ヨーロッパの婦人科腫瘍学会ESGOと患者団体ネットワークであるENGAGe開催の患者向けセミナーSexual Health Webinar 2 に参加しました。

事務局がチェコのプラハにあるので開催はプラハ時間で10 月8日PM7:30から。
日本時間で10月9日AM2:30開始で、終わったのはAM4:17。
毎度のことながら時差がとっても辛かった。
(さっとお夕食たべてお風呂はいって9時就寝。深夜1時半におきて立て続けにコーヒー飲んでPCに向かいました)
内容は5月に開催された婦人科がん治療後のSexual Health (セクシャル・ヘルス/性的健康)の続き。5月が精神的心理的側面からのアプローチだったので、今回は身体的な側面からのアプローチ。
このテーマについては3年前にASGO、ESGO、ENGAGe共同で大規模な患者調査を実施。すでにESGO&ENGAGeでは2タイプの患者向け啓発冊子も作成してきた。そうした活動を踏まえての今回の患者向けセミナーとなったそうです。
(5月の時点では9月のGODAY=世界婦人科癌啓発デーにあわせて開催するとのことだったのが、10月にずれ込んだのだから、やはり準備が大変だったのでしょう)
プログラム構成は
① Kathrin Kirchheiner(オーストリア)= 最も一般的な副作用に対する性学的介入
②ゾイア・ラズモワ(スウェーデン) =婦人科がん後の親密さ テストステロンの役割を探る
③László Ungár (ハンガリー)=膣再建手術
④ リチャード・トース (ハンガリー)=フォローアップケアと治療
そもそも日本では治療後の婦人科がん患者に対する「Sexual Health 」という概念がないので、とても貴重で刺激的な内容でした。
驚いたのはヨーロッパやオーストラリアでは治療後のホルモン補充療法としてエストロゲン単剤だけではなく、タブレット型のテストテロン補充を併用することもあるということ。
テストテロンとはいわゆる男性ホルモンのことです。アメリカでは長期の安全性が不明ということで婦人科癌患者への投与は適応外。もちろん日本でも適応外です。
また外科的膣再建ー腹直筋皮弁から再建するケースが多いが、再建後の膣に癌が発生するケースもあるのでフォローアップは注意が必要と。これにもびっくりしました。
どの講師も身体的な側面からのアプローチといいながら、つねに患者に対して心理的な支援が行われる必要性があると強調していたことも印象的でした。
またスウェーデンのドクターがしめくくりに「このウェビナーを受講すると、ドラッグストアで売られているサプリメントや健康食品を購入したくなるかもしれないが、まずは医師の指導にしたがうべきです」とクギをさしていて、癌患者ってどこの国も同じなんだなーと妙に納得。
司会・進行はハンガリーの患者団体代表であり子宮頸癌サバイバーのキャサリン・トース。ENGAGeにはいくつかの委員会があるそうで、彼女はQOLプロジェクトのリーダーを務めているそう。講師のドクターたちもオーストリア、スウェーデン、ハンガリーの各国から参加しており、とても国際色豊かで勉強になりました。
うれしい