新緑の季節ですね。
ゴールデンウィークではありますが、あいにく全国的に天候は良くないようです。
どうせ、どこに出掛けても人混みに揉まれるだけでしょうから、雨も降ってることですし、家でのんびり過ごしております。

今回もお借りしたモデルガンで記事を書かせて戴きます。
国際のワルサーP38。それもゲシュタポタイプです。

ワルサーP38のモデルガンは、2次規制までに中田、MGC、CMC、マルシン、それにMGCと六研がコラボしたMJQが出しており、国際P38は最も後発の1976年の登場でした。

当時の国際産業カラーカタログに掲載されたP38。
コマーシャル、ミリタリー、ゲシュタポの3タイプがありました。
コマーシャルとミリタリーはグリップパネルのデザインが異なるだけで、刻印その他の仕様は全く同じです。
これは中田から型を受け継いだマルシンも同様で、当時中学生だった僕はコマーシャルとミリタリーの違いが分からず、ミリタリータイプは軍用だと察しがつくものの、コマーシャルタイプはその言葉のニュアンスから宣伝用の試作品だろうと思っていました。
それよりもっと不可解だったのがゲシュタポタイプ。
銃身が無い、その不格好な姿と耳馴染まないゲシュタポという言葉の意味も分からず、こんなの買うヤツがおるんか?と友だちとカタログを見ながら嘲笑したものでした。

それにしても、この趣味の悪いオレンジ色のグリップパネルは、どういうセンスなんでしょうね。

やけに目立ちすぎる大きなsmマーク。

スライドのこちら側には国際産業を示す刻印が入っています。

1976年と言うと2次規制前夜ですからね。その2回目の規制を避けるためにメーカーは自主規制で乗り越えようと、自社製品の安全性を大きくアピールする必要に迫られていたのでしょう。

ゲシュタポというのが、ナチスの秘密国家警察のことで、その残虐な実態を知るのはずいぶん後になってからです。
そのゲシュタポ用のピストルだと知って、秘密警察のエージェントが実際に使用していたのだと長いこと思い込んでいましたが、この短銃身のP38が実用化されることはなかったそうですね。

お借りしたこのモデルガンには社外品の木製グリップパネルが着いています。
P38に木製グリップは似合わないと思っていましたが、なかなかどうして、渋味があって良く似合っています。
おそらく短銃身というのも新鮮味があって違和感を抱きにくいのかも知れません。

エキストラクターはライブです。
スライドトップにちょこんと付いてるフロントサイトが可愛く感じます。

ロッキングブロックはピンによって押されることで上下してスライドとのロックが解ける実物どおりの構造です。

上からバレル、ロッキングブロックピン、ロッキングブロック。
中田はピンの代わりにコイルスプリングを内蔵させて上下させていましたね。

ロッキングブロックがスライドと噛み合っている状況。

ロッキングブロックピン(右端にチラリと見えてます)に押されるとブロックが動いてスライドとのロックが解ける仕組みです。

国際P38の特徴的なトリガーバーとコッキングピースの連繋部分。
コッキングピースはロストワックススチールで出来ているようです。

通常トリガーバー先端は鈎状になっていて、コッキングピースを引っ掛けるように連繋していますが、国際P38はこのようにダボに嵌まり込む形で接続されています。
合理的と言えば、そうなのかも。

元々は、実物どおり鈎状連繋だったのだろうと思わせるトリガーバーを押し上げるバネの設置を予定していた片鱗が残っています。

フレームに設けられた、テイクダウンレバー用スプリングの状況。

ワルサーP38というものを見慣れた目には異形に映る短銃身。
これだと、チャンバーの先にバレルは2cmくらいあるでしょうか。
リバレーターくらいの命中精度ですかね。

発売から規制までわずか1年。生産数は他社のP38に比べると圧倒的に少ない国際製で、しかもゲシュタポタイプとなるとかなり希少性は高いと思われます。

実際にゲシュタポが使ったわけではないのかも知れませんが、この短い銃身にサイレンサーをねじ込んだ姿を想像すると、それっぽいイメージが湧いて来ます。
情報過多の昨今、もうこのようなモデルガンが生まれることも無いのでしょうね。
以上、国際P38ゲシュタポでした。




