さて、先週金曜日にこのつぶやきで投げ掛けた質問、もし宝くじで1億円当たったら、全額預金しますか?それとも2500万円ずつ円預金、ドル預金、日経平均、米ダウ平均に分散投資しますか?という質問ですが、今朝の段階で、預金派が47名、分散投資派が432名でした。私はこの結果に正直ビックリしました。何故なら私は過半数の方が預金を選ぶのではないかと思っていたのです。

 そう考えた理由は、ノーベル経済学賞を取ったプロスペクト理論(行動経済学)によっても、人は小さい金額ではリスクを好み、大きい金額ではリスクを嫌う傾向があるので、1億円というサイズでは少なくとも半数の方はリスクを嫌って預金を選ぶと思ったのです。これはもちろん理屈としては間違っていて、金額の多寡によってリスク選好を変えるべきではないのですが、例えば宝くじで100万円当たったらどうしますか?という問いとのあいだで、大きな差が出るのが通常です。

 しかしこのつぶやきの読者の方々は一般よりも金融リタラシーが高いとお見受けできて、金額が増えても、恐らく元々持たれているリスク選好の高い傾向が矮小化されずに発現しました。しかもとてもクリアな形で。素晴らしいと思います。しかしここで思うのですが、分散投資をすると答えられた方々は、”実際に”1億円が銀行口座に振り込まれても、それを2500万円ずつドル預金、日経平均、米ダウ平均に投資を振り向けられるでしょうか?メール上での想定の答えと、実際の行動には、もしかしたら差が出るかも知れません。

 今回のインタラクティブつぶやきは、とっても勉強になりました。バイアスというものの存在は大きいこと。そして、頭で考えたことを実際にも感情に流されずに投資の実行に結び付ける、そんなことをサポートするサービスも考えてみたいと思います。いずれにしろ私の考えが、浅はかであることもクリアに分かりました。良く皆さんの声に耳を傾けて、精進していきたいと思います。

 蛇足ですが、因みに私はそんなラッキーな出来事で1億円を手にしたら、そのまま預金して消費してしまうかも知れません(笑)。