私は仕事人生は未だ30年に足りない未熟者ですが、仕事というものは楽にしようとすれば随分ラクに出来て、しかししっかりやろうとすると、これはキリがないものだと思っています。そして仕事をする以上は、しっかりとやらなければ意味がないと(或いはかなりないと)思っています。仕事バカ、仕事好きと云われてしまえばそれまでですが、「仕事」とはそういうものであり、好き嫌いではなく、「寝る」ことと同じように、即ち「中途半端に寝る」ということがあまり意味をなさないように、中途半端に仕事することもあまり意味をなさず、仕事をやる以上は、しっかりとやらねばならないと思うのです。

 しかし仕事は寝ることと違って簡単ではありません。何故なら寝るのは一人で出来ますが、仕事は相手や同僚がいて、自分一人での努力だけでは結果が出ないことがあるからです。また寝ることと違って、仕事は評価されます。寝ることには他人の基準や相対基準は一般に持ち込まれませんが、仕事には逆に、他人の評価や相対基準が持ち込まれがちです。しかし寝ることも実は自分がどう思うかがとても重要です。寝ることの評価者は自分であり、基準も自分です。

 仕事の評価は、仕事というものがアートではなくて、誰かに対して行われているものである以上、他人に評価されることは当たり前ですが、同時に仕事に対する需要とか趣向といったものはかなりダイナミックに変動するので、他人の評価も短期的にぶれやすく、仕事をきちんとしっかりとやり抜こうとすると、ぶれない評価軸が必要であり、それは自分自身で基準を定めるしかないと思います。即ち、仕事の評価基準は自分で持つべきであり、また相対的なものでなく絶対的な基準を持つことが大切だと、私は思っています。そしてそういうことをしている人こそが、プロフェッショナルなのだと思っています。

 自分は果たしてプロフェッショナルだろうか?プロとしての矜持を持って仕事に臨んでいきたいと思っています。