みなさん、こんにちは。
私、意外と趣味が読書でして、
多いときは月に7,8冊読みます。
よく読むジャンルはミステリー、歴史もの、SFものといったところですが、
経済ものや文学的な名作を読んでみる事もあり、
これまた意外と幅広いんです。
ミステリーは、東野圭吾さんの作品にはまった時期がありまして、
デビュー以来の著作は、おそらく全部読んでいると思われます。
歴史物は、三国志が好きで、何人かの作家さんが出している三国志を読み比べてみたり、2度3度と読み返してみたりしています。
自分が読んで印象に残っている作品が映画化されると、
やっぱり気になってしまい、映画館も一人で観に行くこともあります。
映画館の大きなスクリーンで観る映画は、
やっぱり迫力がありますし、DVD等で観るのとは断然違います。
先週の週末、 『PLAN75』 という映画を妻と一緒に観に行きました。
この映画、あらすじは妻から聞いてはいたのですが、
実際に観ての感想は、、
恐ろしくて、衝撃的で、考えさせられる映画でした。
超高齢化の進んだ日本政府は、
天井知らずの医療・福祉費の抑制のために、
そして労働力人口の減少により、
のしかかる若年層への各種負担を減らすために、
75歳以上の高齢者に対して、自主的に死を選択できる制度を創設します。
特別手当を生前に支給する、
亡き後の供養の確約、
申し込みから死までの間の、さまざまなサポート体制の用意などをして、
制度利用を”後押し”していく政府。
倍賞千恵子さんが主演を演じる78歳女性は、
夫に先立たれ、理不尽にも職を無くし、
低家賃の団地にも居られなくなるという境遇の中、
けなげにも”もう少しガンバって生きていきたい”と願うのですが、
厳しい現実を突きつけられて、
ついにはPLAN75の申し込みをする決断をします。
登場人物に、
役所の PLAN75担当窓口で働く青年。
介護の現場で働いていたが、より高給な仕事として
PLAN75に関わる遺品整理を始めるフィリピン人女性、
PLAN75申し込み者の話し相手になって
より確実に最期まで誘導していくコールセンターの女性。
どの人たちも社会の、制度の歯車となって職務をこなし、
自分の生きるための糧を得ている人なのですが、
死にゆく高齢者たちとの交流や、
職務を重ねるうちに見えてくる矛盾や闇の部分に、
これで良いのか?と、疑問を持ち始めます。
やがて倍賞美津子さん演じる主人公も、
最期の時を迎えるのですが、果たしてその結末は・・・
この映画の脚本は、若手女性脚本家の 早川千絵 さんです。
早川さんは、PLAN75の脚本を手掛けるきっかけになった
出来事として、2016年に発生した
神奈川県の障がい者施設”やまゆり園” での大量殺傷事件を
挙げています。
”重度障がい者は、生きているだけで社会に何の貢献もしないばかりか、
私たちの血税を多額消費し続けるだけの迷惑な存在”
と犯人は主張していました。
生きていることは罪なのですか?
だれの役にも立てない存在の人間っているんですか?
という根源的な倫理観が日本で薄れてきていることを、
早川さんは感じたそうです。
私たちモナークケアでも、生活保護の高齢者の増加は、
毎日の仕事の中で常に感じていることです。
そういった方々に支払われている公費、給付といったものの
金額が少なくないこともよく分かっています。
同一の国家、社会の中で共存している人間ですから、
お互いに支えあい、協力し合ってこその自分の生活であり、
社会の一員としての役割なんだと思います。
かなり衝撃的な映画でした。
リアリティーの高い映像、描写が、ひょっとしてこんな制度が
日本でも始まるのかも・・・ と思わされます。
ありがとうございました。