203X年のある大病院。
軍・自衛隊関係者が負傷して、横たわっている。その中に魔導師や光の戦士達等もいて、今一部の人達が死を迎えようとしていた。
ストレッチャーで運ばれる男性。男性はミレア・レイであるが、肉体レベルでは事実上、カノンと同じだ。
全身管理とケアの為、既にラインでぐるぐる巻きである。
千賀子(地球評議会をチャネリングしている。)「副艦長、しっかりして下さい。あなたとカノンさんは地球にとって、大切な人。銀河系連合、惑星連合艦隊の鏡です。二人を失ったら、私達は今後、誰を頼りにすればいいのですか?」
ミレア・レイ(惑星連合・時空調査官AWS 兼 天の川銀河方面・シリウス艦隊 副艦長/新銀河系エリア3所属 魔導師 以下とする)「ごめんね。私の神通力があれば、衝突を避けられると思ったんだけど、本当にごめんなさい。このままだとカノンも死んじゃうな。(呼吸が乱れる。)」
看護師K「緊急処置がありますから、会話はそのくらいにしてください。(とストレッチャーを押す。)」

野戦病院みたいな病室。
各ベットで息を引き取る人達がいる。そして…。
ミレア・レイもまた、息苦しそうに横たわっている(酸素マスク)。
千賀子、yuka、フランドルらに加え、なんと看護師の神田沙也加もいた。
沙也加(神田沙也加のこと。看護師)「(モニタ-を見ながら)先生、ボスミンのワンショットをやりますか?」
亀井医師「そうだな。VFが出ているから、様子を見ながら、数回。それとアミオダロン300!」
沙也加(神田沙也加のこと。看護師)「はい。」
yuka(地球人。ミレアの親友。)「全くバカだよ。こんなんなる前に、助けを呼べばいいのに。」
フランドル(魔導師。ミレアの仲間)「こいつは根っからの、光の戦士。正義のミカタって奴だからな。それよりも…。」
とベット近くの名札を見る。
名札には、カノンもしくは始くんの名前。
ベットから少し離れる医療スタッフ。
私「ハァ~、…ハァ…。」
沙也加(神田沙也加のこと。看護師)「あたしは副艦長にもう一度、命を貰ったから、ここにいるんだよ。もし心配だからという理由だけで、ここにいるのなら、無理しないこと。なんなら歌って、シリウスの家へ連れて行っても、いいんだし。」
私「…(ゆっくり頷くと、また眼を閉じる。)」
ミレア・レイの夢…?実は異空間。
そこにミレアとカノンがいる。
カノン「副艦長、どういう意味だよ。私は次の転生で、スサノオというサイボ-グになって、また戦うんだよね?」
私「だから君はシリウスに貢献してくれた時点で、ワタイと一緒にシリウスへ帰還しているんだよ。その認識ね、あふふ。」
カノン「じゃあ、なぜ地球にいるわけ。病院は日本の病院だったよね。相変わらず闇の勢力も、攻撃を仕掛けてきたじゃない!」
私「ポリポリ、結構洗脳されているわい。そのままじゃあ、また闇の地球へ戻っちゃうよ。」

2024年2月末。
カノンの寝室。
ベットから起き上がる、カノン。
iPadの時計を見る。AM2:33。
カノン「嫌な夢だったなぁ~。まるでミレア副艦長が、いや私が死んでしまうみたいな。」

千葉県いすみ市の大原漁港、大原海岸沖。
海を汚染する油。
海中には、市杵島姫もいて、ポセイドンと向かい合っている。
市杵島姫「お父様、もう我慢出来ませんことよ。よくも私達の海女族を、よくも可愛い魚や海の植物を、ただのものにしてくれた。あっ、やめて父上、私を止めないで!私は…。」
ポセイドン「誰も止めておらん。ふぅ~。お前のお転婆ぶりには困ったもんだ。ミレア副艦長が言っていたぞ。人間界には人間界の苦悩もあるんだから、やたらと手を出すなと。」
市杵島姫「何その言い方!ならお父様からも彼に伝えといてよ!女の子に囲まれるのは自由だけど、私の顔を忘れたのはどうしてですかね!私をカノンの産土神と仰るのなら、大福もち333個用意して、待ってなさい!!」
ふくれっ面して、泳いで離れる市杵島姫。

市杵島姫、海面に向かって。
市杵島姫「(手指で魔法の印等を組みながら)エクスクル-ド、ナビスコヴィ オ-レイ。オズィ-ネタ オ-レイ。我が光を以て、闇よ消滅せよ!」
姫がどの程度、海面のそれを知っていたかはわからないが、明らかに海中からそれを指しながら、強く手を振り下ろした。
その瞬間、海の深いところで発生する、竜巻。
大きくなるにつれて、波を荒くしていく。

同時期。カノンがパソコンの画面を見ながら、波動調整している。
カノン「どう考えても変だ。石油の臭いが止まらない。灯油を使っている実家なら、少しはわかるけど、私の部屋では電気だし…。もしかしたら、霊障でそう思い込んでいるだけとか!」
カノンの寝室。
例によって空間にホログラム型映像が浮かんでいる。
映っているのは、シリウス艦隊のミレア・レイ。
私「巡行艦ア-スラⅡのリンディ艦長からも聞いている。ダ-クライダ-が高次元の光を阻止しようと、マンション周囲で集結し、結構派手に爆音を鳴らしているらしいね。」
カノン「派手なんてもんじゃないよ。もううるさくて、煩くて。まあ選挙の時とか、確定申告の提出時期だからさ。ある程度は毎年のことだけど、今年は特にひどい。何かあるのかなぁ~。」
私「地球人が堕ちるか否か、光の地球へ行くか否かが、春分の日或いは今年いっぱいの生活状態で決まるとあるから、相手側が焦っているのと同時に、絶好のチャンス※と思ってるんよ、きっと。」
※逆にいうと、闇が噴出している今だからこそ、人間をお金と甘い蜜で誘惑すれば、
確実に地獄へ落とせると考えている。
カノン「それよりも石油の件…。」
私「何だっけ?一つはダ-クライダ-(悪魔崇拝者や宇宙寄生体に憑依されている者、サイコパス)。二つ目はその新京成の高根木戸駅付近で自死した霊の影響。…。」
カノン「やっぱり来年以降、日本で生まれる新しい神様を妨害する為、の手段でしょうか?」
私「アラハバキ。マントヒヒの霊神…かぁ…?調査しないとわからん。アラハバキは市原だったよねぇ~。う~ん。高根木戸の霊が灯油や石油の臭いを漂わせているっていうのは、珍回答で無理があるん~!?」

女の子の黄色い声が外へ広がる。
私「だから、そのモチモチしたのを、へっこらほっこり買ってきたのはワタイなのって!」
日奈森亜夢「ね、どうする。」とミレアが持っているカ-ド二枚を取り上げて、美奈子と智代に見せる。
魔法のカ-ドに描かれていたのは、「アガスティアの葉」と「海王星」だった。
智代(一応看護師)「(「アガスティアの葉」の絵に、顔をくっつけると)ああぁっ、吃驚こいたあ~。(とパフォ-マンス如き、大げさな仕草。そしてニヤニヤし、市杵島姫を指さす。)」
その仕草を見た美奈子は、ついつい笑ってしまった。

ミレアの艦船内。司令塔。
運航技官が、メインパネルに登場した人物を見て慌てる。
運航技官「今、すぐに…副艦長を…呼びますから。」
通信技官「格好いい…すね…。映画見たい…。」
運航技官「何してんだよ。早く呼んで来いってば!」
パネルに映っていたのは、長官とまさかのアシュタ-司令官だった。

再びラウンジ。
市杵島姫「阿修羅の分身とカノンさんか…??エッヘン、やっぱり神は私に、より多くの大福もちを与えたもう、なのね。それじゃ、七個では足らないからもう一つと。」
本田美奈子(元歌手・女優。今はミレアを守護)「(微笑みながら、ミレアの肩を何回も叩いて)姫さんは持っているのよ。それに海王星はいいとして、阿修羅の分身である、カノンさんの心を解放したいと言っていたもんね!」
日奈森亜夢「もしかして、副艦長さんて、処女なんですか?」
私「……(汗。)」
なんとなく、市杵島姫の食べっぷりを恐れる、ミレア。
そのミレアは後ろに、大福もち二つを隠しているが…。
それを秘かに奪い取ったのは、やっぱりこの人。
市杵島姫「うへっ。裏インド、よろしくと」と横取りした大福もちを頬張る。
智代(一応看護師)「(それを見て)ああぁっ、吃驚こいたあ~。(とパフォ-マンス如き、大げさな仕草。そしてニヤニヤし、市杵島姫を指さす。)」
私「あれ?ワタイの大福、誰が取らなかった~!??って、こらっ!」
本田美奈子(元歌手・女優。今はミレアを守護)「そうなんだぁ~。ねえ、そんなに甘いのお好きのなら、私がキスしてあげる!(とミレアを押し倒す。)」

そのラウンジのドア前に、到着した通信技官。
通信技官「(独り言)まさか、あの人達に大福もち333個買いまして、なんて言えないっしょ!」
姿勢を正して、6秒くらい待つ。
ミレアの声「ホエ~、亜夢ちゃん、助けてえ~。」
通信技官「(ドア越しで、その声を聞いて)副…ふっ…(と吹き出したまま、堪えきれず)っぁハハハハッ!」とそのまま、ドアを開けて入る。

荒波が打ち寄せる海岸上に、一隻の艦船が投錨している。
その船こそ、天の川銀河方面・シリウス艦隊だ。
司令塔。
ミレア・レイがメインパネルに映る、高級な来訪者を前に、立礼でのぞんでいる。
ミレアのみならず、二人の技官もやや緊張気味だ。
アシュタ-司令官(宇宙連合艦隊)「女、久しぶりだな。今艦隊は、どこにいる?」
私「千葉県の大原町という、海岸沿いにいます。事前に情報がありましたので、ここに来ました。」
アシュタ-司令官(宇宙連合艦隊)「大原?そちらの船に乗っている海の魔導師が存知ているかもしれないが、コロナウイルスとワクチンを作って、DSと取引しているグル-プが、そこら辺を拠点としているようだ。女の耳にも入っているか?」
ミレア、運航技官に近づいて…。
私「(運航技官に)市杵島姫のことだよね!?」
運航技官「多分そうだと思います。ということは、ワクチン業者が裏で、生命倫理を破壊するような薬物混入や遺伝子実験、臓器売買を繰り返しているという件を調べている、テレパスの北沢朝子さんも、実際のところは姫と一緒に行動しているのでしょうか?」
惑星管理局長官「(隣にいるアシュタ-司令官の方を向いて)ミレアくん、君の情報というのは何かね?」
私「どうしよう!そんな立派なものはないな。長官、強いて言えば、海洋資源のブランド化という名目の、利権と女です。えっと、消えた村!!」
アシュタ-司令官(宇宙連合艦隊)「それで、海を見張っているわけだな。」
そこへ美奈子が、息を切らしながら走ってきた。
本田美奈子(元歌手・女優。今はミレアを守護)「副艦長、大変です。イチヒメ様が!!」

船内通路を駆ける、ミレア達。
市杵島姫が、動く歩道(降船用)付ハッチ近くで立っている。
ハッチを開けて、出ていこうとする市杵島姫。
市杵島姫「……。」
ミレアの声「ダメだ。行っちゃ、ダメだよ!」
市杵島姫「(後ろを振り向いて)もう!イィ~だ。(声量を落として)そんなの知らん。」
そこには、ミレア・レイそして、心配そうに見つめる美奈子の姿があった。
私「(小窓を覗いて)姫、外はまだ寒いぞ。大福もちはまだ、たくさんあるからさ。(嬉しそうに)みんなで美味しいもの食べて、温まってから出かけても、いいじゃん。なっ、美奈子!?」
本田美奈子(元歌手・女優。今はミレアを守護)「うっうん、そうそう…。」
市杵島姫、クルリと回ると、再び二人に背を向ける。
「(独り言。周囲に漏れない。)おのれ、ミレア。大福もちで釣るとは…。」という市杵島姫、すぐにテンションが変わり、
市杵島姫「(独り言)なんちゃってね。……副艦長さん。…人間にとって友達や子供が大切なように、あの海にも私達の仲間、子供達が一杯いるの!だから私は、(大切なみんなを守る為に)ゆきます!」
タメ息をつくミレア。
そのミレアがカバンから、小袋とジュエリ-ケ-スを取り出す。
私「(ジュエリ-ケ-スをゆっくり開けながら)困ったもんだわい、君は。」
ケ-スの中には、コッパ-ピンクオパ-ルの剣があり、その一部がジュゴンを模っている。
私「(その剣を出しながら)この剣はカノンさん、正確には地球の女神テラと暮らしている始くんの前世霊、ヘーパイストスにお願いして手に入れた、オリハルコンという剣なんよ。ム-王国やレムリアの復活を願う、海女族の姫巫女達はいいと思うけど、アトランティスの生き残りでシカ-ルと組んだ悪党どもが、今後どんな汚い方法で妨害してくるか、わからない。勿論惑星連合艦隊は君達を守る為に動くけど、これがあれば何とかなるから、持っていきなさい。」
市杵島姫「伝説のオリハルコン…。」
私「あと、この袋には(と小袋を開けて)、ジャジャーン。イチヒメが大好きなイモ餅も入っていま~すぅ。」とイモ餅を本人に見せる。
市杵島姫「(涙でウルウル)……。」
本田美奈子(元歌手・女優。今はミレアを守護)「本当にいつの間にか、だよね!副艦長さんは!」
海へ向かって走る、市杵島姫。そのまま飛び込む。

シリウス艦隊が海を見下ろしている。
同年2月29日夜。
ミレア達もまた、メインパネルに海を映して、監視していた。
通信技官「(レ-ダ-を見ながら)あれっ?(歌うように)浮かんで浮かんで…。じゃなかった、あれは回ってか。副艦長、何か船のようなものが…。」
私「よし!地点を拡大しろ!」
海面に突然、浮上した船。
私「何だ、あれは!??暗くて、よく見えないな。」
運航技官「掘削船っぽい。副艦長、どう思いますか?」

同時刻。カノンが疲れた顔で、自分の部屋に帰ってきた。
自身の邪念を手放す、カノン。
カノン「今日は疲れたぁ~。それにしても、取り敢えず、お父さんが復活してよかったあ!」
コ-ヒ-タイム。
カノン「やっぱり臭い。灯油いや石油臭い!早朝、高根木戸駅付近で人身事故を起こした霊と関係あるのかなぁ~。」
とその時、またしても複数のダ-クライダ-が爆音鳴らして、マンション前にやってきた!!
カノン「本当に鬱陶しい。これって、完全に攻撃だよね。…もしかしたら、石油って、部屋の中じゃなくて、海の中の話?そうか、私が海女族だから、海を汚染されて助けを求めているのかもしれない!!??」
同日 18時35分ごろ 千葉県東方沖を震源とする、マグニチュード4.9の地震が発生。

米国・ニュ-ヨ-クのとあるビルの一室。
アルケミ-スタ-ズ地球分析センタ-。
J氏(惑星連合認証メンバ-・女性)「また、こんなにミレア副艦長から入電があるわ。(と文章が書き込まれている配信画面に近づく。)ふふん。フムフム。」と、U子に近づく。
U子は、なぜか小さな紙を持っているようだ。
J氏(惑星連合認証メンバ-・女性)「(一瞬、見上げるような仕草をしてから)ちょっとごめん。」と小さな紙を取り上げる。
U子「あっ!」
U子の肩に手を置き、グウっと引き寄せるY氏。
Y氏「(U子の耳元で)向こうに、コ-ヒ-とベイクドポテトがあるから…。ゴ-!」と背中を押す。
小さい紙には中華人民共和国の「海洋地質2号」の写真コピ-と、支援する米国政府の情報が、所狭しと記されていた。
J氏(惑星連合認証メンバ-・女性)「(紙面を読みながら、Y氏に)もしかしてこれも、共和党議員から?」
Y氏「まあそんなところだろうな。まったく地震王国日本になる前に、俺はカラクリをバラシて、腹一杯うなぎを喰いたいよ。」
J氏(惑星連合認証メンバ-・女性)「なら請求書は、惑星連合でね!」
C氏、そこへやってきて、
C氏「まだまだ寒いねえ~。あのさ、たかが数件の情報程度だけど、シリウス艦隊の推測の通り、セブン&何とかっていう所のトップが、これに絡んでいるみたい。」
J氏(惑星連合認証メンバ-・女性)「わお!…じゃあ、私は副艦長に、この件電話で伝えておくわね。」

同3月2日午前中。千葉県船橋市内のカノンの部屋。
朝の身支度。
カノン「あれ?誰か、いるみたい…。」
母方の祖父(始くんのおじいちゃん。霊。)「(この場合はカノン=始くん)始さん、始さん!」
カノン「ごめん、じいちゃん。今忙しいんだよ。」
ダイニングル-ムへ移動するカノン。
そして、その部屋に武将・正勝の霊が…。
武将・正勝の霊「(カノンに対し)拙者、蜂須賀小六と申す。…。」
カノン「(心の声)蜂須賀…。なんか大河ドラマで聞いたことあるな。ちょっと…。」とスマホで検索する。
結果を見て、カノンの瞳がランランと輝く。
カノン「(心の声)本当かよ!立派な武将じゃん!」
武将・正勝の霊「(カノンに対し)家の者が大変な迷惑をかけたのだ。よってこの通り、(と丁寧に頭を下げる。)謝りたい!!」
カノン「いや急に言われても…。小六様!でいいのかな?それは先月29日に亡くなられて、父に憑依された方のことを言われているのでしょうか?」


☆★次回はカノン編で補足説明いたします。