やっと君に会えたね
今度は君が泣いているの? もう一人の僕
綺麗な涙を流すあの子は 君の大切な人なんだろう?
もしそうなら 思い切って 肩を抱いてやるんだ
あの子もきっと待ってる 君のこと。
さあ 涙を拭いて あの子の元へ
こっちの僕を安心させて
君たちの仲睦まじい姿を見せて
切望。
【J】
「ジョンウニヒョンって 本当に凄い歌手なんだね」
テレビで俺の姿を見たと 興奮気味に話すリョウク。
「だろ?こんな俺でも歌だけは得意なんだぜ。」
「うん。あ・・・・・でも ヒョンはカッコイイよ。」
自分が言った言葉に照れたのか 俯いて膝を抱えるリョウク
コマウォと前頭にキスすると 頬を赤らめたリョウクが見上げる
いいさ こんなに可愛いなら 少しくらい記憶を失くしていたって。。。。。
「改めて実感したって意味! 前から知っているから・・・・・」
無理するなよ。 俺はお前が居るだけでいいんだ。
「ん。愛してる リョウガ。」
【R】
毎日充実していた。
仕事が終われば、いつも二人で居た。
僕のビストロにお忍びで来たり、
裏口で待ってと言うのに
店の前に車を横付けして外で待つ。
運転席から冷ややかなジフンヒョンの顔が覗く
怖くなるほどに僕を愛してくれる。
いつもピッタリ寄り添って
涼やかな目元を歪めて微笑む。
心地よかった。
愛されてる実感
僕自身もジョンウニヒョンを愛してる
記憶がどうであれ 心からそう思う。
「ねえ ヒョンは女の子は好きじゃないの?」
セックスの後 まどろみながら聞いてみた。
「お前に会うまでは、居たよ 女。」
「モテたよねきっと。」
「お前に会ってからは女なんてどうでもよくなった。だからって初めから男が好きなわけじゃない。」
「どうして僕は、ヒョンが好きなんだろうね。」
「それは解らない。 惹かれ合った そういう事だろ?」
愛に不可能なことなんてない。
ヒョンが掠れた声で 僕の躰に染み込ませるように囁く
男同士の行為に戸惑いを見せると
ヒョンは少し強引に僕の中を貫く。
すぐに体が反応するのは 忘れていないからだと
躰は正直に快楽を記憶している。
「ヒョンは僕で満足している?」
「リョウガじゃなきゃ感じない。」
【J】
俺たちは時間が許す限り交わった。
リョウクは疲弊していただろうが
何度も求めた。
怖かったんだ。
お前が俺を理解していないのが。
いくら体を重ねても、男が故の反応さながら、何度でも果てる事ができる。
俺が安心すべくはそこではない。
リョウクの理解だ。
されるがままじゃ愛しあってるとは言えない。
激しく揺さぶって 口づけて、愛してると囁くと
リョウク自身も弾かれたように同様の言葉を吐き出す。
心からの言葉か?
お前は真に俺を理解しているのか
人形のように細い腰は ただ折曲がって耐えているだけではないのか・・・・・と。
小説のプロローグに 『』幸せな日々は長くは続かなかった―――――」
っての目にするだろ。
ああいうのって、体験するもんなんだな。
愛する人を失う
耐え難い苦痛
【R】
「ジフンヒョン、、、、、どうして? 僕が邪魔?」
「はっきり言うとそうだ。」
安定した生活を望んだ
このままでいいと言ってくれたヒョンの為に生きようと。
「ジョンウンは 忙しい時期に入る。 だから別れて欲しい。」
代償として住むところも、違約金紛いのものも支払うと。
事務処理をするかのように ヒョンは、数枚の書類を広げる。
「ジョンウニヒョンが そうして欲しいって?」
「そういうことだ。」
「嘘だ! 唐突にそんなこと言う人じゃない!」
「なぜそう言い切れる_? ジョンウンの全てを忘れたくせに。」
言い返せずにいると さらに小切手を差し出す。
「好きな額を書け。」
「要らないよ。 こんなこと間違ってる・・・・・・」
「間違っていようがいまいが、決定だ。」
「ヒョンと話をさせて。ヒョンの口から聞きたい。」
ジフンは、広げた紙を仕舞い、短く息を吐く。
悲しい顔。
酷い事言ってるのは 自分なのに。
「リョウク。 理解できなくてもいい 俺の話を黙って聞いてくれるか?」
頷く僕。
想像を絶するヒョンの話。
絵空事ではないと実感するのは ジフンヒョンの表情そのもの
僕が・・・・・・
そんな映画なら 見たことあるよ。
大概 バッドエンドだ。
僕は、ヒョンを不幸にする。
震える手を見つめる。
一緒には居られない。
生きる世界が違う。
兆候が表れだしてからは 危険だと
ジフンヒョンは、すまなさそうに言う。
「俺は、前例を知っている。 お前もいずれそうなる。」
だからその前に 消えてくれと、、、、、。
「僕は、変わってしまうの? バケモノに。」
「節度を守れば 生きられる。」
「あの明るい太陽もこれで最後?」
「いいや。至って普通さ。 なんだって出来る。」
ジョンウニヒョンの将来を潰すことだけは許されない。
僕に殺されるのを防ぐため。
去らなければならない 愛する人の為に。
「ジョンウンを愛してるか?」
「うん。愛してます。」
ならば 解るはずだ。と ジフンは言った。
なんだろう・・・・・ 僕は未知の存在に困惑する。
なぜだろう・・・・・ こんな状況なのにホラーな自分を想像して顔が引きつる。
「いくらも一緒に居られないってことだね。」
「すまない リョウガ。」
ヒョンの手から書類を受け取り サインをする。
「この辺の地理知らないなぁ。 ヒョン送って行ってくれる?」
「勿論だ。 ジョンウンのことは任せろ。それと・・・・・・」
小さな小瓶 赤い液体
「遅かれ早かれ 必要になる。異変があったらすぐに連絡しろ。」
「誰の血?」
「お前の知らない者のだ。 知らなくていい。」
受け取った小瓶は冷たく無機に在る。
僕に必要なんだって。
こんなものが こんな悍ましい方法で。
「誰かを 襲っちゃったらどうすればいい?」
ジフンは僕を抱きしめた。
震えている弱弱しいジフンは初めて見た。
「大丈夫だ。 お前はそうはならない。」
「息絶えるまで、吸血鬼の様に吸ったら もうどこにも行けないね。」
あんなに愛し合ったヒョンの姿さえおぼろげだ。
目の前に突き付けられた 自身の変貌を想像すればするほど
全てが 薄く影の様に潜んでしまいそうだ。
「信じるか?お前は血を吸ったりはしない。」
「え・・・・・・」
「お前は 救うんだ。 その小瓶の主を。」
会ったこともない人を?
「近いうちに お前は戻る そいつの元へ。」
僕の心からジョンウニヒョンは消えていく。
小瓶の蓋をヒョンが開ける
「本当の愛はその中だ。」
意思に反した行動だ。
僕は 小瓶の赤を口の中に流す。
薄れゆく意識の中で ジフンの言葉が何度もリフレインした
「それでいい、、、また会おう。」
朱に染む=朱に染む
隣で眠る大きな男を僕は知っている。
何度も夢で見た人だ。
この間まで居た人も愛した人。
それ以上に愛してる人。
それがこの人。
まだ眠い。
自然と瞼が下りてくる。
今度目覚めたら、 この人だけの記憶しかないだろう。
何もかも忘れてしまう。
苦しみは 愛した人の分まで背負って生きるよ。
誰だったか記憶に薄いけど 愛した人。
ごめんね。 最善を尽くしたって思ってよ。
あの瞬間だけは 僕ら愛し合ったんだから。
この子の為だけに生きるよ。
泣きはらして、腫れた目。
汗でへばりついた 栗色の髪
僕を抱きしめて離さない スラリと長い肢体
一緒に目覚めたら おはようって言うんだ
僕の全てがこの子であるように
この子にとっても僕が絶対的。
慣れないことさせたね
唇の端を食いちぎり 僕に与えた。
時間が経てば戻るって知ってるのに。。。。。。
起きたら また戻してあげなきゃ。
愛ごと全部。
あとがき: アケシムアナスト これにて了です。
最後はキーマン ジフンマネヒョンで、朱に染む本編とリンクさせて締めました。
可哀想なのは ジョンウンさん!って思わないでくださいね。
あちらの世界で悲しむだけですので^^;
本編ではネチネチとリョウクラブですから!!
結局 気分転換に書いてみたアナストですけど 暗かったですね^^;
あーーー ソンミンさんの位置づけどうしよう・・・・・・憂鬱。。。。。
暫く ギュウクで進めましょう~(^^♪
ではでは お読みいただきありがとうございます^^
感想でも苦情でも頂けたら幸いです。
ご遠慮なくどうぞ
M.