約1年半ぶりに武漢に来ました。恐ろしくビルの数が増えていて、それは主に高層アパートなのですが、中国という国の容積はどれだけあり、どこまで行くのだろうと、驚き、そして漠然と不安になります。

 此の地には私とよく似た知己が居ます。彼と話すのは、そして飲むのはとても楽しい。前回此の地で飲んだ時にすらすらと書けなかった李白の七言絶句。

故人西辞黄鶴楼(故人西のかた黄鶴楼を辞し)
煙花三月下揚州(煙花三月揚州に下る)
孤帆遠影碧空尽(孤帆の遠影碧空に尽き)
唯見長江天際流(唯見る長江の天際に流るるを)

 今日こそは彼の前で書いてみよう。前回は東に帰る私を見送る前に酔い潰れてしまった彼に、今日はちゃんと見送ってもらおう。人と人の繋がりは、時間も掛かるし、いずれ物理的には必ず消えるものではありますが、これ以上に大きなものもありません。そして李白の詩とまではならずとも、長く後世に残る営みを作りたいと思います。