「ジョンス、、、、気が済むまで抱け。」
俺を見ようともしない
そんな奴 どこの誰が好き勝手にできるんだ。
涙が溢れた。
好きな奴 一人 幸せにしてやれない。
傷一つ 癒してやれない
俺は、ただ ヒチョルに幸せに生きて欲しいだけだ。
美しく笑って 爛漫に生きる姿を傍で見る事
俺の 唯一の願いだ。
あの日見た 想像を絶する行為
身の毛もよだつとはかつて経験し得たことの中で
恐らくこういうことを言うのだろう
それらの全てを ヒチョルは受け入れていた
ソンミンとリョウク 提供者と呼ぶ 彼らのいう存在
「ヒチョル、、、、、いつからなんだ。昨日のようなこと。」
ヒチョルはゆっくりと口を開く。
仰向けた体を動かしもせず、顔の筋肉を強張らせもせず。
「抱かないのか? くだらない話が聞きたくて居るのか?」
口の内側を噛み、悲壮を湛える俺は 探究者。
知らねば 闇は深まるだけ
知れば 元の自分には戻れぬが
聞かねば ヒチョルを救えない。
「くだらなくてもいい。知る権利が出来た。」
ベッドから身を起こし、ソファに移動する
俺も、対面に腰掛ける。
話す側と聞く側の距離
傍で支えて、寄り掛からせたいが
ヒチョルの雰囲気が少し変わった
それが 俺たちの距離なんだと 悟った。
「ソンミナが望むのなら 全てを与えたい。」
きっかけなんてなんでもいい
求められれば 全てを差し出す
一時でも長く 傍に居られれば良いのだと
ヒチョルは 宙を見つめ まるでソンミンが目の前にいるかのように
潤ませた瞳は スフィアのように美しく煌いた。
「言いたくはないが、人道を外れた行為だという観念はお前にあるのか?」
「外れてはいないさ。愛する者に自分の血肉を与えられるんだ。」
この上ない 至福だ と。。。。。
「ただ、、、、許せないのは ソンミナに与えられているものの存在だ。」
「知っているのか? 誰か。」
目を閉じて 深く息を吐くヒチョル
「いや、、、、、知りたくもない。知ったら殺してしまいそうだ。」
無意識に手首を掻きむしろうとするヒチョルを制止する。
「ヒチョル これ以上痛むな。 俺の存在も忘れるな。」
お前を真に愛しているのは 俺だ。
ヒチョルにとってそうではなくとも。
俺には こいつと居たい。
「ジョンス お前には酷いことをしている、、、だが、、、、俺はっ、、、、」
いい 解ってる。
言うな。 言ったら俺たちは終わる。
ヒチョルの側へ行き 跪く。
「お前が誰を愛していようと、俺はお前が好きだ。」
だから 去らないでくれ
その身を擂り潰してまで 誰を愛してるというのだ・・・・・
だが 聞いてもお前は 怒りをぶつけるだけだろうから
ならば 俺は お前にこう云うよ。
「苦しい時は 俺を頼れ。 それくらいなら鬱陶しくないだろう?」
ヒチョルと俺の視線が絡む。
「ソンミンを愛していても 俺を見捨てないというのか?」
美しい顔が涙で濡れる。
「ああ、お前が居てくれさえすれば。捨てるなんて言葉はない。」
涙の伝う 頬に口づける。
「鬱陶しいものか。ジョンス、お前ほど良い男はいない。」
掬われる
お前の言葉一つで
抱きしめると 抱き返す 情けなくも愛おしい人。
「ジョンス やっぱ 抱けよ。」
「いいのか?」
「ああ、、、お前を欲してる。」
救われる
何も要らない
ヒチョルさえ居ればいい。
無限に続く
負のスパイラル
ぐるぐると縺れあいながらも
俺たちは 愛だけを求める
愛されたいが為に