今日、会社の前の通りにずらっと日の丸が掲げられました。皇居半蔵門から新宿大木戸に向かう通りです。どうやら四谷駅までは麹町大通り、そこから先は新宿通り、四谷4丁目辺りから甲州街道と呼ばれるようです。この麹町大通り、日の丸が掲げられる頻度が高く、期間も長い気がします。恐らく新年を迎える準備なのでしょうが、何故今日からなのかは謎です。皇居周辺の他の地域でも旗が掲げられているかというとそうでもなく、千代田区の他の地域もそうではなく、どうやら町会単位で決めて掲げているような雰囲気です。クリスマスイブも終わったので、七草がゆまで旗を掲げておくのでしょう、恐らく。

 半蔵門は皇居、即ち江戸城で最も標高の高い場所で、その門の上に服部半蔵(とその子孫)が乗って目を光らせていました。城とその周辺の構造は、敵からの侵入を守るためには道をわざと曲げたり角を作って、一気に攻め込まれるのを防ぐものですが、甲州街道に繋がるこの道だけは一直線です。この道の両脇には幕府直轄御家人だけを置き、しかも江戸の縁(即ち大木戸)まで、他方面に比べて極端に短い。御家人住居の外側も、例えば紀尾井町とは紀伊、尾張、井伊家の屋敷が接していた場所ですが、一般の大名は住まわせず、将軍家の親戚か極めて近い家しか住まわせませんでした。大木戸の先、甲州までは天領(将軍綱吉の御落胤とも噂される柳沢吉里が入封した一時期を除く)が続き、要はこの地域から甲州まで完全に将軍家の裏庭、いざという時の逃走経路だった訳です。逃げる時には道は真っ直ぐの方がいいし、周りには一切敵を置かなかったのです。と、ほとんど山田風太郎さんの説の受け売りですが、当社本部のある此の地は日の丸的なものに愛着が強いのかも知れません。

 気が付くと納会まであとたったの3営業日。旗を見たら一気に年末感が湧いてきました。最後までいい年末にしたいと思います。