企業Cの人事面接を終え、その結果を待っている間も私は並行して転職活動を継続していた。
企業Cの中途採用に合格する、面接での手応えを考えてもそのことに楽観的にはなれなかった。心のどこかでは、
「他の企業と同じように、また不合格になるんだろうな」
そんな漠然とした確信があった。それくらい、私は私という人間に自信がなかった。
次に行ったのは、その当時私が勤めていた企業Aのもう一つの同業他社、企業Bへの応募だった。
企業Cのときと同じように、まずは企業Bの企業HPを確認し、私のこれまでの経験に近い職種での募集があるかどうかを調べる。
運良く、うまくマッチしそうな職種の募集があった。
それまで作成した履歴書、職務経歴書を企業B向けに微修正する。そして企業HPの応募フォームに必要事項を記載し、作成した履歴書、職務経歴書を添付して「応募」ボタンを押した。
すぐにシステムから、
「登録完了しました」
という自動返信メールが送付されてきた。
そこには、
「ご応募いただいた内容をもとに書類選考の上、e-mailにて結果をご連絡させていただきますので宜しくお願い申し上げます。
なお、応募日から3週間ほどお時間頂くこともございますのでご了承願います。」
と記載されていた。
その登録を行ったのが2018年6月5日だったので、場合によっては6月末まで結果が来ないこともあり得る。
先は長いな。
そこまで、私は企業Aで持ち堪えることができるんだろうか。
そんな不安を心の中で感じた。
そのくらい、その当時の私は企業Aで追い込まれていた。
そんな中、企業Cの人事面接結果よりも先に、企業Bの書類選考結果がメールで送付されてきた。
メールが送られてきたのが6月11日。
企業HPから応募したのが6月5日だったので、1週間程度での結果連絡だった。
メールには次のように書かれていた。
“この度は弊社キャリア採用にご応募頂き、誠にありがとうございました。
さて、○○ 様は書類選考合格となりましたので、引き続き弊社一次選考会へお越し頂きたく存じます。 “
書類選考に合格したとの連絡だった。
書類選考を通ったのは企業Cに引き続いて2社目だった。
その時私が勤めていた企業Aの同業他社である企業B、企業Cに転職活動のターゲントを絞る。その戦略が功を奏した形だった。
企業Aから「緊急避難」する。
これで、その目標に向けて二つの選択肢を持つことができた。
それはまだ不確かな未来だったのだけど、それでも今の目の前の苦しみから逃れられるという可能性自体に、私は希望を持った。そのような偽りの希望でもなければ、私は1日だって耐えることができなかった。
その企業Bの一次選考会は2018年6月19日に設定された。