「ディズニーランドで、一番好きなアトラクションはなぁに?」
このような質問をしたりされたりした経験はないだろうか?
私は小学生の頃、給食中、鼻息荒くこの質問ばかりして周囲を困らせていた。
今思えばディズニー好きでもない友人達に、誰それ構わず何度も聞き回っていたのだから、いろんな意味で厄介な質問である。
私の場合、この質問をするのには、幼少期から変わらない理由がある。
魔法のツルが添乗員、日本の歴史ツアーへようこそ!
東京ディズニーランドのオリジナルアトラクションとして1983年から2000年まで、人々を日本の歴史に誘い、世界中の人々とどのように向き合いながら生きていくのか…という壮大なメッセージを問いかけるアトラクションがあった
それがミート・ザ・ワールドである。
幼少期から、このアトラクションについては誰よりも語れる自信があった。
それもそのはず…私は幼少期から入園すると、必ずこのアトラクションをループしていた。そして「カガミよカガミ?」の魔法の鏡の中のような顔になる親を引きずりながら、最後の〆にこのアトラクションを楽しんだ。
マイケルのアップがこわい。
その理由の一つは、私は幼少期、様々なアトラクション入口の小さなパネルに背が届くかどうかなど関係なく、スピード、落下がとにかく苦手だったことだ。
それどころか、従兄弟家族とインパした際は、ピノキオの冒険旅行で、バッシンバッシンと開閉を繰り返すドアに半べそをかき、大好きなギデオンとジミニーの顔を見ることもなく安全バーに顔を突っ伏したまま帰還し、飛び出してくるマイケルジャクソンさえも恐怖だったため、キャプテンEOは眼鏡は手に持ったまま鑑賞しているというビビリ用であった。
ディズニーの乗り物は安心安全のレベルが高い事でも有名だが、私にとっての【安心・安全に乗れるレベル】はそれを更に上回る保証が必要だった。
それについては、ミート・ザ・ワールドは座席自体がゆっくりと回転するだけなので、大変な安心感が得られる。
もちろん、それも幼少期の私のお気に入りポイントにかかせないのは間違いないが、何よりも好きなのは、このアトラクションの世界観だ。
非常に簡単に説明すると、ある兄妹の元に、一羽の魔法のツルが降り立つ。そのツルが日本と世界の関わりをテーマに日本の歴史を説いていくというストーリーがワイドスクリーンに映し出され、その途中、座席全体が場面転換のために3回に分けゆっくりと回転するアトラクションだ。
プーが如く。
歴史の表現だけを言うと、ディズニーマジックでネガティブな部分は省かれているが、このアトラクションが伝えたいのは、歴史でも、世界平和でもはないと私は思うのだ。
このテーマ曲の最後に
「全ての人が笑顔絶やすことない
平和な未来を築くのさ世界の友だちと
手と手重ね出会うのさ世界の人々と
愛を胸に」
という歌詞がある。
最近私は、様々な出来事から家族や自分の老いについて考える事が多く『老い』について考えると必ず『自分にとって生きる』という事は何か?と考えてしまう。
答えの出ないテーマに、プーさんよりも弱いと思われるオツムを叩きながら私は
生きているということは、生まれてから自分以外の他者と出会い、なんらかの影響を受け、自分なりに何かを学んだり、感じたりしていく
ということではないだろうか?と感じる。
ふかイイ、アトラクション。
先程の歌詞の通りに、世界の方々と実際に交わるのはなかなか難しいかもしれないが、自分以外の他者との交わりの中で学び、他者と共に生きる事の大切さを、このアトラクションは教えてくれる。
当時トゥモローランドの入口にあったこのアトラクションは、まさにひとりひとりが自分の明日を想像できる、もっとも深いアトラクションであると思うのだ。