画期的な乳がん治療薬として知られる「エンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン)」。
乳がん患者にはおなじみの抗体薬部複合体(ADC)です。
日本では胃がん、肺がん治療にも使われています。
そんなエンハーツが、HER2陽性の複数の固形がんへの横断的適応が、米国FDAに申請されました。
緊急性審査終了目標日は今年5月30日。
承認されれば癌種を問わず使える、初の抗HER2療法となります。
公表された資料を読むと、
2023年10月開催の欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2023)で発表された、前治療歴のあるHER2発現の進行性固形がん(胆道がん、膀胱がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、卵巣がん、膵臓がんおよび希少がん)患者を対象とした第2相臨床試験(DESTINY-PanTumor02)や、HER2過剰発現等の切除不能・転移性非小細胞肺がん患者を対象とした第2相臨床試験(DESTINY-Lung01)、HER2陽性の切除不能な進行・再発大腸がん患者を対象とした第2相臨床試験(DESTINY-CRC02)等の結果に基づくものです。
ちゃんと子宮頸がん、子宮内膜がん(子宮体がん)、卵巣がんも含まれています。
今回の申請根拠となったDESTINY-PanTumor02によると、無増悪生存期間の中央値6.9か月、全生存期間の中央値13.4か月。
婦人科がんの全生存期間の中央値を抜粋すると、子宮頸がん=13.6か月、子宮体がん=26か月、卵巣がん=13.2か月です。
HER2検査をして陽性でないと使えないお薬ですが、かなり期待ができそう。
現状、遺伝子パネル検査をうけてHER2陽性と判明しても、タイミングがあわないとエンハーツに到達できないことがままあります。もし癌種に関係なく早い段階でエンハーツが使えるようになったら、きっと恩恵を受ける人がいるはず。
早く日本でも承認手続きがはじまるといいのだけれど。。
monのmy Pick