既にちょっとタイミングを逃した話題で恐縮ですが、アメリカのゴア前副大統領が、地球温暖化に対する問題意識を高めた功績から、ノーベル平和賞を受賞しました。個人的には若干複雑な感想を持っています。

 アメリカは京都議定書を批准していないたった2つの先進国のうちの一国(もうひとつはオーストラリア)ですし、アメリカのエネルギー消費量は世界一です。一方我が国は、正に京都議定書のホスト国でもあり、川口順子さんがもみくちゃにされながら会議を成功裡に終結させた場面を、今でもよく憶えています。

 GDP当たりのエネルギー消費量も、日本はアメリカの3分の1ぐらいの筈です。「キヨト・プロトコール」(京都議定書)は、地球温暖化問題に於ける最大のブランドであり、日本は温暖化対策の先進国です。アメリカはこの点に於いて未だ未だ遅れており、ゴア氏も未だ温暖化対策の実績はありませんが、「意識を高めた」「これからに期待できる」と云うことでの受賞でしょう。

 若干僻んでるように聞こえるかも知れませんが、しかし一方、ゴア氏は確かに、温暖化問題の立役者でもあると思います。いくらいいことをしても、多くの人にそれを伝えて、実りに結びつけていかなければ、或る意味で貢献は限定的です。日本は一事が万事、国内では騒々しいのですが、国際社会では無口な、内弁慶な国だと思います。

 ゴア氏の受賞を聞いて、そんなところに思いが及んだのでした。