今回は、鶴見小野駅から「リトル沖縄」とか「沖縄ストリート」と呼ばれる地域を散策します。
リトル沖縄は、主に潮田という地区を中心に点在しています。中でも「仲通商店街」には飲食店が多く見られます。
鶴見小野駅から鶴見駅方面に歩き、本町通4丁目の交差点を右折すると潮田の「仲通商店街」に通じます。

リトル沖縄といっても、横浜中華街のように雰囲気たっぷりな光景があるわけではありません。しかし、ここかしこに沖縄や南米のお店が点在しています。

大きな交差点の角にある「レストランELBOSQUE(エルボスケ)」は、ラテン料理・沖縄料理のレストランです。中でもボリビア料理が美味しいです。平日の午前中に伺ったので、まだ開店前でした。

ボリビアの国旗にある赤色は独立戦争で流された尊い血を、黄色は豊かな鉱物資源を、緑は森林を表しています。中央の紋章は、ボリビア各州の特徴を示すポトシの丘やコンドル、ラマ、パンの木が絵柄となっています。

さらに、仲通商店街を進むと、潮田マーケットがあります。まだ、開店前でしたが、マーケットの看板には、ブラジルの公用語ポルトガル語で何か書かれているようです。




この写真は、注文した沖縄そばです。沖縄そばは三枚肉とかまぼこがのっていて、特に出汁がとても美味しいおそばでした。
店内では、三線の音楽が流れ、琉球新報や沖縄タイムスなどの新聞が置いてあり、思わず沖縄の国際通りにでも行ったかのような気分に浸ることができます。

おきなわ亭の隣には、喫茶店や食材店が隣接しています。


この棚には、チャンプルなどの料理に欠かせないスパムやコンビーフハッシュなどが並んでいます。

奥の棚には、泡盛や沖縄もずくなどが置かれています。

沖縄限定の「オリオンビール」や「ミキ」という純米の珍しい飲み物が並んでいます。

3月4日は何の日か分かりますか。三線(さんしん)の日とポスターに書かれていました。
川崎にも同じように沖縄県人会会館があって、その日は川崎の県人会会館で三線の演奏会があったそうです。

本日のお土産は、ブタ君のインスタントラーメン(豚骨味と塩味)と飲む極上ライスの「ミキ」です。
「ミキ」はほんのり甘くて、とても美味しい飲み物でした。ジュースという感覚でもなく、これまで経験したことのない飲み物でした。

なぜ、鶴見や川崎に「リトル沖縄」ができたのでしょう?
沖縄は、大正から昭和初期にかけて、砂糖相場の暴落や大恐慌の煽りなどの影響から経済的に大きなダメージを抱えていました。食料も尽きていたため、人々は止む無く有毒の自然のソテツを食料にして飢えを凌いでいた時期もありました。
一方、鶴見や川崎では埋立てラッシュで、新しい工場建設が行われていました。
こうした背景もあり沖縄の人たちは、この鶴見の地に移り住むようになりました。戦後、沖縄はアメリカに占領されたため、沖縄に戻るすべはなくなりました。この地で県人会をつくり沖縄の伝統を引き継ぐなかで、「リトル沖縄」は形成されていったようです。
また、同時期に沖縄から南米のブラジルやボリビアに移住して行った人たちは、1990年の入管法改正で日系人の在住が許可され、沖縄出身の日系人は身寄りのある鶴見に生活の場を求めたことで、南米の方が鶴見に多く住むようになったようです。
さらに散策は続きます。