MGCガバメント第1号機である、いわゆるGM-1のバリエーションには、コマンダーとリブサイトの付いたターゲットモデルがありました。
今回お借りしたのは、コマンダーです。

Governmentだから、GMなんでしょうけれど、Commander だとCMということになるんですかね。
初代コマンダーはCM-1とかね。
そういう呼び方は聞いたことないですね。
コレクター間では、『GM-1のコマンダー』という呼び方が多いのかな。
パッケージデザインは、ガバメントと同じですね。

これと同じコマンダーを30代の頃に職場の先輩から譲り受けて、しばらく所有していたことがあって、その時は若くて怖いもの知らずでしたので、銃口も塞がず黒いまま書棚に飾ったりしていました。
そんなこと今は絶対にやりませんけどね。
こういうブログを書くようになって、より遵法意識が強くなり、少し色が褪せた金属製モデルガンを見ると、マッキーの黄色を塗ってしまいます。他人様からお預かりしている物でもお構いなしです😁
その黒いコマンダーは、縁がなかったのか数年で手放しましたが、譲った相手が遵法精神の権化のような人でしたので、しっかり合法処理して所有していました。
その時は、見つからなきゃ良いんだし、わざわざ銃口潰して色塗る必要ないでしょ。勿体ない。とか思っていました。
今は同じ趣味を持つ数人の仲間と、年に何度か集まって勉強会をやっています。
彼らに共通しているのは、強い遵法意識です。この趣味続けていくなら、守らなければならないことが大前提。だから持ち物自慢で持ち寄るモデルガンもしっかり合法処理していなければ厳しく叱責され、自慢どころではなくなってしまいます。

実物のコルトコマンダーはどういう経緯で開発されたのでしょう。
コルトM1911からM1911A1に改良されたのが1926年。
コマンダーは第2次世界大戦が終わったあとの1949年に開発されています。
米軍が将校用に軽量化されたピストルを求め、その条件
(9mm口径、全長7インチ以下、重量25オンス以下)
を満たすピストルの採用トライアルが行われました。
結果はコルトが提出したM1911 A1ベースの短銃身かつアルミフレームでの軽量版が採用されます。
このトライアルでコルト製品と共に最終選考まで残ったのがS&WM39だそうです。

将校用であっても、一般兵が持つピストルとほぼ同じ規格であることは、理に適っていると思いますし、米軍の採用理由もそこにあったのではないでしょうか。
コルトはこのピストルに『コマンダー』という製品名を付けて翌1950年から量産を始めました。
その後、アルミフレームの耐久性に不安を持つユーザーの要望を受け、1970年にスチールフレームタイプが加わり、こちらには『コンバットコマンダー』という製品名が与えられ、アルミフレームタイプは『ライトウェイトコマンダー』と呼ばれているそうです。
軽量であることもさることながら、コマンダーはバレルサイズ(4.25インチ)が絶妙らしく、コンシールドとドロウにとても適していて、公的機関の役人の多くが今でも愛用してるのだとか。

パッケージデザインが同じなので、販売店で混乱しないように、コマンダーの箱にはフェルトペンでCと書かれています。

yonyon 師匠のホームページから拝借してきた当時のカタログです。
コマンダーの製造開始時期を調べてみましたが、分かりませんでした。
おそらく、ターゲットモデルよりも先でガバメントとそう変わらぬ時期での発売だったのではないでしょうか。


ヨレヨレですが、貴重なカートリッジボックスです。
1ダース入りという表示が懐かしいです。
70年代半ば、ボンドショップの壁に貼られたチラシにカートリッジ1打300円なんて書いてあったのを思い出しました。

12個入りでいくらだったんでしょうね。
他のメーカーはモデルガン本体の化粧箱の弾挿しにカートリッジが装弾数ぶん挿してありましたが、こうして専用の紙箱に入っている方が雰囲気も良くて、好きでした。
直売店で買うときもわざと『45ACPを二箱』なんて言って注文してね。
店員から『何だって?』と訊き返されて、『いえ、あの、ガバのカートリッジ下さい』とか赤面しながら言い直したり。

コマンダーは9ミリ口径のイメージが強いですが、ずんぐりした45ACP弾と並べ置くと頼もしさを感じます。

スライド刻印は前回のガバメントとは違っています。
製造時期によって、いくつかの刻印パターンがあるようです。

こちら側にはシリアル番号が打たれています。

MGC製品で王冠マーク入りのモデルガンを見たのは、初めてです。

ここでガバメントとコマンダーの刻印に微妙な違いがあることに気付きました。
こちらは、ガバメント。いわゆるGM-1の3。固定バレルの手動式ですので、時期的には新しいガバメントのスライド刻印です。
『US ARMY』とありますね。

こちらは今回の主役コマンダーです。
スライド刻印をよく見ると、前掲写真と同じ位置にGENERAL と打たれています。
GENERALとは、一般的という意味でしょうか。民間モデルという意味なのかな。

コマンダー特有のリングハンマー。
衣服等の引っ掛かりを防ぐためグリップセイフティの突き出し部分を短くし、ハンマーバイト防止でスパーの形状を丸くした。ということなんでしょうね。
ハンマーに穴を開ける理由について、ハンマーを軽量化することでハンマー動作が早くなり、ロックタイムを短縮出来るそうです。
ロックタイムというのは、ハンマーがレットオフからプライマーに打突するまでの時間ですが、このコマンダーが設計されたときは、ロックタイム短縮というよりもひたすら軽量化に傾注した結果ではないかと思います。


銃口は完全閉塞状態です。
のっぺらぼうですね。
マズルに浅いへこみを設けるようになったのは国際産業やCMCが最初で、それで咎められることがなかったからか、MGCも同様のマズル加工をするようになります。
このマズルのへこみは深さに制限がないのか、最初は1〜2mm程度でしたが、そのうちに10mm近くも深いものや擬似ライフリングを形成したものまで登場し、今流通している商品のマズルも深々とへこんでいますね。
完全閉塞というのが、銃身の先から元まできっちり埋まってなきゃならないのか、多少の空間はあっても貫通してなければ良いのか。
ユーザーとしては、支障ない程度のへこみがあった方が嬉しいですけどね。

通常分解の状況。



スライドブリーチはスッキリしています。
後発のCMC2型は、ネジとエキストラクターなどがゴチャゴチャしていましたね。

スライドブリーチはそのままファイアリングブロックになっています。
ただ嵌め込んでいるだけですので裏返すとポロリと外れ落ちます。
前回のガバメントの記事では、アルミ製だと書きましたが、このファイアリングブロックはグレー色で亜鉛合金のようにも見えます。


ファイアリングピンを模したモールドが良い感じです。

ディスコネクターはありません。

リコイルスプリングガイドは先端がこのように二股になっています。





バレルとリコイルスプリングの部品構成です。
スプリングガイドの二股部分がバレルリンク設置部分に接しています。



こうして見ると、ガイドの足はリンクの可動域を稼ぐためのようにも見えます。




スライドが閉じた状態。




スライドが後退すると、ロッキングラグで噛み合ったバレルも後退し、スライドストップ軸に貫かれたリンクが前傾してバレルがチルトダウンするという仕組み。
ガイドの足は、このリンクの動きをスムーズにするために設けられているようです。


ガバメントと比べてみます。

コマンダーに目が慣れると、ガバメントのスライドが長く見えます。
MGCガバメントはグリップが短いので余計に長く見えるのかも。


フレームのダストカバーは同じ長さです。
MGCガバメントとコマンダーは同じフレームということですね。

MGCには、GM-1からGM-12までガバメント型トイガンがあるそうですが、金属製コマンダーはこのCM-1いや、GM-1だけですね。
この製品は規制後も販売が続けられ、1976年頃にGM-3が登場したあとも併売されていましたが、77年の2次規制で国内販売は中止されます。