8月21日(月)。

その日は有給休暇を取っていたのだけど、先日からノートPCに取り付けるタイプの外付けメモリが欲しくて、Amazonで商品を物色していた。

 

外付けメモリは特に商品間でそれほど差はないだろうと、Amazonのユーザー評価が高いものの中からできるだけ安価なものを選択した。

 

「キオクシア製1TB SSD」

ユーザ評価もそれなりに高いようだし、値段も1TBの割には11000円ほどでそれほど高くない。

 

商品を買い物かごに入れ、購入に進む。

 

別にいつもと同じようなAmazonでの購入。あとは配達されてくるのを待つだけだった。

 

 

 

 

 

8月23日(水)に、Amazonから、

「ご注文の商品はお住まいの建物内の宅配ボックスに配達しました」

というメールが届く。ただ、その日は平日で会社帰りということもあり商品を受け取るのも忘れて数日が過ぎた。

 

 

 

 

 

8月26日(土)。

実家に行く用事があったので昼前に家を出た。

 

そして家に戻ってきたのは午後6時頃。郵便受けに何か私宛の郵便物が届いていないかと思い、自分の部屋の郵便受けを開ける。そこにAmazonからの一通の通知が入っているのを見つけた。

 

「荷物お届け場所:宅配ボックス1」

 

そう記載されている。そこでようやくその週の月曜日に外付けメモリをAmazonから購入していたことを思い出した。そして郵便受けのすぐ隣にある宅配ボックスに向かった。

 

 

 

私が住むマンションの宅配ボックスは、部屋ごとの専用のボックスがあるわけではなく、汎用的なボックスが10個ほどあって、そのボックスに荷物を預けたい人は外からボックスを一つ選んで荷物を入れる。そしてどの部屋番号宛かの荷物を入力するようになっていた。

 

入力された部屋番号が、荷物を受け取る際に電子表示板に表示されるようになっていて、そこで自分の部屋番号と暗証番号を入れてボックスのロックを解除する。

 

 

 

 

私はいつものように、ボックス横の電子表示板を確認する。

 

ただ、そこには私の部屋番号は表示されていなかった。

 

ボックス1に目をやるとボックス上の緑のランプが点灯しているので何かしらの荷物がそこに入っていることを示している。

 

「どういうこと?」

 

ここにきて、私は何かしらの異常が発生していることに初めて気付いた。

 

 

 

 

その場の状況から考えられることは、

 

「ボックス1に私宛の荷物を入れたのだけど、部屋番号を間違って入力してしまっている」

 

ということだった。

 

 

 

ボックス1以外にもいくつかのボックスに荷物が入っている状況なので、電子表示板にはいくつかの部屋番号が表示されている。

 

ボックス1がどの部屋番号宛で入力されているのか、これだけではわからなかった。