マーケットの雰囲気が良くありません。アメリカ株も日本株も、パッとしません。中国株と原油が安いからでしょうか。しかし本来はどちらも、必ずしも世界のマーケットには関係ない、或いはマーケットに悪いことではない事柄です。

 中国株式市場は国際的に開かれていないので、あくまでも中国国内の問題であり、世界には飛び火しない、というのが理論ではありますが、中国経済の失速が原因だと、或いは中国経済の失速に繋がると、世界経済にも影響がある、という連想になるのでしょう。しかし中国株が売られているのは、無茶な信用供与を背景に株価が上がり過ぎたので売られている、という部分の方が大きいと思われます。それでも天津の爆発の問題などもあり、不安心理に歯止めがきかないのでしょう。

 原油安も、本来ならばエネルギーという現代経済の巨大コスト要因が減るので、世界経済には必ずしも悪いことではありません。しかし値段が下がる、デフレ化、マーケットにマイナス、とこれも不安心理を掻き立てるのでしょう。

 どちらもイメージの部分が大きいですが、今までの世界的な株高を前提に考えると、今ここで敢えてリスクを取る必要もないので、リスクを減らす方向、即ち株などを売る方向に力学が働くのでしょうか。季節はいつも完了形で来るように、マーケットも同じく完了形で来ることがあります。暫くはあちこちに注意を払う必要がありそうですね。