大阪大学の去年の入試問題に誤りがあったとのこと。物理の問題ですが、間違っているとの指摘は去年の夏から行われていたにも関わらず、認めるのが年明けになったということは、詳しい経緯を知らないので何とも断定的に云えませんが、入試のミスと云うよりも、間違いを認めなかった姿勢に問題があり得ると思います。学校の先生が誤りを認めることは中々抵抗の強いことでしょう。しかしこの手のことは若い人の将来に影響を及ぼしかねないので、その対応は極めて重要な意味を持ちます。

 幸い私は本当にいい先生に恵まれました。あれは確か小学校5年生の時、私は理科の滑車の問題で、先生が黒板に書いた解答が間違えていると指摘し、授業のあとに教壇のとこに行ったら、他の生徒もわいわい集まって先生用の教科書を覗き込んで、「教科書が間違っている訳ないじゃないか!変なこと云うなよ!」と同級生に非難されるも、担任の先生は、「うーん、そうかぁ?松本の云ってることは合ってるかも知れないし、調べてみよう」と云ったのでした。それから1ヶ月くらい経った或る日、先生は授業中に、「この間松本が云った滑車の問題だけど、松本が合っていた」と宣言してくれたのでした。

 嬉しかったです。その時は嬉しい気持ちで一杯でしたが、年を経てから思い出すと、感謝の気持ちで一杯です。学校の先生として、中々出来ないことだけれども、間違いを認めると云う、人としてとってもとっても大切な姿勢を身をもって教えてくれました。黒沢先生、本当にありがとうございました!