CNHという、香港で取引される人民元の、オーバーナイトの短期金利が67%にまで上がりました。CNHは小さいマーケットだし(とは云ってもそれなりの規模なのですが)、中国人民銀行が正式に関わっている中国の人民元(RMB)とは同じようでちょっと違うものなので(とは云っても人民銀行は関わっているのですが)、“中国の中央銀行が為替防衛の為に短期金利をべらぼうに上げた”ということではありません。

 例えば1年ちょっと前に、ロシアの中央銀行が、ルーブルの暴落を止める為に、短期金利を10.5%から17%に引き上げて世界中を驚かせましたが、そういうことではありません。あくまでも基本的には、小さいマーケットの中でのマーケットレートであり、一時的に吹っ飛んでいるだけです。しかし尚、その背景にあるのは、人民元の先安感からCNHをショートするヘッジファンドなどが恐らくいて、それを防衛している当局サイドがいるという構図なのでしょう。

 今日の上海株式市場は、大して動かず静かな感じでした。恐らく中国本土の投資家は、香港での人民元マーケットなど知らないのでしょう。でも全ては根底で繋がっています。中国からの資本流出が止まらない、或いは止まらないように連想せざるを得ない状況があるのでしょう。いずれ人民元は切り下げられないと、今の状況は持たないでしょう。人民元が切り下げられれば、新興国には打撃でしょうね。暫くは、原油と中国から目が離せませんね。