弾力性のある丈夫なビニールシートにボーリング球を落とす。シートは球を中心に凹んで、蓮の葉のような形状を造る。そこに野球の球を横から投げ入れると、野球の球は鳴門の渦に巻き込まれていく舟のように、円弧を描きながらボーリングの球の回りをまわる。このボーリング球が太陽であり、野球の球が地球である。重力のバランスによる安定した公転があるのではなく、このような一連の動きの過程が、今の宇宙の状態である。

 ・・・私は通常の力学を越える物理学を学びませんでしたし、英語力もかなり怪しいので、全く間違っているかも知れませんが、このような説明を英語のプレゼンテーションで聞きました。一般相対性理論の考え方でしょうか。重ね重ね、間違いがありましたら何卒御容赦下さい。

 しかしこの考え方は面白い。これは、宇宙も社会も経済もビジネスも会社も、そして個人も、常に変化している、動いていることは当たり前で、全ての状態は一連の変化・動きの過程の一断面でしかない、と云うこともできるでしょうか。社会や経済の重要かつ究極的には唯一の構成要素である個人を例に取ると、このことは分かり易いようにも思えます。生まれて、成長し、老いて、死んでいく。一国の経済や、先進国と新興国のダイナミズムも、同じような避けられない過程の一断面のようにも思えます。

 変えられない動きの中でどのように自分は、会社は生きていくべきか。そんなことを考えさせられたのでした。明日には帰国します!