祝日…コロナ禍になってから、基本インドア。


その日も、穏やかに一日が過ぎていこうとしていて、最近は、何もなく過ぎていく一日が贅沢だと思うようになった。


そんな夕暮れ、私の電話がけたたましく音を響かせた。


音量の設定が、未だにうまくできないままである。


禁断の番組からの電話


発信者番号に見覚えがない


はい。もしもし」


「私、東京MXの5時に夢中のスタッフですが…」


私の大好きな番組、5時に夢中からの電話だった。


木曜日のゴジカジというコーナーにご応募いただきましたので…」


あぁ…そう言えば!いつだっただろうか、視聴者参加の応募をした記憶がある…しかし、今の今まですっかり私の記憶からそれはこぼれ落ちていた。


まだ確定ではありませんが、来週このコーナーを放送する際、ご参加いただけないでしょうか??」


私は、このTokyo MX の【5時に夢中】という番組のファンで、特に木曜日に出演されている中瀬ゆかりさんの大ファンである。


もちろん、二つ返事どころか、五つ返事くらいで参加を決めた。


「では、企画が確定しましたら、再度ご連絡差し上げます。」


少々興奮気味になる自分を抑えながら、電話を切った。


5時に夢中を一度でもご覧になった方は、ご存知だと思うが、この番組は個性が強めで、それでいて緩さを感じられるのが魅力な番組だ。キー局では、放送が憚られるような単語が夕方から飛び交い、それが生放送で毎日届けられる。


私がこの番組を初めて目にしたのは、大学生の頃だった。


同時は徳光和夫氏の息子さんが司会で、マツコデラックス氏もレギュラーで出演していたが、まだ彼女は今のように、冠番組をいくつも持つような売れっ子になる前だった。


当時、私はこの時間帯に家にいることが少なかったので、ごくたまにザッピングしている際に、視聴するくらいだったが、私がこの番組を見ている姿を見ると、両親は必ず「こんな番組をこんな時間から観ていたら、人間おしまいだよ!!

と番組を変えるように言われていた。


その頃の私は『なるほど確かに…両親の言う通り』だと感じており何か、見てはいけない番組のように感じていた。


しかし気がつけば自分もどうどうたるオバさんになった事を意識せざる負えない年齢になった。自分というものをカッコつけずに受け入れるワザも少しずつ身につけられた気がするこの頃、コロナ禍で家で過ごす時間に、一日の中で、くだらない話で笑いたい気持ちもあり、5時に夢中に自然にチャンネルを合わせるようになった。


いつも少し大胆で、気楽でいられる新しい友人ができたような気持ちにさせてくれたこの番組に、いつしか私は拠り所を見つけたような気持ちになった。


アマギフ獲得なるか?!


そんな番組が参加のオファーをくれたのだ。

参加を断る理由はない。

番組のコーナー内容としては、


1.出演者がその日、突然出されたお題に挑戦。


2.ゲスト参加者はその出演者の中で、誰がお題をクリア出来るかを選び、賭けをする。


3.見事クリアできれば、ゲスト参加者と出演者にアマギフ5000円が贈呈される


といったものだ。


だが、私の個人的見解ではもちろん?5000円を本当に貰えるワケはないと思った。なにせ、番組予算がないことを公言し、笑いを取っている番組である。出来るだけ楽しい時間になればいい。そう思った。


そんな風に考えていたのもあり、1週間前に決まったお話しの段階では、割りと気楽に構えていたが、担当のスタッフさんからは、その日を迎えるまで何度となく電話とメールでしっかりと丁寧な連絡を頂いた。


電話が遅い時間にかかってくることはなかったが、メールが届く時間はいつも夜の11時過ぎで『いつもこの時間まで働いておられるのだな…』と感じた。


5時に夢中は東京のローカルテレビであり、もう少し気楽なものだと思っていた今までの自分を恥じた。


本番の日…本番直前リハから電話で参加してほしいとお話し頂き、リハに参加した。


電話越しであったが、その時聞こえてきたのは、真剣で緊張感がピンッと張った空気の音だった。


スタッフさんが、本番15分前に迫ったリハで、細かく様々な事を確認していく…それは離陸直前に飛行機の様々なシステムを確認しながら操縦カンを握るパイロットのような緊張感があり、プロの仕事のカッコ良さを感じぜずにはいられなかった。


よく考えみれば、この番組は毎日生放送。


毎日、こんな風にカメラに映らない緊張感を持って番組を支えてくれるプロがいるからこそ、この番組は人気が高いのだ…当たり前かもしれないが、改めて無料で番組を楽しめていることにさえ、そんな風に感謝の気持ちを覚えた。


さて、本番はというと…やはりアマギフは獲得ならず。


しかし5時に夢中への尊敬への気持ちは、もれなく獲得できた。