6月1日       <お中元>
各デパートではお中元の受付けが早くも始まったようです。日本では流通の仕組みに一時期に膨大な量の郵送物がのることが少なくとも年に3回はあります。お中元とお歳暮と年賀状です。しかもこれらの場合、単に流通量が全般的に増えるのではなくて、郵送先の数は増えないが各郵送先(各家庭)宛ての郵送量が増えるという特徴があります。つまり運搬のコストは普段とあまり変わらないのに、郵送量が多く、従って流通業者(最大手は勿論郵便局ですが)の受取る郵送料は高いということになります。これは欧米におけるクリスマス時も一緒でしょう。では郵送料が低くなるかというと、ある人がある一人の知り合いに大量の贈り物をするならば注文時に運賃の値引きも交渉できそうですが、その場ではバラバラといろいろな場所に一つずつの配送を頼むのでそうもいかないでしょう。こういう場面は流通業者にとってはとても美味しい場面です。このような有利な場面をうまくそっと作ることもビジネスの秘訣でしょうか。


6月4日      <ジェット機>
仕事でニューヨークに来ています。マネックスに既に投資している、或いは投資に興味のある機関投資家を訪問するIRと、いくつかメディアに会ったり講演したりとかのPRを兼ねています。今回ボーイング777という飛行機で来たのですが、いわゆる「ジャンボ」ボーイング747以外のジェット機で東京からアメリカの東海岸までノン・ストップで来られるとは知りませんでした。ジャンボより小柄にみえる(実際には長さは変わらないようですが)双発機です。御存知ジャンボは4発エンジンが付いています。機体が小さかったりエンジンの数が少ないとそれだけ揺れそうで心配ですが、実際にはジャンボよりも揺れは少なくとても快適な飛行でした。基本設計年度が1969年と1974年ということで25年も違うので当然といえば当然でしょうか。ジェット機はスペースシャトルのようなロケットと同様に、各エンジンの噴射の力を、機体のぶれに応じて微妙にかつ機敏・正確に調整することによって態勢を整えています。従ってそのサーボ機能の優劣によって揺れ方が変わって来る訳です。一度だけ7人ぐらいしか乗れない小さなジェット機に乗ったことがありますが、乗る前はかなり揺れるだろうと恐れていたのですが、実際は離陸も着陸も含めて殆ど揺れない極めて快適なものでした。エンジンが主翼に左右1機ずつと、垂直尾翼に1機付いていたので、小さな機体を強力にサーボ出来たのでしょう。技術の力は実感できる想像を超えていますね。


6月5日      <消費センチメント>
アメリカの投資家にいろいろと日本のことも聞かれますが、こちらからアメリカのことも聞いてみます。アメリカの景気は、株式市場はまだ平気ですか?答えはどうやら平気そうなのです。一番の理由は個人消費動向が引き続き力強いことです。連銀の金利の引き下げによりクレジット・カードの利用金利や住宅ローンの変動金利が下がり、それによって減った個人の金利負担がそのまま消費に向かっているというのです。うーん、日本とは随分様相が違います。日本では金利負担を減らそうにも金利自体が殆どありません。では逆に預金などの金利を上げたらどうでしょう?調整インフラ論みたいですが。しかし最後にもっとも大事なのは恐らく消費センチメントでしょう。金利負担を減らしたり、或いは配当を増やしても、それが貯蓄に向かっては意味がありません。消費センチメントは将来に対する不安感などの影響を大きく受ける筈です。きちんとした方向が示されないと、そして政府に対する信頼がないと、消費センチメントは回復しにくいでしょう。内閣や日銀の舵取りは重要ですね。


6月6日       <JM>
LTCMでいろいろな意味で世間を騒がしたジョン・メリウェザー(JM)については今までに何度もつぶやきで書きましたがまた書かせて下さい。今発売中のビジネス・ウイークがまたしても痛烈に批判・攻撃をしています。「米株式市場も一方向の上昇基調でなくなった今、ヘッジ・ファンドは人気の筈である-JM以外は。あれだけの失敗をしたのでみんなJMを信用できない、云々。」JMの人となりを知っている者には目を覆いたくなるような内容です。JMは恐らく悠々自適で余生を暮らせるだけの財力はあるでしょうし、彼を尊敬し崇め奉る人間もまだまだ大勢いて、何もわざわざ同じヘッジ・ファンド・ビジネスに復帰して、かつて彼に最大の敬意を表した人たちに頭を下げてお金を集め、マスコミからも興味本位で詮索され侮辱される道を選ばなくても良かった筈です。しかし彼は自らその道を選びました。自分達の投資理論の正当性を証明する為に、自分達の取った行動が勿論ふざけた気持ちから起きたことではなくマーケットという怪物の中で起きた事故であり、その中で最善の対処をしたことを証明する為に、或いは既に全ての緊急支援資金を返済したにも拘らず、未だに世間を騒がしたことに対する責任を全う出来てないと自ら規定して贖罪を続けているかのように、彼とその仲間たちは淡々と仕事を続けています。私はそんなJMをこの業界の人間として、或いは一人の人間として、とても尊敬しています。世間の冷たい目に負けない毅然とした態度をこれからも応援して行きたいと思います。


6月7日      <サマータイム>
アメリカにはサマータイムというものがあります。春から秋まで、時刻を1時間うしろにずらします。仮に本来であれば午前4時から午後8時まで明るいとすると、サマータイムによって明るい時間帯が午前5時から午後9時にずれます。要は朝早くから明るい必要はないし、一方より遅くまで明るいと、いろいろな生活行動がより遅い時間まで出来るので、消費を刺激できるだろうという施策です。実際午後8時のニューヨークはまだ明るく、街は会社帰りの人たちがショッピングをしたり、同僚や友人と一杯したりとかで、とても混み合っています。日本でもデパートなどが営業時間を遅くまで延ばしていますが、周りが明るいか否かで出掛け易さは心理的に随分違う筈です。つまらないことのようで、個人消費をこのようにあの手この手で刺激するのと、ただ単に放っているのとでは、結果は大きく違って来ます。「個人消費」と言ったものをもっと政策の中心に持って来ることがこれからは重要ではないでしょうか。


6月8日     <アメリカの投資家>
今週は多くのアメリカの投資家と会いましたが、以前とちょっと違う印象を持った部分があります。今まではアメリカ株に投資さえしていればずっと右肩上がりでいい成績を残して来られた訳ですが、アメリカ株の行方が最近一本調子ではなくなって来たので新たな投資対象を探しているように見えます。投資先としては債券とか、海外の株とかいろいろあるでしょうが、投資チームの編成とかファンドの設定対象が少しシフトして来ているようです。投資のベテランとして、やはりこうゆう所は流石だと思います。日本の投資家にもうまく立ち回ってもらいたいですね。


6月11日     <渋滞>
渋滞の力学については今までに何度もつぶやきましたが、やはりいつも興味をそそられます。中でも一番面白いのが見物渋滞で、事故現場を一目見ようと思う気持ちとここまで待ったのだからゆっくり見てしまおうと思う気持ちが重なって現場の車が不規則に減速し、その影響が大きく増幅されて長い渋滞が出来てしまうようです。ネットワークのように有機的に繋がっているものの流れは、いわゆる「ネック」(律速因子、或いは段階)によって決定されますが、見物渋滞の場合は容量的には余裕があるのに心理的なものがネックを更に狭くしてしまっています。世の中にはこのように容量や能力を出し切れていない状況というものが多々ある訳で、それを解放してあげるだけでも状況が大きく改善できるケースが無数にあるでしょう。例えば見物渋滞の解決策として、反対側車線との境目に目隠しを立てるというのがありますが、人間関係などにも目隠しが有用な場合もあります。流体力学というのは勉強したことがないのですが奥が深そうですね。


6月12日      <周波数の公開入札>
経済財政諮問会議の基本方針案が示されました。電波の周波数割り当ての入札制導入によって競争原理を採り入れ、民間の潜在需要を引き出すといったこともうたわれています。これは中々興味深いアイデアだと私も以前は思っていたのですが、最近ちょっと疑問を持っています。アメリカや欧州では当然のようにこの入札が行われて来ました。しかし兆円単位で落札されるため、本来ほかの投資に向けられるべきであった巨大なお金が資本市場から吸い上げられているのではないでしょうか?それは各企業の業績も圧迫しますし、単純に資本市場における需給の観点から言っても必ずしも好ましいことではありません。勿論理屈では自由経済原理に乗っ取り、企業価値を上げられるプランを持った会社が然るべき値段で落札する筈なのですが、理論と実際は違ったりします。とにかく大胆さと細心の注意の両方が必要とされる我が国の経済状況ですから、よくよく検討をして頂きたいと思います。


6月13日      <メルマガ>
小泉内閣のメールマガジンの登録数が今朝の段階で58万5000通にのぼったそうです。登録受付け開始から2日あまり、しかも日中は混雑してほとんど繋がらないような状況が続いた中でのことですから、登録数はまだまだ伸びるでしょう。独自の情報を発信するメルマガとしては世界新記録のようです。インターネットの面白さの一つとして、全てのものをフラットな同一面に並べてしまう所がありますが、ポリティカル・アパシーが蔓延して久しいこの国において、国民の政治への復帰にメルマガが大きく寄与することになるかも知れません。願わくは更に進めて、前から私も言っているように、国政選挙にもネット選挙が(補完的な手段として)導入されるといいと思います。このマネックス・メールも受信者数が約7万通になりますが、もっともっと頑張らないといけないですね。

今日のカブセン 「お天気と 為替に怯える 先物買い」 By 盆那
カブセン投稿はこちら : http://www.so-net.ne.jp/carina/monex/


6月14日     <日経商品面>
私の密かな楽しみは日経新聞の商品面です。政治・経済・金融面、更に国際面まで見てもあまり興味深い記事がない時などに特に良く読みます。マーケットの仕組みや、その裏にある人智を伺い知るのにも最高の教科書です。中国で発生したインフルエンザの感染を恐れて中国産のブロイラーの輸入が停止されると、中国に次ぐブロイラーの日本への輸出国であるタイがこの状況につけ込んで値段を大幅に引き上げる。煽りを受けて合鴨の値段も高騰。しかし供給側がいつまでも値段を吊り上げていると逆に来年の需要が減るので、いずれタイミングを見て卸値を下げて来るでしょう。品薄のドバイ原油の値段を敢えて指標として使うことにより、割高に原油を売って来た産油国の計算。ネットの普及のためか下げ止まらない古紙の相場。いやぁ、面白い。結局最後は人の知恵と思惑がマーケットを大きく動かしていることが良く分かります。そして何よりも等身大の生の人間ドラマを感じられるのが楽しいもんです。皆さんも読んでみては如何ですか?

今日のカブセン 「引け間際 五分で落とす リンク債」 By Go
カブセン投稿はこちら : http://www.so-net.ne.jp/carina/monex/


6月15日    <小泉メールマガジン>
小泉内閣のメルマガの登録者数があっさりと100万人を超えました。アメリカの投資家などに「小泉内閣は本当に改革するのか?小泉内閣のリスクは何だ?」とよく聞かれます。小泉さんが改革を断行しないリスクは低いと私は思っています。小泉首相は変化は痛みを伴うとずっと言い続けてきていますが、彼がより正しく、より速く、より強い改革をすればするほど「痛み」は鋭く大きいものになるでしょう。リスクは国民がその痛みを感じた時に、小泉内閣の高支持率が維持されるかどうかではないでしょうか。しかしサッチャーの時代にも、レーガンの時代にも、痛みを伴う変化にも拘らず国民はこの二つの政権を支持しました。日本だって出来る筈です。しかし世論を作るのは必ずしも国民ではなく、マスコミであったりします。少なくとも世論の形成にマスコミは大きな影響力を持ち、またマスコミはよく急に掌を返してハシゴを外すことがあります。今の日本の状況を脱するには、マスコミも含めて皆が評論家になるのではなく皆が当事者になることが必要ではないでしょうか。小泉メルマガは近々数百万人の登録者にのぼるでしょう。小泉内閣が国民に直接メッセージや情報を発信できる媒体を持ったことは、勿論それに伴う危険もチェックされるべきですが、中々思慮深いことだと思います。本当にやる気なんだと、そう信じたいと思います。


6月18日     <雑誌>
雑誌が大好きです。どちらかというとお堅いものよりも柔らか目の方が好きで、ポスト、現代、フォーカス、何でもあれといった感じです。あたりかまわず本屋に入っては、雑誌が少ないとガッカリし、逆に雑誌が多いと嬉しくなって手当たり次第表紙と目次を見ます。堅いものも、良く読むものも、初めて見るものも、あまり関係ありません。興味を引く記事は斜め読みします。そうするとある雑誌には大きく取り上げられているものが他の雑誌では全く触れられていなかったり、同じ話題でも雑誌によって解釈が随分違っていることに気づき、より正しい状況を推測するのに役立ちます。またあるテーマに関する雑誌の数の変化(これは頻繁に新刊・廃刊があって案外はやく変わるのですが)を眺めたり、ながく存在している雑誌の紙面のテーマ別割合の変化を知ることによって、氾濫する情報のフォーカスが時の流れによって変わって行く様が手に取るように分かり、それが正しい遠近感をもって情報を再構築するのに役立ちます。現代は容易に情報が入手できる時代ですが、新聞やテレビは情報の出し手の持つ遠近感が強烈に反映されますし、一方インターネット上の情報はほとんど遠近がなく羅列されているので、正しい遠近感を持つ努力は大変重要だと思っています。(雑誌が好きな一番の理由は落ち着きのない性格から来ているとは思いますが・・)


6月19日      <ナノテクノロジー>
今朝の新聞に商社がナノテクに大型投資を始めたという記事がありましたが、私はナノテクには大いに注目しています。ナノテクには量子コンピュータのような想像もつかない可能性の領域もありますが、もっと分かりやすい分子・原子単位での微小な機械の開発・作成にも大きな意義があると思います。地球上のエントロピーは増加の一途を辿っていますが、いろいろな機械が小さくなればなるほど、当然それを動かす為のエネルギーも小さくて済み、結果エントロピーの増加のスピードを大きく抑えられるでしょう。エントロピー増加の問題は極めて重大かつ不可避の問題ですから、その(抜本的ではありませんが)解決手段としてナノテクの重要性は今後益々上がって行くのではないでしょうか。

今日のカブセン 「メルマガで 騰がるは宰相株ばかり」 By 独善竜
カブセン投稿はこちら : http://www.so-net.ne.jp/carina/monex/


6月20日        <旋律>
歌の旋律が耳に残ります。ふと気がつくと軽く口ずさんだりしていて、しかしよくよく歌詞を聴いてみると実はえらく重い詞だったりすることもあります。そもそもろくに歌詞も聴き取れない海外の歌でも旋律を覚えて、本来であればその場のTPOに合わない内容の歌を口ずさんでしまうこともあります。旋律の印象はとても強いようで、何回か聴いたCDだと1曲が終わると次の曲が始まる前にその旋律が無意識のうちに頭の中を先取りして鳴り始めます。これは旋律といったものがより記憶に残り易い性質なのでしょうか?恐らくそうではなく、旋律などを記憶する脳の部分の容量が余っていて、その結果鮮明に覚えてしまうのではないでしょうか。だとすると何故その部分の容量が比較的に大きいのでしょうか?かつてヒトはもっとメロディーに富んだ生活をしていたのではないかと私は思います。


6月21日       <ばね下重量>
車の運動性能などを考える時に、サスペンションにぶら下がっている部分の重量、即ちばね下重量をなるべく低く抑えようとします。エンジンの出力とタイヤの摩擦力が一定であれば、ばね下の10キロもシートの重さの10キロも関係ないように思えますが、実際には運動性能に与える影響は大きく違います。これは例えば10キロのリュックサックを背負ってもかろうじて走ることは可能でしょうが、5キロの鉄下駄を両足に履いて走ることはまず不可能であろうことを想像すると良く分かります。不勉強なので間違っているかも知れませんが、これは慣性モーメントの問題でしょう。このように同じモノでもそれがある場所によって全体に与える影響は大きく変わり得ます。機械だけでなく、人や資金の配分などにも同じことが言えるでしょうね。


6月22日       <株主総会>
明日はマネックスの株主総会です。土曜日に、日比谷公会堂で催します。インターネットで中継もします。株主の方々の権利について、予めHP上でも案内させて頂きました。以前に「スケルトン・モデル」というつぶやき書いたことがありますが、商法の予定した形で、公開企業として、なるべく開かれた株主総会を開きたいと考えています。全てが初めての経験で不安もありますが、株主の方にマネックスの現状と今後を良く理解して頂けるようにしたいと思っています。明日は証券会社としてだけでなく、上場株式の一発行体として、資本市場の民主化というマネックスの理念の実現のために努力したいと思います。

6月25日      <検閲>
ネット上の所謂「風説の流布」が問題となることがしばしばあります。何らかの形で規制しようという意見もありますが、私はその考えに基本的に反対です。どんな勝手なことでも簡単に書けるし、その内容の正当性の証明が為せれず、その情報を信じてしまうこともあるからというのが規制派の論点です。しかしこの問題は検閲とか言論の自由の問題として慎重に論ぜられるべきだと思います。マス・メディア、特に全国紙やテレビの地上波が報じるニュースにしても必ずしもその情報が正しいとは限りませんし、その内容の責任の所在も不明な場合が多いと思われます。逆に、マスなメディアが報じるとそれは「正しい」と誰もが推定してしまうという厄介さもありますし、ネット上であれば反対意見も自由ですがマス・メディア相手だと不可能です。また内容が仮に間違っていてもあとから訂正されることは稀です。ネット上の風説の流布を規制することは、「検閲」を容認する結果となり兼ねませんし、マス・メディアの影響力の大きさと彼らに与えられている権利との対比において極めて大きな問題があると私は思います。


6月26日      <携帯電話>
携帯電話が電波をつかむ時には随分強い電磁波が出るようです。この電磁波と脳腫瘍の関係についての疫学調査を(当時の)郵政省がするといった話を1年以上も前につぶやきで書いたことがありますが、あれはどうなったのでしょう。最近ビックリしたのは、友人の機械式の腕時計が普段は時刻がズレないのに、たまに一気に3分ほど進んでしまうので故障かと思って調べて見た所、何と携帯電話の電磁波のせいで進んでしまったとのことでした。時計は磁気を抜く為に暫く預けることになりました。あんな機械の針を突然3分も進めてしまう電磁波。疫学調査の結果は2004年に出るということでしたが、(その時も書きましたが)もっと早く何らかの報告を出せないものでしょうか。知らないうちに体のいろいろなパーツが蝕まれていたら嫌ですよね。


6月27日        <情報収集>
情報はその内容も重要ですが、どこに情報があるかを知ることはもっと重要かも知れません。マネックスの設立時から、私の周りには特別な情報端末を極力導入しないようにして来ました。個人のお客様がインターネット上で株を売買する訳ですから、ちゃんとネット上(勿論これはマネックスのHPも含みますが)だけで必要な情報が取れなくてはいけません。敢えて自分の周りに特別な情報端末を置かないことにより、お客様と同じ視点で情報のアヴェイラビリティーを確認しようとした訳です。気が付くと随分多くのネット上のページを見て回ることになりました。今回編集長や他の社員と一緒に、私たちが情報収集の為によく使うページをまとめてみました。「投資のヒント」の中の「情報収集編」というページです。是非御利用下さい。また他にも良いページがあったら教えて下さると幸いです。


6月28日        <市場参加者>
軟調な株式市場が続いています。小泉内閣の誕生と共に、変化に対する期待感から一旦2割近く上がった相場は、既に元の位置にまで戻ってしまいました。構造改革に伴って、いろいろなもの(人・ビジネス・資金など、全てのもの)が現在ある場所から外されて新しい場所に再配置されるでしょう。しかもそれは同時ではなく、暫くの間宙に浮くこともあるかも知れません。あらゆる類いの資産が、現代に適った形で最適に再配置され、再び成長力を持つようになる為のプロセスです。効率を上げる為のITの導入や、あらゆる仕組み・組織の中でのいわゆる「中抜き」は、将来的にサービスの価値の向上に繋がりますが、短期的にはデフレの効果があります。これらの現象は「Jカーブ効果」としてよく知られています。今の苦しみは、将来の成長の為です。「株式」の投資ホライズンは本来かなり長く、「J」の短期的な沈みこみはその期間より短い筈です。構造改革を推進し、その実行を支えるのは、政治家や政府やマスコミだけでなく、市場参加者もやはりある意味で重要な当事者だと思います。


6月29日       <疑問>
情報は氷山の一角であることが多く、また一方の主張があれば、片方の主張が隠れている場合も多いものです。ですからどんなことでもうかつにコメントすると危険な場合がとても多いと思います。しかしながら、やはりちょっと考え込んでしまう記事を今朝見つけてしまいました。公的資金の注入を受けているある都銀の今春退任した役員に対する退職慰労金が取締役9人に対して11億円だったというのです。アメリカでは15年ほど前にS&L(貯蓄貸付組合)の不良債権問題を公的資金を投入して処理した時に、確か1000人近い銀行の経営陣が実際に投獄された筈です(人数等はうろ覚えなので間違っているかも知れません)。事情は大きく違うでしょう。言い分もあるでしょう。しかしどこか釈然としません。少なくともこのような疑問に対する説明の義務はあるのではないでしょうか?