AIBOが、重要科学技術史資料(愛称・未来技術遺産)に選ばれたらしい。選出したのは国立科学博物館。AIBOと云えば、当社創業と正に同じ頃、1999年にソニーから発売された、学習機能付き人工知能を持つ、犬型自律ロボットである。当時はこのAIBOを散歩に連れて行くためのカゴまで発売され、カゴにAIBOを入れて銀座のエルメスに買い物をしに行くお姉さんが報道されるほどの、熱狂的人気があった。当社にも、この初代AIBOが一台(一匹?)、今でもいる。ちゃんと相手をして可愛がらないと、お利口な動きをするに至らないと云うところが、高い買い物であるにも拘わらず、いい意味ですっ飛んでいた。学習済みのチップを手に入れようとする試みも各所で行われたが、結果は定かではない。

 ちょうど我々オンライン証券業界誕生の年に、ソニーは当社マネックスの創立にも大きく関わり、約半分の原始株主となり、一方で世界に先駆けてこのような自律ロボットを家庭向けに発売していた。それから16年。正に隔世の感がある。弛まぬイノベーションがないと陳腐化するのは早い、と云うと何となく聞こえがいいが、AIBOは今見てもとても格好いいデザインで、コンセプトも未だに進んでいると思う。継続することがどれだけ重要か、と捉えることの方が重要かも知れませんね。

 ところで、今、欧州の某所に30時間ほど滞在しているのですが、この現地の空港のエスカレータで、面白いことに気が付きました。エスカレータで立ち止まる人が皆、右側に立っているのです。むぅ。東京では左側に立ちます。歩く人は右側。大阪では、右側に立ちます。国自体が左側通行か右側通行かでは、説明することが出来ません。どう分析すべきか。きっと答えはないのでしょう。マーケットは今日もボラタイルな日が続いています。これも一昨日書いたように、理由を探しても、或る答えを無理矢理こじつけることは出来ても、本当の答えはないのでしょう。でもエスカレータの並び方もマーケットも、人の営みには変わりありません。観察すれば、何かは見えてくる。そう考えて、観察を続けたいと思います。