トーリとことじ | ★wide range★

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こ「サァ、妖怪退治と洒落込みましょうや。」


ト「.....あんたァ 何言ってるの?」



そんな 読者様の為に 人物紹介。

夜更けのコンビニエンスストアの前、くわえタバコで細身の男、二人。

名前は、トーリとことじと申します。

まずは、妖怪だと疑われた一人。

トーリ。 職業不詳、住所恋人のアパートメント。最寄り駅は、豪徳寺。

そして、時代劇風口調の自称妖怪退治屋の一
人。

ことじ。 年齢不詳、住所恋人のボロアパートメント。最寄り駅は、三鷹。

渋谷で会って、渋谷でヤり合うのか?

「消える前に、名前を聞いてやる。俺は小戸时、真名は殊血。恋人が超絶イケメン。」

「やっぱり 夜中の都会は変な奴多いね。まぁいいや、、、僕はトーリ。漢字は遠離。恋人は眼鏡美人。」

トーリとことじの本名がスピンオフで判明する3年越しのスペクタクルアナザーストーリー。

ことじは長刀を構え、コンビニの自動ドアを何度も鳴らす。

「アイス溶けちゃうから もう行くね?」

サンダルにヨレヨレTシャツ、恋人がスラックス。あ、恋人のスラックス。

「ダメ。帰っちゃ。 よく見ろ、一本釣りの竿じゃないぞ。長ドスだぞ。お前の為に持ってきたんだぞ。」

スーツにネクタイ。黒い上等な革靴は、恋人が就活用に買ってくれた。

長く伸びた灰を、灰皿に押し付け、距離の近待ったお互いの顔をよく観察する。

各々が、可愛い系男子。
眠たげお目々と切れ長お目々。
伸びた襟足を細く編んだ髪VSくるふわくせっ毛

「.....最後にも一本吸っとく?」

「最後とかないから。」

昨夜の強風で吹き飛んだ葉が、ベタベタとくっついた地面、どこかから飛んできた布切れと、レシートが雨で張り付いた灰皿を挟んで 煙草に火をつける。

「カッコいいね。それどうやんの? 指ライター」

「企業秘密。トーリは特殊能力持ってないのか?」

車通りは、少なくない。人通りは、繁華街から少し離れた道路沿いだからというのも差し引いても多くない。

「あるわけないじゃん。人間なのに。」

ことじの髪を未だに衰えない昨夜の風の二陣がバサバサと乱す。

「嘘つけ。お前は人ではない。」

えー。と笑うトーリの頬がぷくっと膨らみ、紫煙を勢いよく風に乗せる。

「ことじまで同じこと云う、、、三沢さんみたい。」

「誰だ。お前の恋人か?」

まさかぁと笑い、コンビニの袋を地べたに置く。

「違うよ。お寺のお坊さん。僕のこと人離れした可愛さだって。」

「まんざら能力がないわけじゃないなその坊主。」

初めて会った男が二人、何故に珍妙な会話を交わすのか。
不明瞭な挨拶程度で、一人は長刀を壁に立てかけ、2本目の煙草に火をつける。一人はアイスクリームの蓋を開けて口に運ぶ。

「先にアイス食べるね、ことじが呼び止めなきゃ今頃コタニ君とラブラブで食べれたのに もぅ.....」

車止めにしゃがみ込み、後ろに立っていることじに一口食う?と振り向く。
よれた襟ぐりから白いうなじに薄茶の吸い跡が見える。

「用があるから呼び止めたんだろう?トーリっていつもそんな感じ?今までよく消されなかったね。オレだってあんた早く始末して帰りたいの。」

相変わらず、始末するなんて言う割には、長刀は放ったまま、隣の縁石に座り込む。

「やだよ。ことじって殺し屋さんなの?」

「違うよ。漁師。こっちだってまきさん待ってるつーの。あ、やっぱ一口ちょうだい。好きなんだよね その高いアイス。」

なんなの?もう、、、と口を尖らせるも、一掬 マーブル模様をことじの口に運ぶ。

「漁師ってなにさ。僕は魚じゃないんだからね。あ、待って、人魚とかでもないからね!」

「アハハ 面白いね、トーリ。君はまだ思い残してる事があるのかい?」

雨を運ぶ、湿気た黴雲が真っ黒な夜空に集まってくる。見るものが見れば、姿を持たないシニカミが湧き出でて、誰かの魂を狩ろうと待っているようだ。

直に振ってくる。
雨宿りをするつもりはない二人の男は、食べ終えたカップと、吸い殻を片しに立ち上がる。

「思い残した事? そりゃあいっぱいあるよ、今勉強中だし、愛され中だし。」

そういうあんたは?とトーリは、ことじから距離を取り目を合わせる。
黒目がちの垂れた目尻が、ぱちんと開くと、とても幼い印象だ。サイズの合わない服装が更に、トーリの容姿を曖昧にさせる。
歩いて来たような風だが、渋谷までという距離ではあるはずもない。

おそらく 君は、、、、、。

ことじは思いついた言葉を口にはしなかった。
なぜなら 彼は、少なからず、自分の感情を動かしたからだ。今までかけたことのない恩情というものが胸に鎮座したからだ。
それが、自分の身に少しばかりの危険が降りかかるるとしてもだ。。。。。

「俺も、勉強中。単位落とせないからな。そして、俺も愛され中!! あんたとおんなじ、、、、、」

出会って ヤって はい終わり じゃなくて

出会って 初めて  人を識る。 

俺はこれからもきっとそうする。

「トーリ これやるよ。」

「なに コレ。 僕はエギングなんてやんないよ」

「いいアイテムだぞ。エギキングNo.3 ノーシスくん。 男は黙って一本釣りだぞ!」

「なんだよ ことじもほんっと面白いね!」

ぬるい南風がくるふわ髪達をなで上げる。

「トーリ。あんたが、思い残す事なんにもなくなったら 俺が迎えにくる。それまでノーシスくんを預ける。」

「はぁ? まあいいけど.....まだ20代の前半でそんな予定ないけど、武蔵野園くらいは付き合うよ。」

ほんじゃあまあ 帰りますかね

うん。じゃあまた エギでタイを釣りましょうや

ハハハハ ハハハハ  笑う声が二手に遠ざかる。

二人の男は それぞれに、闇夜に姿を溶かして消えた。


終。


※三沢樹、どっちつかずのダイレクションに続く(笑)