Suerte (ラッキー)

Shakira(シャキーラ)



「これはフルサト!!」

私のお気に入りの旅番組で旅人のヒロシが韓国を訪問した時、屋台の食べ物の中身を聞いた時のこと…

少しの日本語を理解しているらしい屋台の主人が  「これはフルサト!!」と大真面目に答えた。どうやら本当は「黒砂糖」と答えたかったようなのだが、ヒロシが何度聞き返しても主人は「フルサト!!」と答える。

反動的に私は笑ってしまったが、よくよく考え見れば、『これは深いな…』と感じた。

世の中には海外から日本に定住の拠点を移している人や、その反対に日本から海外に拠点を移す人がいる。

中には、自分の本来の願いとは違ってそのようになる人もいるが、きっかけはそれぞれ…

しかし「フルサト」を離れ生きていく決意というのは半端な気持ちでは無理だと思う。

特に私は何度かそれを試みようと人生の中で試してみたが、その大変さの方ばかりに目がいってしまい、都会から離れることのできないダラシのない頑固者なネズミだ。
そんな私から見ると、故郷とは離れた場所や文化の違う場所で生きる人々はヒーローのようにキラキラして見える。

ただ、そんなキラキラした当の本人に話を聞くと「自分の故郷より、ここの方が心地がいいから」とあっけらかんとした答えが返ってくる事も少なくないのも事実なのだ。

きっと沢山の苦労の先に出てきた答えには違いないが、彼らは苦労をしてでも今の生活を選んだ。

私はそのような彼らの背中に明るい未来の光が見える気がする。

故郷がどんなところであっても、皆故郷に対し、多少なりとも思いがあるはずだ。
それでも自分の未来を、そこではない場所で違う習慣に従いながら、その新しい土地に愛着を持てることは素晴らしい事だと思うのだ。

私のような怠惰なネズミも旅や仕事の都合で立寄った見知らぬ場所に

『なんだか分からないが…多分ここは私にあっている…』と何か体の奥から湧き出る熱を感じた事がある。
しかし反対に『ここの地は二度と踏まないだろう…』と感じる場所や不思議な程に何も感じない場所もある。

場所だけには限らない。

自分の知らない言葉の音楽に夢中になったり、自分の知らない国の誰かと狂ったように恋に落ちることもある。

それがなんなのかとても不思議に感じるのだが、誰にでもそれがあるような気がするのだ。

人は生まれた場所や自分のナショナリズムを超えたものを皆、体の中に秘めているのではないだろうか?


そこには自分の自覚しているはずのナショナリズムもないのだから、面倒な歴史も関係はない。文化や言語なんて、後回しにして自分の心のフルサトに従えばいいい


もっと言えばフルサトは一つではなく、いくつ持っていてもいいはずだ。

フルサトを沢山持てば、好きになれる人も物もどんどん増える。

それが樹脈のように広がっていけば、たまたま隣に座った素敵な誰かも…すれ違った魅力的な誰かも…その人のフルサトがどこかだなんて、関係なくなるんじゃないだろうか?

そんな気持ちが私の中でフツフツと音を立てた時、昔よく仕事で歌っていたこの曲が頭に鳴り響いた。

この歌を歌ったShakiraはコロンビア出身であるが複数の国の血が混ざった混血だと自身で語っている。

彼女がコロンビアと政治的に対立する国の王子と恋に落ちたとき、彼女はその王子の国でのコンサートで観客にこう問いかけた

「強い何かが、私達の愛を引き裂こうとするかもしれない…だけど、この世にあるどんな物も、私達の愛を引き裂く事はできないの」

好きになった人や物が遠ければ遠いほど、私達のフルサトは広がり、果てしなく増えていく。

Suerte
Shakira

Suerte que en el sur hayas nacido
あなたが南に生まれてラッキーだわ
Y que burlemos las distancias,
なぜなら私達は距離ってものをあざ笑えるじゃない
Suerte que es haberte conocido
私はあなたに出会えてラッキーだわ
Y por ti amar tierras extranas
なぜならあなたのお陰で見知らぬ土地を愛すことができるわ
Yo puedo escalar los Andes solo
私、アンデスの山だって一人で登れるのよ
Por ir a contar tus lunares,
なぜなら、あなたのホクロの数を数えあげる事ができるんだから
Contigo celebro y sufro todo
あなたと一緒に全てを祝い、全ての痛みをあなたと感じる
Y mis alegrias y mis males
そして私の喜びと私の悲しみをあなたと共に

Lo ro lo le lo le
Lo ro lo le lo le

Sabes que…
知ってるの??
Estoy a tus pies
私、あなたのトリコなの
  
Contigo, mi vida
私の人生はあなたとともに

Quiero vivir la vida
あなたと生きていきたいの
Lo que me queda de vida
このあとの私の人生を
Quiero vivir contigo
あなたと一緒に生きたいの