国際のミリタリー&ポリス2号機は1978年秋に発売されました。
Smith&Wesson ミリタリー&ポリスの中でも戦前タイプと呼ばれる、いわゆるヴィクトリーモデルがモデルアップされていました。
最初は、ミリタリー&ポリスの4インチと6インチが先行発売され、その半年後にバリエーション展開されて順次発売されたのがマスターピースとニューセンチュリーでした。
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月刊ガン1979年6月号の広告です。
実銃の場合、ミリタリー&ポリスとマスターピースは同じフレームサイズ『K』ですが、ニューセンチュリーによく似た形の44ハンドエジェクターは『N』フレームなので、Kフレームで作られたニューセンチュリーは国際の創作モデルガンと言えそうです。
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当時の国際は、このKフレームシリーズのほかに、パイソン、スーパーブラックホーク、マークⅢシリーズと立て続けにリボルバー型モデルガンを発売し、リボルバーの国際を自称していました。
2次規制でセミオート型モデルガンに見切りをつけ、リボルバーに活路を見出だそうとしていたのでしょうね。
しかし、この頃の国際は『リボルバーの国際』を名乗るにはまだまだ製品に甘さが残っていて、再現性は低い状態でありました。
ただ、このリボルバーに力を入れた商品展開はやがてニューM28をはじめとする国際ニュージェネレーションへと突入する土台となったことは間違いないでしょう。
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国際ミリタリー&ポリス2号機を見るたびに思うのは、これを設計された方のデッサン力の無さと言いますか、クセの強い特有のデザインに半ば呆れるばかりです。
1978年という時代は、月刊ガンもカラー写真が増えて、永田市郎記者やジャック田久保記者がアメリカ製のけん銃を細部に渡って撮影して記事にしていた頃ですので、情報は豊富に揃う時代でした。
海外からグリップパネルも輸入出来、そういう資料を参考にして設計出来たはずなんですが、そんな情報は全く無視したようで、自由気ままに描いた絵のようにデザインされています。
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1976年に発売されたCMCのマグナムシリーズを参考に出来たのに、それすら見向きもしていません。
唯一参考にしたのかなあ。と思わせるのはサイドプレートとリコイルシールドが別になってることくらいでしょうか。
そのサイドプレートには、国際のブランドマークがS&Wマークを模して刻印されています。
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規制直後ですからSMGマークも目立つように入れられていますね。
ハンマースーパーも独特な形状です。
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ハンマーノーズはハンマー本体と一体型でピンはモールドです。
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これが内部構造です。
2年も前に先行販売されているCMCのメカは完全に無視したオリジナル構造です。
これで確実に作動するのであればまだしも、シリンダーの回転は不十分で、Kフレーム3兄弟として熱を入れてる割には中途半端ですね。
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マルゴーのパイソンやガバメントほどのゲテモノさはありませんしね。
まあ、何と言ってもモデルガン黄金期に日本でミリタリー&ポリスをモデルガン化したのは国際だけですからね。しかも2度も作り替えてるんですから。
僕がこの国際ミリタリー&ポリス2号機を買ったのは、新発売された1978年でした。この時は4インチを買って、発火遊びも散々やりましたが、シリンダー隔壁にスリットがあるので火薬を詰めすぎると、隣の薬室に誘発して怖い思いを何度もしました。
それから40年近くが経過した2015年に、6インチのミリタリー&ポリスが欲しくなり、中古で安く買ったのが現在のモデルガンです。
国際がコクサイになり、ニュージェネレーションを迎えた後に、ミリタリー&ポリスをM10という名称でリメイクしていますが、これはそれまでの国際ミリタリー&ポリスシリーズの中でも最高に完成度の高いモデルガンでありましたが、シリンダーがM19と共用であったため、少し長いのが残念でした。
それに6インチモデルを出してくれなかったことにも不満が残っています。
そういう理由もありまして、ミリタリー&ポリス3号機は持っておりません。
コクサイが国際時代にやって見せたK38シリーズの商品展開を3号機でもやってくれていたら。
そして、Nフレームでの44ハンドエジェクターまでも世に出してくれていたら・・・う~ん、これはバレル鋳造の構造上、トリプルロックの組み込みが難しいのか。
コクサイが廃業して5年が経つ今、こうして懐かしいモデルガンを眺めて秋の夜長を過ごすのも良し。