5月11日
ガンジス河の朝日を見に、早朝5時に起床し出かける。
バラナシの南端から緩やかな弧を描くように北上するガンジス河に
連なる84のガートとよばれる岸辺では
ガンガの神を崇め集まってくる人々で喧噪を極める。
ヒンズーの信仰によれば、ガンジス河の聖なる水で沐浴すれば、
すべての罪は浄められ、ここで死に遺灰が流されれば輪廻し
ヒンズー教徒にとって最高の幸福となるそうだ

ホテルに近いガートに向かい、早朝出くわしたボート漕ぎの男性と交渉し
朝のガンジス河に繰り出す。
河は朝日で金色に近く練り絹のようにしっとりしていて
朝日が全身に染み渡るようなすがすがしさを感じる
ボートを進めていくと各ガートでは様々な人たちの沐浴と
生活感あふれる光景が広がっている。
家族そろってばた足をしている光景や
一生懸命お祈りをしながら、ガンジス河に身を沈めたり浮かべたりを繰り返す男性に
一通りの作業が終わったのか井戸端会議に花が咲く女性達
朝から全身ソープだらけにしてけっこうしっかり身を清めてる男性
ガートの端に設置された岩で出来た洗濯板で洗い物をする人々
ガートで繰り広げられる人間模様を観察していると
たくさんの人が「ナマステー!」と声をかけてくる。
こちらもそれに答えると
「写真撮ってー!」とポーズをとってまっている(笑)
すっかり楽しくなり、私もボートを漕ぎたくなったので変わってもらった。
すると、その辺を泳いでいた子供がまた「ナマステー」と近寄ってきた。
子供は溺れてはいけないので浮にガンジス河の水を汲んで帰る用のコンテナを
腰にくくりつけて泳いでいる。
2時間ほどガンジス河をボートで観察し、元いたガートまで戻ってきた。
チャイを飲みながら歩いているとバラモンがこっちに来いという。
近寄っていくと、今の私に必要なことを教えてくれるという。
ほお・・・
お経を唱えてもらい、額に浄めと祝福の赤い印をしてもらうと
そのバラモンは
「あなた、自然体になるためにすべてを受け入れ、内なる神と静かに対話をしなさい」という。
・・・
?
自然体になるって、どういうこと?
そして、自然体になるための内なる神との対話ってのが更に難しそうなんだけど・・・
すべてを受け入れたとしても自分の内側のどの辺に神がいるというのか?
ごちゃごちゃ考えていると
「頭で考えない !!」と叱られ「インドにいる間の宿題」といって
勉強料を要求された。
バラモンに言われたことを考えるために
近くのガートに腰掛けてぼんやりしていると
目の前で親子が泳ぎの練習をしているのが目に入ってきた。
お父さんが子供にバタ足を教えているのだが、とっても
へたくそ...
昔水泳をしていた私は子供に足が曲がっているから
まっすぐにしてキックしてみてとジェスチャーで伝えていると
君も河に入っておいでよと呼んでいる。
うふふ。それだけは
絶対イヤ♪
今まで散々おバカなことをしてきたが
ガンジス河にだけは入らないと誓っていた。
私はよーく知っている。
感極まった人々やそうでない人までガンジス河にむやみに近寄ったために痛い目に合っていることを。
ある人はガンジス河に腰までつかっただけで次の日から39度の熱に1週間うなされ、
ある人はお腹を壊しひどい脱水症状で病院に運び込まれ
ある人は入ってもいないのに全身に蕁麻疹がでてしまったことなど
ガンジス河の神は結構恐ろしいことをするのだ。
そんなことを考えていると後ろから
ザパーンと何か冷たいものを頭からかぶせられた。
?????????
何が起こっているか全くわからない状態が1分ほど続き

子供がふざけて
ガンジス河の水を私にかけた
のだと気が付く
私は子供が持っていたコンテナを取り上げて
殺意をもって仕返ししようとしたが、
こんなことで国際問題になったのでは日本国民の皆様に迷惑がかかる
と
とっさに抑えそのコンテナをガンジス河に投げ捨て
いちもくさんにホテルに逃げ帰った

一時間以上石鹸やら消毒液やらで体を隅々まで洗い
どこも何ともないのに胃腸薬を飲み
様々な悪い妄想をしながら
体操座りをしてその日一日を部屋で過ごした
内なる神と対話できる日は遠い





















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