私は幼稚園生の頃から黒白フィルムの現像をしていました。ダークバックに手を突っ込んで、パトローネを外し(これが小さい時には力が足りなくて難儀でした)、リールに巻き付け、タンクに入れて、温度計を見ながら現像液を溶かして入れて云々と、そんなことを幼少期から始め、良く写真を撮りました。今のようにデジタルですぐに映像を見られないので、写真を実際に撮ってその出来映えを確認するサイクルは案外大変で、そのことに対する興味よりも、カメラというメカに対する興味が大きかったと思います。レンジファインダー、二眼レフ、一眼レフ、あらゆるカメラをいじりました。然しながら、仕事が忙しくなるのと、デジタル化が進む中で、徐々に興味が下がっていったのでした。

 

 私の中で一度カメラ愛が盛り上がったのは今から10年前。ニコンがフィルムカメラから撤退するとのニュースを聞いて、かつてニコン党だった私は慌ててニコン最後のフィルムカメラの逸品と思われたFM3Aを買おうとし、然しながらニュース発表のあとでは日本中どこのカメラ屋さんでも既に蒸発している中で、ここぞ一番、中野のFカメラで最後の新品一台を奇跡的にゲットした時でした。

 

 以来カメラ愛というかカメラのメカに対する愛はふらふらとはあったのですが、最近10年ぶりに本格的にめらっとしました。SONYの超高感度の某機です。熊本工場の問題もあり、これもどこに行っても蒸発状態。中古でも中々見つからなかったのですが、やはり中野のFカメラに中古が一台ありました。で、行っちゃいました。行ったら当然買っちゃいました。恐るべしFカメラ。カメラの在庫をあたかも生ものの魚のように、「今朝は一台入ってます!」と表現するFカメラ。愛がありますね。久し振りにカメラを楽しみたいと思います。