「こちら、とってもいい色ですよね〜」
数年前のことだが、デパコスで大好きなMacのカウンターに立寄った私はスペイン語らしき名前のパケに、目が止まりすっかり動けなくなってしまい、カウンターのオネエさんに声をかけられていた。
赤いパッケージにRosalíaと書いてある。
思わず隠し持っていたラテンの血が騒ぐ。
綺麗なカウンターのオネエさんに、「こちらスペインの歌手なんですよ〜」と言われ、全くノーマークだった自分を強く恥じた。
まんまとパケの誘惑とオネエさんに勝てず、その商品を購入してしまった。
そんな風に、私が彼女を知ったのは、恥ずかしながらかなり遅かった。家に帰り、初めて彼女のPVを観て、衝撃を受けた。
石鹸とほのかな汗の香りに誘われて
彼女は特別な美人ではない。
正直、歌がとても上手い歌手とも思えない…
おまけに、お世辞にも上品とは言えない…
しかし…彼女の魅力はあまりにも刺激的で私は、あっという間に彼女の怪しい魅力にとりつかれた。
彼女は、スペインバルセロナ生まれなのだが、私が今まで出会ってきた、ラテンアメリカの女性の魅力を全て持っている。
例えるなら…
アジアのアイドル達が
細い体でキビキビと踊る姿は、石鹸の香りが漂うようなのに対し
ラテン女性が腰をくねらせ、深いリズムに乗る姿には、ほのかに汗の香りが漂ってくるようだ…
そしてその香りは
自分自身の女性としての価値を堂々と表現し
ときに誘惑し
いつも自分自身を信じる強さを合わせ持つ。
そんなラテン女性に、昔から私は憧れている。
名声を持つ二人だからこそ、バチャータ
その魅力が溢れている曲が
La fama(名声)だ。
この曲、ただものではない。
まず、全米で賞を総なめするあのThe Weekndとタッグを組んだ曲で、おまけに二人にとってはレアなバチャータである。
正直、バチャータ好きの私からするとこの曲のThe Weeknd の歌い方は完璧にRomeoSantosの歌い方をパクっているし、バチャータ風味といったところだが(失礼)…
しかし、この曲の面白いところはそこではない。
一見、歌詞の中にある「赤ん坊」や「結婚」「寝る」といった単語を聴くと、バチャータでお馴染みの恋愛絡みの歌詞かと思わせられる。
しかしこの曲、タイトルの通り、才能と名声を合わせ持つスター達が皆抱えるであろう苦悩が込められているのだ。
才能と名声、そのどちらも持った事のない私には、羨ましい限りだが、曲の怪しさとセクシーさに絆されるように『スターも大変なのねぇ…』というような気持ちにすっかりさせられてしまう。
La fama 名声
[ROSALÍA]
Lo que pasó a ti te lo cuento
何が起こったか あなたに説明してあげる
No creas que no dolió
O que me lo invento
私が苦しまなかったとか、私が作り出したものとか…あなた、勝手に思いこまないでよ
Así es que se dio
ことの経緯はこんな感じ
Yo tenía mi bebé
あたしには赤ん坊がいた
Era algo bien especial
それは特別な事だった
Pero me obsesioné
だけど私はとりつかれたの
Con algo que a él le hacía mal
彼にしてしまった悪いことに
Miles de cancione' en mi mente
私の中に何千もの曲がある
Y él me lo notaba
そして彼は私にそれを気づかせた
Y él tanta’ vece' que me lo decía
そして彼は何度もそれを私に言った
Y yo como si nada
そして私は、まるで何もなかったかのようにしてる
[Coro: The Weeknd]
Es mala amante la fama,y no va a quererte de verdad
名声は悪い恋人、そしてそいつは本当に君をを愛してはくれない
Es demasia'o traicionera, y como ella viene, se te va
そいつはマジで危険で、来たと思ったら去っていく
Sabe’ que será celosa, yo nunca le
confiaré
そいつは嫉妬する事を知っていて、俺はそいつを絶対に信用しない
Si quiere' duerme con ella, pero nunca la vayas a casar
もし望むなら、そいつと寝ればいいさ
だが、それと結婚するのはやめておくんだ
La fama(名声)
Rosaliíaの誘惑にかまけて
お気づきいただけただろうか?Rosalía が「彼」(el)と歌っている部分は、人物の可能性もありえるが、個人的には「並外れた自分の持つ才能」を示しているようにみえる。
そう考えると、自分の才能によって並外れた曲を生み出し、それによって、セレブリティの仲間入りをしたRosalíaとThe Weekendの自分自身への風刺という風に読み取れる。
マリリン・モンローが映画で
「お金持ちと美人は
似ているの。両方とも
一つの基準だけで
判断されるのよ」
と言うセリフを思い出した。
美しさと名声を誇ったマリリン・モンローが言うからこそ印象的に残るセリフだが、そこには並外れた人だからこそが抱える孤独や寂しさを感じる。
マリリン・モンローに引けを取らないほどセクシーなロザリアが歌うからこそ、この名声という曲が、印象的に私達を誘惑する。