「ヒョ・・・・ン。 ごめん・・・・・・。」
真っ白なシーツにくるまったまま ドンヘが申し訳なさそうに僕を見る。
「ご飯 食べれる?・・・・・僕に謝んなくていいって。」
発熱で、赤い顔をしたドンヘ。
沈んだ声は、 眉を下げたドンヘを一層 情けなく見せた。
舞台の中日を落としたこと。
「ファンは皆 お前の舞台を待ってる。次は絶対頑張れ。」
とにかく 治すことだと、 ベッド脇に腰掛け、 頭を撫でる。
まだ少し熱があるようだ。
「寒くないか? 何も食べてないだろう。 ちょっと待ってろ。」
「ソンミニヒョン、寒い あたためて。」
布団から半身を起すと、がっしりと筋肉の付いた胸が露になる。
「なんで、、、、半裸なの? だから冷えるんじゃないか・・・・・」
「暑かったから。 ズボンは履いてるよ。 ヒョン傍に居てよ。」
何も要らない ヒョンが居ればいいと 低く囁く。
上着どこかな・・・・・
壁とベッドの隙間に挟まったスウェットの上着を手繰る。
ドンヘの上に一瞬のしかかる姿勢になると、抱き寄せられる。
「わっ。 おい!」
「ヒョン、抱いていい?」
胸板に押し付けられる 自分の頬が紅潮する。
太い上腕を振りほどいて、上着を投げつける。
「病人なんだから、温かくして寝てろ。 そんなことできるか・・・・・」
「やっぱ駄目だよな。 ミアネ。。。。。。性欲はあるんだけどな。」
スウェットに半分頭を通して、ばつが悪そうに笑う。
早く着ろと スウェットを引っ張ると、 チュッとキスされる。
「ヘヘヘ。 キスしちゃった。」
「全く お前って奴は。」
隙あらばか。 まあいいか これくらいなら・・・・・・。
・・・・・・・
ふと キュヒョンの顔が浮かび、先日のことが頭を過ぎった。
キュヒョンともしたんだよな。。。。。。 キス。。。。。
軽く触れただけのキス。
何事もなかったかのように、話を変えて、キュヒョンは、小説の構想を話し始めたけど。
「ソンミニヒョンに借りた本、返すね。 俺には難しかったし。」
「いい作品なんだぞ。 いつかこの本の脚本の舞台に立ってみたいんだ。」
「そうなんだ。ヒョンならいつかやれるさ。」
そうだといいな。 僕の役者人生はまだ始まったばかりだ。
「ドンヘだって、演じたいものとかあるだろう?」
「勿論。 夢は、世界中を舞台で回りたいんだ。」
大きな夢だ。
潤んだ瞳は、遠くを見つめる。
その先には、世界を駆けまわる自分が見えていることだろう。
「俺が、、、、、世界を回るとき、ソンミニヒョンに居て欲しい。」
「お前の大舞台に僕も乗っかるのか、、、、、いいな それも。」
姿勢を変え、切なげに 僕を見つめるドンヘ。
「本気だから。 俺、ヒョンしか愛せない。」
僕もだ。とすぐに返せない自分。
キュヒョンとのことがずっと胸につかえている。
「ヒョンの心に誰かが居ても、俺 諦めないから。」
愛しているから・・・・・・・ ミュッソの本に視線を落とす。
目尻を垂れ 無理やり笑おうとするドンヘを見れない。
何故、、、、、あの時 君はキスしたんだ。
ドンヘを受け入れた僕は、何故迷うんだ。。。。。。
「ドンヘ、、、、、何か拵えるから、、、、それまで眠って。」
行かないで。
もしも引き止められたら、、、
今度は、ドンヘに抱きしめられようと
言葉を待った。
「うん、 そうする。 美味しいの期待してる。」
ドンヘは布団を被って 目を閉じた。
僕の左手が僅かに震えた。
どっちつかずの心を見透かされたような
ピュアなドンヘの瞳に 僕はどのように映っているのか。。。。。
苦い唾液が喉の奥に落ちた。
罪の味って どんなのだろう。
もしかすると こんなに苦くて、切ないのかな。
*画像 ギヨーム ミュッソ著 parce que je taime ←ソンミンさんが好きな本だとか^^

