『俺にとって3.11の直後、日本在留ビザを更新した時、人生を決めた気がした』
私の連れ合いは3.11の東日本大震災のすぐ後に、日本でのビザの更新の日が来た。
ビザの更新をするツレの隣で、沢山の海外の方々が半ばパニック状態で帰国手続きに列をなし、ツレはその列を見ながらその時こそ
『自分の気持ちを再確認した』という。
確かに…当時を思い出すと、私のスペイン語科の教授、講師の殆どの方はスペインに一時帰国されておりました。
そして私の両親のもとには、フランス人の友人の方々から「日本政府は原発の状態をあなた達に全て隠しているのよ!今すぐこちらに部屋を用意するから、家族でフランスに逃げてきなさい!!」というメールが次々と来ており、両親ともにブルブルと震え上がりながらパソコンを覗き込んでいるのを眼にした経験がある。
そう考えると『俺はこの国に暮らす』と確信したというツレの冒頭の言葉に大きく頷ける。
そして今でも私は、そんなツレに私は大きな尊敬の気持ちを持っているし彼を誇りにも思っている。
そんなツレと私が出会ったのは、その東日本大震災の数年後だった。
前回も記したが、当時ツレは深刻なSNS依存だった。毎日数分毎に青い鳥のマークを開き続け、つぶやきやコメントを繰り返す日々を送り、片時もスマホを離さないという日常をおくっておられた。。。
そんな当時のツレのつぶやきの一つの中にたまたま、こんなものが私の眼に飛び込んできた。
『日本人は自分たちの歴史を間違えて理解している。特に戦時中の歴史の知識を取り違えている。おかしい!!』
私はこの言動にある種のショックのようなものを感じた。しかし恋に落ちていた当時の私には、話題がデリケート過ぎると感じ、何のリアクションもできなかった。
それには、当時の私が今よりもっと歴史についての知識が薄かったというお恥ずかしい原因もあるのだが…。
しかし私はそのつぶやきをきっかけにネットで過去のツレのつぶやきを遡るという【ツレサーチ】をしてしまった。(我ながら、性格ゆがんどるな)
すると…偶然に…2ちゃんねるにとんでもないサイトを発見。
それは何者か分からない復数の人物がツレになりすまし、韓国に対する批判や、韓国のオトナの卑わいな動画などを投稿しまくるというページだった。
そこにはツレの本名がかかれ、ツレがたった今つぶやいた事が毎日コピーされ、今、ツレがどこにいるのかまでが書かれていた。
ツレに対する中傷はもちろん、そこには目を覆いたくなるような韓国人に対する人種差別発言が溢れ、私は恐ろしくなり、ツレに教わり入ったばかりの青い鳥のSNSのアカウントをすぐに削除すると同時に彼に別れを告げる決心をした。
推測ではあるが、このようなチャンネルが立ち上げられ、複数の人物がツレに対し反韓活動をしていたのは、当時のツレが無意識にも歴史においての日本に対する批判をつぶやき続けていたからだろうと言うことが考えられる。
ツレは、日本人のように日本語を操り、全くナマリがない綺麗な標準語を話す。
そして、ツレは若かりし頃から日本のゲームやアニメ、電車やJリーグが大好きだった。
更に、夢を持って日本の地を踏み、若い当時は日本で文字通り ひもじい思い をしながらも、白飯にふりかけだけで日本での生活をなんとか乗り越えた人だ。
そして後に念願だった永住権も取得した。
そこまでの苦労もしたツレが日本に対する【恨】の気持ちがあるのだと知ったのは、この時が初めてだった。