コクサイニューM29 K´s Customです。
コクサイは、国際の時代(1975年頃)に44マグナムを作っていましたが、それはMGCのコピーに近く、完成度はそれほど高くはありませんでした。
80年代に入りますと、コクサイに社名が変わり、S&Wリボルバーとコルトパイソンを再現性高くリニューアルしました。
そのうちの1つがニューM29です。
ただ、当時の最新型をモデルアップしたからか、バレルが6.5インチではなく、6インチを選択していたのが残念でした。



他にもいくつか不満がありまして、よく言われるのがチャンバーサイズですね。
国際のリボルバー型モデルガンは、昔からバネ仕掛けでお尻を押すと弾頭部分が押し出されるタイプのカートリッジですので、薬莢部分だけじゃなくて弾丸部分まで模したスタイルになっています。
ニューM29でも同様なんですが、このニューシリーズからはメッキケースとジャケテッドハローポイントという組み合わせの実弾に似せたおしゃれなカートリッジになっています。
規制でシリンダーに分厚い改造防止インサートリングが2枚重ねで入っているもんだから、シリンダーの前方1cmくらいがインサートに場所取られていますので、弾丸部分まで模したフルサイズカートリッジだとチャンバーに収まりきれません。
それでインサートの分カートリッジは短くならざるを得ず、ずんぐりしたスタイルになってしまい、バランスをとるためにカートリッジの太さを小さくしたのでしょうね。
カートリッジが実物よりも一回り以上小さくなってしまった理由はおそらくそういうことだろうと思いますが、そのカートリッジに合わせてチャンバーサイズも小さくなってしまったということなんでしょうね。


ご覧のとおり、44マグナムの実物薬莢が収まるようにリサイジングしています。
往年のM29にあわせてカウンターボアードになるようにリセスも丁寧に形成されています。


バレルもきっちり6.5インチあります。
比べているのは、CMCM29 6.5インチ。


右はタナカの44マグナムカートリッジで左がコクサイニューM29のカートリッジです。
タナカはプラスチック製モデルガンなのでシリンダーに場所を取る規定インサートを設ける必要がなく、自主的な改造防止インサートを設置しているだけですので、その分カートリッジの長さが稼げたようです。


これはまあ、個人的なこだわりとでも言いますか、実物と同じモノグラム付サイドプレートに付け替えています。
金色にした方が馴染むんでしょうが、敢えて黒いまま残しております。



ワイドトリガーはタナカからの移植。
M29には、ゴージャスなフルワイドトリガーが似合います。


こちらは、コクサイの純正品。
ワイドスパーハンマーも44マグナムらしくて好きです。

コクサイでは、同じNフレームでも、357マグナムのM28にはセミワイドスパーのハンマーを着けていました。
これは確か、ニューM29も先に登場したプラスチック製モデルガンはセミワイドスパーだったと思います。
プラスチック製モデルガンで売り上げを伸ばし、準備を整えてから金属製で完璧版を出すというやり方だったのでしょう。



シリンダーインサートは前方のタコの吸盤のような突起を削り落とし、目立たないように黒く塗っています。


純正木製グリップとカートリッジ、それに純正のサイドプレート。
コクサイニューM29のオーバーサイズターゲットグリップもダイヤチェッカーのない時代のグリップです。
初期には、赤みの強いタイプもありました。

気になるヨークサイドの溝。


上から1985年製ニューM29、1977年製オートマグ、1978年製CMCM29。
オートマグとCMCM29の初登場は、共に1976年。
2次規制を乗り越えて、80年代の半ば頃まで製造販売されていましたが、オートマグは製造中止となり、CMCはその活動自体を停止させてしまいました。


最近、少し日が長くなりましたね。
春も近付いているのでしょう。