あわや熱中症…わかめスープをかけられ、目が覚める
そしてまた15分程待たされ、肉が運ばれてくる。
また違う女性店員が運んできたが、気になるくらい無愛想に料理をテーブルにおく。
今度は肉を食べ終わる5分前くらいで、鉄鍋を持ってその女性が入ってきた
女性店員「石焼きビビンバが出来上がりました。今、お分けいたします」
出来上がった石焼きビビンバを部屋の外にあるホールで取り分けてくれるという。
すぐにその石焼きビビンバを持って、女性は消えてしまった。
取り分けるだけなのだから、次はすぐ来るはず…
その考えが甘かった。
今度は20分程待たされた。
ウルサイ客にはなりたくない…
だまって待った。
私達のドリンクは、ずいぶん前からもう空だった。喉も渇き、換気が悪いのか部屋の暑さを感じた。
そして初めの男性店員が入ってきた。
店員「サムギョプサルになります」
手にはビビンバの器を持っている。
私達が え?という顔をした後
その男性はヘラッと笑い
「あ、ビビンバになります」
とニタニタして器を置いた。
持っていたビビンバは、もともとサムギョプサルで、今まさにビビンバになったということか??
そんな事よりも熱中症になりそうだった。
私「水を2つもらえますか?」
男性店員「はい」
この時、彼の返事が不服そうだったのがきにかかった。
とにかく何か飲みたい…ドアが閉まると同時に、水分が欲しい私達はスープを飲んだ。
冷たくなったわかめスープだった。
石焼きのビビンバは…冷たいビビンバだった。
酷すぎる…
そして、待てど暮らせど水は来なかった。
我慢出来ずに、また立ち上がり、ドアを開けなんとか店員をつかまえる。
私「水を頼んだんですが…」
店員「あ、はい」
女性店員がやっと持ってきた水は夏の公園の蛇口の出し始めの水のようにぬるく、不味かった。
程なくして涼しい顔で、さっき水を頼んだ男性店員がまた入ってきた。
男性店員「お下げいたします」
わかめスープの器を掴んで、その店員は己の方に引き寄せた。
その瞬間…冷たくなったわかめスープを連れの服にハデにぶち撒けたのだ。
店員「あ…申し訳ありません」
私達の目をそらしたまま小さく呟いた。
この人、謝ってない…
僅かながらにも、飲食店経験がある私は、もう我慢の限界だった。空気を察したのか、少し焦っておしぼりを持って男はまた入ってきた。
男性店員「あの…大丈夫ですか?」
と呟くと、服を拭くツレをぼんやりと眺めている。
まるで、こちらがこぼしたかのような口ぶりだった。そして、事が済んだとおもったのだろうか?そのまま男は部屋をでていこうとした。
私の堪忍袋の緒がキレた。
大乱闘寸前?!
怒鳴りたい気持ちを抑えて、冷静に言った。「あなた、これわかめスープだよ?シミが付いたらどうするの?」
すると男性店員の目つきがこちらを睨みつけるような目つきに変わった。
「申し訳ございません」とつぶやくと、頭を下げることなく、こちらを睨み始めたのだ。
彼は私と喧嘩をしたいようだった。
私は、10回り以上歳下の男児と喧嘩をしに新宿に出て来たわけではない。冷静に話しができそうにない。
私「誰でもいいから、他の方を呼んでくれる?」
男は不服そうにドアを締めた。5分後20代の女性店員が目を丸くして入ってきた。驚いたような顔をしていたが、店員の中では一番歳上のようだった。
店員「今、話聞いたんですけど…。申し訳ありませんでした。」
私はその日、店に入ってからあった事について、できるだけわかりやすく彼女に説明した。
店員「連携ができてなかったのも申し訳なかったです。ただ、私達全員みんなバイトなんで…社員さん…今日はいないんです。だからいろいろわからないんです」
え???
外国の方の店員さんなら文化の違いで起こる問題があるかもしれない。だが私のテーブルに来た店員さんは皆日本人だった。
私も若かりし頃アルバイト経験が長かったほうだが、どこの店舗でもお客さんに「アルバイトなんでわかりません」と答えたことはなかった。
呆れてしまい…私は食欲をなくし、一刻も早く店を出たかった。
デザートを残し、店を後にした。
この店はコース料金の他にチャージ料も人数分請求する。
二度と行きたくない店になってしまった。
ツレのズボンには大きなシミがついていた。