コルトトルーパーという、どちらかというとマイナーなリボルバーを僕ら日本のモデルガンファンが知っているのは、1975年にMGCがモデルガンを出したからだと思います。
コルトマークⅢは、コイルスプリングの多用とシンプルな構造でモデルガンとしても作りやすかったのか、リボルバーの国際というにはまだ未熟さの残っていた時代の国際産業でも、かなり出来の良い製品に仕上げています。
金属製モデルガンが衰退の一途を辿っている今、新製品として産み出される可能性が極めて低いコルトトルーパー。
それはなぜか。
専門誌での取り上げられ方もあってか、日本のモデルガンファンにはコルトのニュージェネレーションリボルバーは不人気です。
僕らは、50年代のコルトリボルバーは大好きだけど、70年以降のマークⅢやマークⅤはそうでもないんですよね。
それから14年が経過した1969年にコルトはダブルアクションを一新させたニュージェネレーションリボルバー、マークⅢシリーズを発表します。
その商品ラインナップに新しく生まれ変わったトルーパーがありました。
上の写真は、日本のガンファンを意識して当時モデルガンとして販売されていたマークⅢトルーパーとパイソンを並べて撮影したのかもしれません。
金属製モデルガン国際トルーパーの登場は1979年(昭和54年)です。
同社初代パイソンがその前年に登場していますが、MGCのほぼコピーでシリンダーの回転も不充分だったパイソンに比べ、トルーパーは格段に完成度を上げていると思います。
この後、80年登場のローマンを経て数年間国際は新型の金属製モデルガンを発表していません。
それはエアソフトガンの台頭でモデルガン人気が翳っていたからですが、そうした状況の中で社名がコクサイに生まれ変わって最初に出たM19は歴代S&Wモデルガンの中でも最高傑作となりました。
このM19以降、コクサイの金属製リボルバーのシリンダーインサートはホローポイント弾頭風のレリーフとなりますが、写真のようにトルーパーは70年代の国際リボルバー特有のイボ状でしたね。
写真はそれまでパイソンだったルディの愛銃が突如トルーパーに変わるシーンです。
この映画ラストのホテルのシーンに来てなぜパイソンがトルーパーに変わってしまったのか?
おそらく、マックイーンがシリンダーを開いたまま投げ捨ててしまったパイソンが故障して使えなくなったんじゃないでしょうか。
代用品としてトルーパーが使われることになり、けん銃がはっきり見えるこのシーンも、アルがパイソンで撮影済みだったのをトルーパーで撮り直したのかも。
肝心のパイソンを投げ捨てるシーンはけん銃がはっきり写ってる訳じゃないし、癇癪持ちのマックイーンに撮り直しさせると機嫌が悪くなるのでそのまま使った。という推察ですが、いかがでしょうか。
ルディを演じたアル・レッティエリはマックイーンよりも2つ年上ですが、不遇の俳優でゴッドファーザーでようやく頭角を現して、大役はこの映画が最初でした。
クセの強い悪役を見事に演じきっていますが、『ゲッタウェイ』撮影終了の3年後に47歳の若さで病死しています。