今日は納会です。月の最終日に行う立ち会いを納会と云うようなので、正確には今日は大納会ですね。

 

 今年、日経平均は約3500円上げましたが、上昇率では20%弱と、イメージよりは上がり方が小さいように思えます。21世紀に入ってから日経平均の年間成績は、10勝5敗2分け、大きく上げたのは2005年と2013年で、それぞれ約40%と50%上げました。20%程度の上げは今年入れて4回。そのように見ると、今年の相場は、まぁまぁ普通に良い相場でしかなかったのです。16連騰はしたけれど、随分と慎重な相場だったと思います。

 

 構造的に見ると、世界経済の調子は良いし、アメリカは来年かなり着実に金利を引き上げてくるので流石にドル高円安になるでしょうし、一方日本の国会勢力分布を見ると、次期日銀総裁はアベノミクスを援護すべくリフレ派の人(黒田総裁再選を含む)になるのは間違いなさそうだし、日本株を取り巻く環境はかなり好転し、来年も更に良さそうです。ヴァリュエーション的にも、世界の株式市場の中で、米株は今後利上げが行われる環境もあり、ちょっと割高感が出てきていますし、一方日本株は上場企業の利益水準はバブル期の4倍もあるのに、上場企業時価総額和はバブル期と変わらず、かなり割安感があり、世界のマネーの行き場を考えても、日本株は有望でしょう。

 

 日本企業の性能は、バブル期に比べて格段に上がりました。開示、ガバナンス、新技術。様々な面で、日本企業は成長しました。これらのことが、21世紀に入ってから「まぁまぁ普通に良い相場」程度にしか評価されないのは、私は慎重すぎると思います。来年は、実質上平成最後の年です。平成は、バブルの崩壊、日本株の暴落で幕開けました。平成の終わりは、そのツケを返す年になるのではないでしょうか。200年ぶりの天皇生前退位と即位に向けて、全国的に慶事も催されることでしょう。平成の終わりの春は、ここ数十年で最大の結婚式ラッシュになるのではないでしょうか。そしてその翌年にはオリンピックがある。こういう需要が、更に企業収益と株価を押し上げることでしょう。2018年は2017年よりも更に更に、日本株にはいい年になると、私は思っています。

 

 2017年を振り返ると、忘れてはならないのはビットコインなどの仮想通貨相場です。1年前には2兆円程度しかなかった仮想通貨全体の時価総額は、今では4~50兆円あります。仮想通貨は裏付けがないと云われることもありますが、「通貨」と云うから勘違いするのであって、これはデジタル・コモディティー、即ちダイヤモンドや金(ゴールド)のデジタル版だと考えれば良いと思います。ダイヤモンドに裏付けがあるか?適正価格があるか?買いたい人がいるから値段が付く。そしてそのマーケットに一定の流動性と公示性が出てくれば、決済に使おうとすれば使うことも出来る。ビットコインはデジタル・ダイヤモンドだと考えれば、スッキリします。

 

 まだ初期段階にあるビットコインにとって、今の値段をバブルと云うのは時期尚早でしょう。ビットコインは、手を出しても出さなくてもいいと思います。但し、最も投機的なマネーが、商品相場でなくて仮想通貨相場に行ったとも考えられるので、様々なマーケット全体のお金の流れを考える上では、要注目です。ビットコインのおかげで、株式相場が過熱しないでいいペースを保っていると考えることも出来るのです。

 

 随分長くなりました。これら全て、日本株を取り巻く環境が、興味深く、そして概ねいいことを示唆しています。戌(犬)笑う、と云う株格言もあります。来年はいい年になることを願って、今年のつぶやきを終えたいと思います。今年も1年間、マネックスを御愛用いただきまして、誠にありがとうございました。

 

 皆さま、良いお年をお迎え下さい。