語教育の是非について問題になっているように(私の卒業した高校の付属小学校では英語による教育を理念としており、小学校卒業までに英検3級をとらせることが目標のようであるが・・・)、私には海外への興味が薄れていっているようには思えないのだ。情報化、グローバル化が進むなかで、日本人の海外への興味や語学への必要性というのはさらにかきたてられている、そう思うのは私だけであろうか。

しかし産業面の問題は深刻である。一度失った競争力を取り戻すのには多大な時間と労力・投資が必要となってくる。これは政府の政策にも言えることではあるが利害関係が生じたり、議論が分かれることであっても抜本的な変化を促進して行かねばならない。目先の利益だけを見るだけでなく長期的な視点で国力強化のため企業間で連携していくなどの姿勢も必要なのではないか。 日本が戦後の貧しさから飛躍的な経済発展を遂げた時代には、企業間の切磋琢磨と同時に「日本」全体として経済を発展させるという共通の認識のもと機能できていたように思われる。そこには日本人特有の「和」や「協調」などがあった。日本人には利害関係がある問題は避けたり、議論がわかれる問題は避ける傾向にあり今の問題の原因ともなっているが、こういった日本の国としての「和」「協調性」というのは視点を変えれば日本の国力を取り戻す大きな武器になるのではないだろうか。

また、本書ではスポーツの部門において触れられていなかったが、私はスポーツにおいてはパラダイス鎖国とは逆の現象が起こっているのではないかと考える。野球を例にとってみよう。日本の野球のレベルは年々上がってきており、WBCにおいて王監督率いる日本チームが優勝を果たしたことでもわかるように日本の野球レベルはもはや世界トップクラスといっても過言ではない。しかし、昨今のプロ野球においては野茂をはじめ、イチロー・松井・松坂など日本のトッププレイヤーがメジャーリーグに流出してしまい、国内のスター不足が問題視されている。日本のプロ野球がトップクラスであることが証明されたのに、なぜトッププレーヤーたちは海外に目を向けるのだろう。日本と海外の年俸の違いなどもあり、これは一概には言えないことかもしれないが、スポーツにおいては海外への憧れはまだまだ強いようである。