視界不良と云っても某氏のことではありません。あれはもう視界がない状態。視界不良とは或いはマーケットのことでもありません。こちらは視界良好、空の果てまで見通せるような絶好調です。視界不良とは北京空港のことです。

 私も度々北京空港は使いますが、最近は日によっては真っ昼間でも何時だか分からないような状況です。本当に視界が悪い。その北京空港に着陸する国内便を操縦する機長に、中国の航空当局は、視界不良でも着陸する資格の取得を義務づけたとのこと。これはCAT2(二類盲降運行資格)と呼ばれる資格で、国際線のパイロットは通常持っていて、海外の飛行機は北京空港に着陸できるのに、国内のパイロットはCAT2を持っている者が足りず、着陸できずに引き返したり他の飛行場に着陸しなければいけないケースが多いので、そのような対応をしたとのことです。

 無論、何故このような事態になるかというとPM2.5です。北京空港は離陸も定刻通りに出発するのは4割程度とのこと。これは視界の問題の他に、民間が使える航路がかなり限られていて(空全体の15%とか聞いたことがあるのですが、正確な数字は忘れました)、要は大部分は軍が使っていて、その限られた民間使用領域に積乱雲とか発生すると離陸できなくなるとかで、とにかく色々と条件が悪いのです。あれだけ広い国土なので、視界が悪くても簡単に着陸できる余裕の大きさの飛行場を作ったり、民間航路領域ももっと拡げればいいのにと思うのですが。

 しかし最大の問題はPM2.5です。こういう正に”公害”を直せないところに、中国という国の体制とか利権が見える気がします。しかし東にある他国にも影響があるので、本当に真剣になくすように取り組んでもらいたいですね。