昨日に続いて私なりに考える成長戦略その2。それは企業版のタンス預金をなくさせることです。上場企業の過半数が無借金経営であるという記事を目にしました。一説では日本企業には200兆円にものぼる余剰資金があると云われています。GDPの半分にも迫る額です。この膨大なお金が眠っています。成長のための投資にも、配当や自社株買いにも、給料や税金にも十分に使われず、企業の中に溜まっています。お金は社会財です。使われて、動いて、働いて、始めて意味をなします。

 理論的には、デフレ期は今日買うより明日買う方が安いので今日はお金は使わない、或いは”現金は王様”ということになります。ですからデフレ脱却し緩やかなインフレになれば、企業は現金で放っておかないでもっとお金を活用するようになる筈です。しかし待っているだけでなくて内部留保を減らすことを促進するような施策は打てないものでしょうか。個人の金融資産1500兆円の大半が、預金などの非リスク性マネーとしてあることにも同様の問題があります。我が国最大の虎の子である「お金」を眠らなくさせることが、最大の成長戦略ではないでしょうか?