前回ご紹介した禅林寺の隣に位置する南禅寺は、臨済宗南禅寺派の本山です。
室町時代には、臨済宗の格付けする「京都五山」「鎌倉五山」の上に置かれ、別格の扱いを受ける最も高い格式を持つお寺として栄えてきました。
しかし、応仁の乱で創建当時の伽藍は焼失し、現在のほとんどの伽藍は桃山時代に再建されたものです。南禅寺はまた、パワースポットとしても知られています。
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荘厳な構えをした三門は、高さ22メートル。知恩院三門、東本願寺御影堂門とともに京都三大門の一つです。
藤堂高虎が大阪夏の陣で戦死した武士たちの冥福を祈るために寄進したものです。
歌舞伎「楼門五三桐(さんもんごさんのきり)」の中で石川五右衛門の名セリフの「絶景かな、絶景かな・・・」で有名です。
三門の楼閣から京都の絶景を見ることができます。
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三門からパチリ
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法堂です
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南禅寺の境内に美しいアーチを描く煉瓦造りの橋があります。「水路閣」です。
これは、琵琶湖の水を京都市内へ運ぶための水路橋です。南禅寺境内を通過させるために古代ローマの水道橋を手本に明治21年に作られました。
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ここは、サスペンスドラマで犯人が告白するシーンでよく使われる場所で、京都を代表する景色の一つです。
前回ご紹介した「哲学の道」に沿って流れる琵琶湖疎水は、この「水路閣」を通って注がれています。
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南禅寺から蹴上駅に向かう途中で撮った写真です。
この線路は、琵琶湖疏水の大津から宇治川に至る20.2キロの舟運ルートの途中、水路落差のある2カ所に敷設した「傾斜鉄道」型のインクラインなんです。
この蹴上インクラインは延長581.8メートルで世界最長。明治23年に完成し、昭和35年に稼働を停止しています。
この写真の線路の先に台車に乗った小船が保存されています。アップにしてご覧ください。
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このように保存されています。(お借りしました)
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傾斜した線路を下り切るとこうした水路に着きます。(お借りしました)
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このインクラインの仕組みは、プラタモリの京都編でも紹介されているので、ご覧になった方も多いのでは。このインクラインで運ばれた琵琶湖疎水は、南禅寺の「水路閣」を通り、「哲学の道」沿いを流れ、京都市内に運ばれて行くのでした。
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続く