久しぶりにTRCピーメを引っ張り出してみました。



TRCとは、Tokyo Replica Corporationの頭文字を取ったもので、1960年代末に、それまでモデルガンの製造販売を手掛けていた中田商店がモデルガン製造部門を切り離し、独立して立ち上げたブランドです。
モデルガン本体にTRCのマークが入っているのはこのピーメだけで、しかもこのモデルガンが中田最後の製品となりました。

中田商店は、第2次世界大戦を中心とした軍事博物館のような展示場を作ろうとしていたことで、その商品展開も軍用銃が多いので、ピーメを製品化したことは珍しいことだと言えます。
ただし、そのピーメはCMC68型をほぼ丸ごとコピーしたパクり商品でした。


外観で見分けるには、この台形のフロントサイトが分かりやすいです。
ほかには、シリンダーフルートがCMC68よりも細く尖っています。



エジェクターロッドヘッドも特徴ある形をしています。

TRCピーメは、CMC68型のコピーなので、貫通シリンダー付です。
CMC68型が安全を考慮してチャンバー隔壁にスリットを入れていましたが、TRCも同様にスリットが入っています。

しかし、71年のモデルガン規制で銃腔が完全閉塞されると、TRCの方は隔壁スリットを切らずに出荷するようになります。
このスリット無しのシリンダーはフルートの形状もCMC68型に近くなりましたので、外観で見分けることが困難となります。

本体に刻まれたブランドマークを見て、CMCだと思い、手にとって、ローディングゲートを開いたら、貫通シリンダーで隔壁が切られていない。『お、兄さん、シリンダーだけTRCに換えてるね』『え、バレちゃいました?さすがだねえ』なんて粋な会話の糸口になるかも。