シンガポールに巨大カジノが建てられるようです。シンガポール政府は昨日までにマレーシア系の運営会社に免許を与え、この会社は約3900億円を投じて、セントーサ島という島に、2010年オープン予定で巨大カジノを建設するそうです。

 カジノは街中に作らないのが鉄則です。何故なら街中にあると、カジノで儲けた人が、カジノ以外でお金を使おうと、簡単に「勝ち逃げ」が出来てしまうからです。ロンドンのカジノがこの例で、あまり利益が出ているようには見えません。

 一方アメリカのカジノは巨大な利益を上げているようですが、ラスベガス然り、アトランティック・シティー然り、砂漠のど真ん中などの僻地にあります。こうすると何日か泊まり掛けで行くことになり、しかもカジノホテル以外には何もやることがありませんから、一旦勝っても次の日も賭けてしまって負けたり、或いは自分が勝っても一緒に来た家族がホテル内で色々と散財したり、要はそのテリトリーの中にちゃんとお金が落ちるように工夫されていて、中々勝ち逃げすることが出来ないようになっています。

 これがカジノのビジネス・モデルです。ですからカジノは、「島」に造らなければいけないのです。

 さて、このセントーサ島は・・・、なんとシンガポールのダウンタウンから目と鼻の先で、橋で繋がっています。これではダメだぁ!更に調べると、今年の5月にも米系カジノ運営会社が免許を取得し、こちらは約4100億円を投じて、なんとダウンタウン近くに巨大カジノを建設する予定(2009年オープン予定)だそうです。2つ合わせると総額8000億円。こんな巨額が、カジノ・ビジネス・モデルの鉄則に反して投資されて平気でしょうか・・・。

 と一瞬思ったのですが、良く考えると、シンガポールはその存在自体が「島」であり、一つの閉鎖テリトリーです。当然このプロジェクトは、シンガポール政府が先導しているプロジェクトであり、国として多くの観光客とお金を誘致し、巨大な経済効果と利益を上げようということでしょう。流石です。こういう国を挙げてのビジネス・モデル、戦略が、もっと我が国にもあるといいのですけどね。