強烈な印象 | 誰にも言えず綴る

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余命宣告された夫は2023年8月、逝ってしまいました。これからどう生きていこうか…。

夫が最期までお世話になった施設へ
出向く。

返金を受け取った。

5万ちょっと残っていた。


お世話になったお礼のご挨拶に行って以来の訪問。

この施設の周辺はよく通るけど
通る度にいろいろ思い出してしまう…

お世話になったご挨拶に
ちょっとした菓子箱をお渡ししたのだが
その時に応対してくれたスタッフさんが
とても饒舌な人で、

とにかく強烈な印象の方でした、
ずっと忘れませんよ。

と、ある意味親しみを込めて
短期間の入所期間ながら
施設内でかなり目立ってた様子を伝えてくれた。

詰まるところ、
カスハラしてたわけだが…

話を聞きながら、私は、

本当にお世話をおかけして申し訳なかったです。

大変でしたでしょ?と
スタッフさんを労った。

いえいえ、大丈夫ですよ、と
スタッフさん。

こんなやり取りがあったのを思い出した。

がんセンターに入院してる時も
担当の看護師さんから

〇〇さん(夫)の扱いは
私が一番慣れてますから…
みたいな表現をされたのだが

多分あそこでも
カスハラしてたんだろうな。

どんな口調で

無茶言いしてたか、

長年連れ添った私はだいたい想像がつく。

夫は
本来は人付き合いが苦手な人なのに
文系大学から営業職に就職して

話すことが商売のような仕事をしていた。


人付き合いが苦手だけど

人相手の仕事は苦痛だったと思う。

自分の弱点を克服するため、
人付き合いはこうすればいい、みたいな雛形を自分なりに学習してやり過ごしていたと思う。

目上の人間にはよいしょで可愛いがってもらい、

目下の人間には多少無理言っても大丈夫、

みたいな雛形。

お客さんからは
いつも無理難題を言われていたので
自分が客になれば
言ったもん勝ちで無理を通す、
そんな雛形。

それを
患者の立場でもやってたんだろうな。

闘病中に接した人たちは
強烈な印象を持ってもおかしくない。

夫に限らず
生きるか死ぬかの闘病中の人は

平常心も無くすよね。


かく言う私も

その立場になれば

どんな言動を取るかわからない。


どうせ先も長くないし

取り繕っても仕方ないと

悟っちゃうかもだし。


そんな患者を世話する側も

慣れっこなのかもね。

家族としては

本当にお世話をかけましたと、

ただただ頭を下げて穏便に終わらせた

夫のやんちゃぶりだった。


私にとっても

36年間連れ添ったあの人は

強烈な印象。

いろいろな意味で生涯忘れません。