東証の「取引時間の拡大に関する検討結果について」に対する意見書を、当社は今日、他のオンライン証券二社と共に東証の親会社である日本取引所グループに提出しました。本件は、まさに様々な意見のあるところです。然しながら私が一番強く思うこと、それはいつの日か、日本企業の株式が24時間、或いはかなり長い時間取引されるようになることは自然であり、その時このままでは日本の個人投資家はどうなるのだろうと云うことです。

 アメリカで今、日本製のエアバッグの問題などが大きく取り上げられています。議会の公聴会なども開かれています。日本の車メーカーの生産する車の莫大なパーセンテージがアメリカで売られています。もし今、日本株が24時間取引されていたら、日本の車メーカーの株は、アメリカ時間の方が活発に売買され、値動きも大きいかも知れません。これは一例ですが、日本における通常営業時間外の方が活動が大きい日本企業はいくらでもありますし、日本株を売買する大手プレイヤーは海外の機関投資家であるし、未来において、日本株が24時間(もしくはかなり長い時間)取引化していくのは必然だと思います。

 その時、日本を含む機関投資家や、投資銀行は別に問題ないでしょう。世界中の取引所にアクセス出来るからです。或いは投資銀行自体が私設取引所を開いてるかも知れません。そしてニューヨークの取引所が、日本株の取引をしてるかも知れません。その時、“東京”証券取引所はどうするのでしょう?そして日本の個人投資家はどうなるのでしょうか?当社のお客様には不自由させません。私たちが世界の取引所に接続してさし上げます。でも世の中の一般の個人投資家は、東証での取引しか出来ず、流動性も値動きもある日本株のマーケットに参加できないかも知れません。

 今回の”取引時間拡大せず”の結果には、こういった重大な問題が潜んでいると思うのです。こういう考えを、もっともっと説明していきたいと思います。