先日、上野千鶴子氏の文章 を読んだときに
ノーマ・フィールド氏の本の一節が記してありました。
その一節がなぜだか心に染み入り
それが記してある本をすぐに取り寄せました。
- へんな子じゃないもん/ノーマ フィールド
- ¥2,520
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アメリカ人と日本人の間に生まれた
いわゆる「混血児」のノーマ・フィールド氏。
生まれたときから
ずいぶん長い間を過ごした日本での出来事を振り返りながら
病に倒れた祖母を通して、第三者的に日本を記しています。
今では学校に数人はいるハーフやクオーターですが
戦後間もない頃の東京ではまだ珍しく
異国情緒溢れるその風貌により
近所の子供たちと気軽に遊ぶこともままならなかったようです。
そんなノーマ・フィールド氏が病気になると
祖母が病院まで連れていってくれたとのこと。
病床にある祖母にその頃のことを
何気なく問いかけたときの出来事です。
最初の発作のあとのいつごろか、
半世紀以上もむかしに彼女の読んだ随筆家の文章を
音読してあげると、まだよろこんでくれたころのことだが、
わたしはふと訊いてみたくなった。
―おばあちゃま、へんな子をお医者さんのところに連れていくのは、いやじゃなかった?
しばらくのあいだ彼女はなにも言わず、聞こえなかったのかな、と私は思った。
長い沈黙のあと、彼女は目をこちらに向けず、開けもせずに、こう言った。
―へんな子じゃないもん。自慢の子だもん。
こんな答えは期待していなかった。
なにも期待していたわけではない。
でも彼女が元気なときには、こんな質問はけっしてできなかっただろう。
病気がわたしたちにほんのしばらくのあいだ与えてくれたのは、
そういう深い親しさだった。
それは、甘美このうえない別れの言葉となっただろう。
今ではアメリカで生活をしているノーマ・フィールド氏。
この本の中での日本は客観的に語られていますが
彼女の生活した世界はリアルなのです。
私たち日本人は
もっと深く、日本を知り、考えなければならない気がします。
この本の最後に
祖母の若い頃の写真が載せられていますが
最初「竹内結子の若い頃?」と思ったほどの美人。
美しく聡明で、
少しはにかんだ笑顔が素敵です。