(海外在住、北米某国)
長文
ネット上の日本の図書館で、昔のサブレやクッキー、ビスケット等のレシピを見ていました。
子供時代の味を再現するには当然昔のレシピでないと出来ないだろうと思ったからです。
見ているとおもしろくて、もっと古く明治までさかのぼってみました。
ざっとですが、
現代のサブレは バター、砂糖、小麦粉の比率が 約 1:1:2ですが
古くなるにつれ バターの割合がぐっと低くなるようです。
まず1959年までの料理の本は尺貫法ということです。
ネットからの情報をまとめますと
・ 匁 文目 もんめ は 3.75g 5円玉1個当たりの重さが1匁
・ 勺 しゃく とは 1合の10分の1。約0.018リットル
・ 斤 きん とは
1.
尺貫法の重さの単位。普通、一斤が一六〇匁もんめ(六〇〇グラム)だが、計る物によって
一二〇匁・一八〇匁等、多少違いがある。
2.
食パンの(かたまりとしての)量を表す語。(元々は450gを1斤としていましたが、現在で
は “340g以上” となっています)
3.
舶来品 (輸入品) に対しては、1ポンドに近似する450gの数値を斤 ( “英斤” ) として使って
いた。パンやバター、洋紙などが、“英斤” を基本単位に使っていました。
・ 一分 曲尺 約0.303センチメートル 鯨尺 約0.378センチメートル
一寸 曲尺 約3.03センチメートル 鯨尺 約3.78センチメートル
鯨尺(くじらじゃく)和裁 きもの
曲尺(かねじゃく)大工さん使用
・ 瓦 =グラム
糎=センチメートル
粍=ミリメートル
★ サブレーのコツ:
出来るだけ練らないようにし、サックリ混ぜることを心がける。
室温で柔らかくしたバターは泡だて器で混ぜたら砂糖を加え混ぜ、
その後、ふるった粉類を加え、ゴムベラをたてに使ってサックリ混ぜる。
● 西洋料理教科書 桜井ちか子 編
紫明社 明43.4 1910年
(出典、国立国会図書館)
クッキーズのことでしょう(?)
「焼粉」とはベーキングパウダーのようです。
● 料理の手引 石井よし 編
石井よし 明43.12 1910年
(出典、国立国会図書館)
「にくづき」は にくづく=ナツメグのことだと判断しました。長径2.5センチほどの卵型
だそうです。
目は文目 匁 約3.75グラム でしょうか。
1分5厘=4.545mm
■ こちらの明治時代のレシピのビスケットを作ってみました。
まず、自分なりにグラムに置き換えてみました
(ここからして何か間違っているかもしれませんが)
砂糖 375g、小麦粉 1125g、卵 6個、バター半ポンド 225g、ナツメグ半分 卸す。
牛乳 ?
これを少量作ってみました。
(10分の1)
砂糖 37g (ブラウンシュガー)
小麦粉 112g (ポーランド小麦タイプ500)
卵 白身 1個 (約30g)
バター 22g 無塩なので塩を少々加えた。
ナツメグ粉末 少々 小さじ7分の1位
牛乳(2%) 少々 大さじ3.5。4だと多すぎでした。
バターは小麦粉に対して20%弱です。
340度Fで18分、試したら まわりは妙に硬いけど、中は柔らかいので生焼けを
心配して、裏に返して3分焼きました。そしたら中まで火が通りましたが。。。
表面が変に硬いです。
味は大丈夫だけど テクスチャーがクッキーでもビスケットでもありません。
小気味良いサクサク感やざくざく感、又はカリッ!もないです。
お好み焼きのタネに砂糖を混ぜて、忘れてたら焼けてた感じです。
バターが少なすぎるのではないでしょうか??(素人考えかもしれません)
それとも、単に私の作り方がまずくて練りすぎたのでしょうか。
卵Mの白身を1個分しか(それも泡立てないで)使わなかったけど、もう少し
増やしていたら良かったかしら?
石井先生、うまく再現できなくてごめんなさい(と言いたいです。)
失敗でした。
● 手軽に出来るお惣菜の拵へ方 東京割烹講習所 編
天玄堂 大正15
(出典、国立国会図書館)
《引用》
サブレー
材料
バター大さじ1、砂糖大さじ8.卵の白身7個、卵の黄身1個、
メリケン粉2斤(英斤2ポンド? 900グラム) 《引用終わり》
(10分の1)
バター 大さじの10分の1 砂糖 12g 卵の白身 少々
メリケン粉 90g
料理をする女の人なら和裁の鯨尺の方が身近なはず ということで
一分 3ミリから4ミリの厚さ
長さ一寸 4センチ弱
幅八分 3センチ位 と想像します。
このサブレーのレシピですが、バターの分量がかなり少なく感じます。
● 欧風料理の基礎 中村勝三, 川野セチ 著
光生館, 昭14 1939年
サブレー
〔材料〕
バタ40瓦(グラム) 砂糖100瓦 卵1個 小麥粉200瓦 B.P極少々
振り粉少々 塗り卵(卵黄·水少々)
〔方法〕 一部分
バターをどこまでか増やせばいけるかも?
ただし「長方形に切り、網目に筋をつけ」というのは私が食べたのと同じ形です。
でも、もう少し大きかったような。
● ビスケット 婦人之友社 編
婦人之友社, 1952 昭和27
《引用》
仕上げの色を濃くしたい時には少し砂糖を加えます。サブレーのように特に强く色
をつけたい時には黄味の中にほんの少し醬油をたらしてつけます。
サブレー
材料
粉 六〇匁(225g)
バター 三〇匁(112g)
砂糖 二〇匁(75g)
卵黃 二個
ベーキングパウダー 小匙半杯
香料
てりのために卵黄と醬油少々
ボールにバタを入れて泡立器でクリーム狀になるまでねり、その中に
砂糖を加えてよくすりまぜます。砂糖がとけてよくまざり、白つぽく
なつて來た時に、黃味を入れてなおよくまぜ、好みの香料を數滴たら
します。 (中略)
五ミリ位の厚さにとゝのえます。形はすじの入つたサブレー型でぬき
ますが、型がない時は長方形に切りパイ車か庖丁の脊で少し深目のす
じをつけます。サブレー型を用いる時はすじがくつきりとつくように
しつかり押しつけます。天板にならべてからてりをつけます (中略)
こちらの戦後の御本には、すごい情報がありました。
・「サブレーのように特に强く色をつけたい時には黄味の中にほんの
少し醬油をたらしてつけます。」 追記 → しかし私は上手に出来ませんでした。
私が少々の渋みや苦味があるように感じたのは、テリに 現代のレシ
ピのコーヒー、というよりは醤油が入っていたからかもしれません??
・「形はすじの入つたサブレー型でぬきますが、型がない時は長方形
に切りパイ車か庖丁の脊で少し深目のすじをつけます。サブレー型を
用いる時はすじがくつきりとつくようにしつかり押しつけます。」
「筋の入ったサブレー型」というものが売られていたようです。
やはり、長方形で深めの筋が付いていたようです。私が頂いたのもそ
んな見た目でした!ネットで検索しても現代には無いようです。現在
のフランスの写真では円形に筋が入ったものが多いようです。
・ こちらのレシピの材料では、バターは粉の半量ですから、この通
りに作ると現代でもおいしく頂けそうですね。
● お菓子 : 絵でわかるCooking Book 岡松喜与子 著
婦人画報社, 1961
《引用》
サブレー
粉2カップ、B·P小さじ1/3、バター100g、砂糖1/2カップ、卵黄2コ分、エッセンス2~3滴、
つや出し(卵黄、醬油、砂糖、水各々小さじ1) 《引用終わり》
この頃の1カップは今の200ccとは違って、180cc(1合)かもしれませんが??
よくわかりません。
ネットからですと 薄力粉1カップ=約100g とあります。(自分で実測していませんが。)
そうすると、粉は約200gで、バターは粉の半分で、現代のレシピと同じ感じです。
つや出し(卵黄、醬油、砂糖、水各々小さじ1) とあります!!
追記 → しかし私は上手に出来ませんでした。
● 私の料理
江上トミ 著 柴田書店, 1962
《引用》
サブレー・ドゥ・トウルヴィール (Sables de trouville)
材料 メリケン粉 二〇〇グラム バター 一五〇グラム 砂糖 一二〇グラム 卵黄み 三個 香料 《引用終わり》
こちらの江上先生のレシピでは、バターの量が多いですね。砂糖も多くて、
とてもリッチな味になりそうです。
1962年にSables de trouvilleとは、お洒落です~~
_______________
ふるった粉類を入れゴムベラでさっくり混ぜまとめます。
縦に切る感じ。
ラップに包んで麺棒で全方向から伸し、冷蔵庫へ。
型抜きしてテリを塗り、フォークでラインを描き
オーブンペーパーを敷いた天板に載せ
340度F 中段で18.5分 → 焼く時間長すぎ?
が~~ん!
期待していましたが、出来上がりの見た目はきれいではないです~
再び 焼きムラが酷いですw
これを出されても、お客さんは嬉しくないのでは(涙)
向かって右のビニールに入っているものは前回のです。↓
前回の方がラインが白く出ました。
アーモンド粉が入ってなかったからでしょうけど。
ただし、味はOKでした。
前回までの バターが粉に対して約50%という現代のレシピだ
と、お味が普通に現代風にリッチ過ぎるので、減らしたかった
のですが、その点はうまく行きました。砂糖を減らしたのも良
かったです。
味は前のより「リッチではない」ので、狙い通り「少し昔風の
もの」に後退しました。
ただし、幼少の私が感じた、甘い以外の「苦味のようなもの」
は出ませんでした。「醤油」に期待したのですが。。。
そして、とにかく、見た目、表面のテリが深い茶色に白くライ
ンがくっきり出てほしいのですが、上手く行きません~~~
追記、テリ用に黄味に醤油をたらすのは、数回試しましたが
私は上手く出来ませんでした。













