新しい資本主義とは何か?そんな議論をする前段としての短いスピーチを頼まれたので考えてみました。実は昨晩某所で既に話したのですが、骨格は以下の通りです。

 先ずは欲について。欲がなければ成長はない。成長がなければ社会は幸せにならない。従って欲の総量規制はすべきではなく、短期的な欲から長期的な欲へのシフトを促すべきである。次に規模について。いわゆる"Too big to fail" は社会コストが大きい。大きな金額の配分先を少人数で決定する、或いは資本コストが低いが故にリターンの追求が甘くなる嫌いがある、公的金融の肥大化もよろしくない。また、管理サイドばかりが増えては分けるべき富が足りなくなるので、過剰な規制や大きな政府はマクロ的に見るといい結果を生まない。従って、欲は”正しく”行使させるべきであり、規模の肥大化は一般に金融という観点からは良くない。以上の論点から、新しい資本主義とは、市場原理主義の修正とかではなく、「国や企業ではなく、個人の『欲』に立脚した資本主義」であるべきだ。

 まぁこのような話をしました。政府の方も、公的金融セクターの方もいらっしゃったのですが、議論の叩き台としてはすんなりと受け止めてくれました。今の時代に合った「新しい資本主義」を、私たちマネックスが先頭を切って拓いていきたいと思います。