『幸せな結末 ~Happy Endは延長戦~』 | 泥酔天使の超泥酔天獄

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妄想が止まらず感情が昂った時に書きます。

『幸せな結末 ~Happy Endは延長戦~』

 

宇宙ネコ・ゼータの妄想小説の完結編

れにちゃんっぽい娘も出てきたり...

幸せはいつまでも続かないものなのか?

その答えがここにあるとかないとか

 

 

●登場人物

西条レイ:横浜市在住の中学二年生の男子。

野球部。

女性アイドルブループ・HEAVENZのれな推し。

ケンヂ:レイの叔父。現在、東北に在住。HEAVENZのれな推し。

ゼータとナオミだけが「ケン」と呼ぶ。

ゼータ:ケンヂと同居している特殊能力を持つ宇宙ネコ。HEAVENZのれな推し。

取り外しのできるツノを持っており、装備することで飛ぶことができる。

グミとチョコレートとパイナップルが好物。

ナオミ:ケンヂの恋人だった。行方不明だったがいろいろあって現在ゼータの意識の中に同居中。

西条カコ:横浜市在住。レイの母親でありケンヂの姉。あだ名はカーコ。

HEAVENZ:国民的人気の4人組アイドルグループ。

高田れな:HEAVENZメンバー。担当カラーは紫。冒険家と結婚し世界中を冒険中。ライブがある時に日本に帰国する。不定期放送のゲリララジオ番組「パンチDEハッピー」のパーソナリティーで年に1回、ソロコンを開催。

千田かんな:HEAVENZのリーダー。担当カラーは赤。アスリートと結婚。アイドルと子育て両立中。

遠藤しおん:HEAVENZメンバー。担当カラーは黄色。独身。女優兼モデル、バラエティータレントとしても活躍。

渡辺ありさ:HEAVENZメンバー。担当カラーはピンク。既婚、夫は専業主夫。ソロアイドル、女優、モデル、手話番組、アイドルプロデューサーとしても活躍。

大葉モモノスケ:東北に住む中学二年生男子。

あだ名はモモ。

野球部。HEAVENZのかんな推し。

河上アキラ:ロサンゼルスのジュニアハイスクールに通う男子。ニックネームはAKILLER。野球部。HEAVENZのありさ推し。

大葉モモタ:モモノスケの兄。

チャミ:宇宙ウサギ。元々はれなが拾った。

今はレイの家に居候中。

麻宮れに:謎の鉄仮面少女。今はHEAVENZのSP。

 

 

●第1章 ケンヂとゼータ

 

2023年12月、東北地方のある田舎町。

 

「大谷、ドジャースに移籍したってよ」

茶の間でテレビのニュースを見てオレはゼータに声をかけた。

「へー。じゃーロサンゼルスのままなんだ。AKILLER、ホッとしてるんじゃね」

縁側でひなたぼっこをしながら新聞を読んでいたゼータが顔も上げずに応えた。

 

アメリカ・メジャーリーグ、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が、ロサンゼルス・ドジャースにFAで移籍した。

甥っ子・レイの友達のAKILLERはロサンゼルスに住んでいる熱狂的な大谷ファンだ。一時、大谷がトロント・ブルージェイスに移籍するとの噂が流れ、AKILLERが大騒ぎしているとレイが言っていた。

 

「大谷、すごかったな」

「あー、すごかった。でもずいぶん昔のことに感じるねえ」

 

今年の3月、オレたちはお正月に草野球で対決したアイドルグループ・HEAVENZに招待され、日本で行われたWBCの試合を観覧した。しかも盛り上がりに盛り上がった準決勝と決勝戦だ。

 

元々はHEAVENZと草野球をして勝利したら、ロサンゼルス・エンゼルスの試合に招待されるはずだった。

しかし引き分けだったので日本で開催されたWBCに招待された。

初の海外旅行には行けなかったがオレたちにとってはその方がよかったのかもしれない。

 

「ケン、アレある?」

「またかよ、オマエ食い過ぎだぞ」

そう言ってゼータに「パインアメ」をひとつ、ポンと放り投げた。パインアメはゼータの最近のお気に入りだ。

 

 

「ネコって本来、チョコもグミもパイナップルも食べちゃダメなんだよな?」

「オレは宇宙ネコだからな。そんなのカンケーねえ」

「この前、野良ネコにチョコをあげようとしたら、近所の人にめっちゃ怒られたぞ」

「地球のネコは不憫だねえ」

 

「ところでさ、オマエの右目、紫色になってないか?」

「そう?」

ゼータは顔を上げずにこたえた。

 

左右の目の色が違うのを「オッドアイ」というらしい。

出会った頃のゼータの目の色は両目とも黄色だった。

それが少し前から右目だけが淡い紫色に変わってきていた。

 

 

「それってオマエのツノと関係してるのか?」

 

ゼータは取り外し可能なツノを持っている。

ツノを装備すると空を飛んだりできるが、普段は外してその能力を封印している。

一度能力を使過ぎて消滅してしまったが、また再生していたらしい。完全に再生するにはあと2年くらいかかるそうだ。

 

オレの質問にゼータは答えない。

 

「ナオミはなにか知ってるの?」

 

ゼータの中には、オレの恋人。ナオミの意識が同居している。

ゼータが答えないのでゼータの中のナオミに聞いてみたが、ナオミの返事もない。

 

ゼータの方を見るとゼータは空を見上げ何かを考えているようだった。

 

最近、ゼータの中にいるナオミとの会話が少なくなってきていた。少し前に北海道で赤いオーロラ観測されたニュースの時が最後だ。その時以来、話しかけても返答がない。

 

「実はツノの再生が順調すぎるくらい順調なんだ」

茶の間に移動してきたゼータが少し難しそうな顔つきで言った。

 

「それはいいことなんじゃないのか?」

「うん、まあ」

ゼータの歯切れが悪い。

「あとどの位で完全再生するんだ?」

「2週間くらいかな」

「ん!?そんなに早いのか?」

「地球の食べ物があってるらしい」

「本当かよ。ツノが完全再生したら、旅立つのか?」

ゼータに聞いた。

 

「どうしようかな」

「そういや、オマエの旅の目的ってなんなんだ?」

「言ってなかったか。家出した母ちゃんを探すためだ」

そう言ってゼータは母親の写真を見せてくれた。

ゼータの母親は銀色の気品がある淡い紫色の目をしたネコだった。

 

 

「全然、似てないな。でも綺麗なのはわかる」

「ああ、母ちゃんはべっぴんさんで有名だからな」

「ところで、それ『WANTED』って書いてあるけど...」

「宇宙では『べっぴんさん』って意味なんだ」

絶対、嘘だろ。

 

ゼータの話によると酒癖の悪いゼータの父親に愛想をつかして家出したとのこと。

 

「母ちゃん、探したいのか?」

「まあな。母ちゃんは一人にしておくとやばいタイプなんだよ」

「じゃあ、答えは出てるじゃん。行けよ」

 

『でも、それじゃ...』

 

脳内に直接声が聞こえてきた。

ゼータの中にいるナオミの声だ。

久々に聞いた。

 

そう、ゼータが旅立てば、ゼータの中にいるナオミともお別れだ。オレはナオミの声に気づかないふりをした。

 

 

●第2章 ナオミの気持ち


『超お久しぶりです!神出鬼没のレディオビーナス・高田れなの不定期ゲリララジオ「パンチDEハッピー」、半年ぶりの放送ですが皆さん、私のこと覚えていますか?最近はクリスマスライブの練習と来年のソロでの主演舞台の稽古で煮詰まっているので、気晴らしに放送をしたいと思います!では、早速このメールから。ナオミ・フェニックスさんからのメールです』

 

「れなさん、こんにちは。6月に行われた南極での生誕ライブ、参加することができず申し訳ありませんでした。ありとあらゆる方法を使いなんとか行こうとしたんですが、途中で密航がバレ、強制送還されました。会場に着いたのが6人と聞き、自分のふがいなさが悔しいです。れなさんのライブを南極のオーロラの下で見たかったです」

 

『いやーナオミ・フェニックスさん、ごめんなさいね。どうしてもオーロラの下でライブがしたくって...。でもさすがに今回は反省したのよ。やっぱり南極でのライブは無謀でした。でも来たのは6人じゃなくて8人ね。2人会場の外で倒れていたから。ブリザードの影響で、観光クルーズ船が上陸できなくて、配信もうまくいかなかったし。会場に来てくれた8人がどうやって南極まで来たのか怖くて聞けませんでした。

まあ、その話は置いておいて、ナオミ・フェニックスさんのメールの続きを読みます』

 

「一度離れ離れになった恋人と復縁したのですが、事情があってまた離れ離れになります。復縁した時から覚悟はしていました。きっと彼も...だからさびしいけどこの現実は受け入れようと思います。そもそも復縁できたのが奇跡ですから。それでも誰かに聞いて欲しくてメールをしました」

 

うーん、難しいですね。詳しい事情がわかりませんが文面からするとお互い嫌いになったわけではないようですね。ならきっとまたいつか一緒になる機会はあるでしょう、どんな形であれね。

そう自分に言いきかせることで道が開けることもある、そんな風に思うんですよ。大事なのは現実がどうかではなく、そうだと信じて生きていくことだと思うんです。一度奇跡が起きたなら、もう一度奇跡が起きてもいいんじゃない?そんな考えは強欲でしょうか?でも自分の人生なんだから。

離れ離れになるのがわかってるのなら、それまでの間、いっぱい思い出を作りましょう。お互い忘れられないほどいっぱいの思い出を。やれることをやって...そうしたら、きっと...。


そんなナオミ・フェニックスさんにはワタシからこの曲を贈ります。ももいろクローバーZの「MYSTERION」』

 

何かを信じ続けるって

ほんとはとても難しいんだ

矛盾すらも受け入れて

世界のカタチを変えるんだ

 

誰より幸せでいたいと

願って祈って得られるものは何だ?

ただ笑顔でいて欲しいと

歌い踊り 愛を叫ぶよ

 

荒削りでも! ここに誓います!

どんな自分でも嫌いになりはしないと Right?

寝ても覚めても忘れはしない

君と僕との約束を

 

 

 

『続いてもう一曲、チャットモンチーの「シャングリラ」!』

 

シャングリラ 幸せだって叫んでくれよ

意地っ張りな君の泣き顔 見せてくれよ

シャングリラ まっすぐな道で転んだとしても

君の手を引っ張って離さない 大丈夫さ

 

あああ 気がつけばあんなちっぽけな物で

つながってたんだ

あああ 手ぶらになって歩いてみりゃ 

楽かもしんないな

 

胸を張って歩けよ 前を見て歩けよ

希望の光なんてなくったっていいじゃないか

 

 

 

 

縁側に置いたラジオから聴こえる楽曲を聴いてナオミは嗚咽した。

 

 

●第3章 ゼータの気持ち

 

さて、どうしたものか。

ケンは、母親探しの旅に行けと言っていた。

ツノは予想より早く再生したから、母親探しの旅を続けることはできる。

 

でも、それでいいのか?

 

旅に出ることはケンとナオミの別れを意味する。

自分の命の恩人に対してそれでいいのか?

自分の中でナオミは落ち込んで泣いていた。

今は落ち着いてるようだけども。

 

何よりも一番の問題は自分の中からナオミが消えようとしていることだ。

 

ケンに指摘されたが、最近右目が淡い紫色に変わった。

でも正確にいうなら「紫色に戻った」のだ。

オレの目の色は元々淡い紫色だった。

ナオミの意識を体内に取り込んだ時になぜか両目が黄色に変化したのだ。

 

目の色の変化は、恐らくナオミの存在と関係している。

右目の色の変化とともに体内のナオミの存在が薄れていっているのを感じていた。それは自分だけではなくきっとナオミも感じているはずだ。

 

恐らく左目も紫色に戻った時、自分の中からナオミが消える。

 

だとするなら、ケンとナオミに説明してナオミが消えるまでの間、ケンと過ごし、その後に母ちゃん探しの旅を再開するのが一番いい選択だ。

 

でも...本当にそれでいいのか?

 

 

●第4章 ナオミの気持ち②

 

ゼーちゃんが悩んでいるのがはっきりと伝わってくる。

答えは出ている。

元々ゼーちゃんを救助するため海に飛び込んだ時に失った命だ。

 

後悔が残ったケンとの別れだったが、ゼーちゃんの中で生きることでケンと再会することができた。

ゼーちゃんが3年かけてケンを探して見つけてくれた。

 

ケンもワタシを探すため引越しし毎日砂浜を捜索してくれていたことがわかった。ケンとはお互い言えずにいたことも話したし新しい思い出も作った。それで満足すべきだろう、でも...。

 

ケンとは結婚こそしなかったが、結婚よりすごいことを経験した。こうなる前、鈍感でボンクラ過ぎるケンにイラつくことが多かったが、今はそんな不器用なところも含めてケンを愛してる。

 

愛してる?そういえばきちんと伝えたことはあったかな?

 

ネコは死ぬ時に姿を消すと聞いたことがあるが、ワタシは消える時までケンと一緒にいたいな。それが最期の願いかな。

 

『ゼーちゃん、ワタシはそれで十分幸せよ』

 

 

●第5章 ケンヂの気持ち

 

その日の夜、ゼータからもろもろ説明を受けた。

体内に人間の意識を取り込んだのは初めての体験で、正確なことはわからないが、両目が紫色に戻った時に恐らくナオミが消滅すること、ナオミに残された時間は2週間程度だということ。

 

ナオミとも話し合った。

ナオミがいなくなったあの時から時が止まったままだった。

ナオミがいなくなった理由がわからず、ナオミらしい女性が海に落ちたらしいと聞いた日から毎日遺体が海岸に打ち上げられていないか探し回った。

 

今は命を落とした理由もわかった。

楽しい思い出も作った。

いつかこうなることは薄々わかっていた。

ライブに例えるなら、今の状況はアンコールのようなものだ。

アンコールは長くは続かない。

覚悟を決めた。

受け入れるしかないだろう、でも...。

 

 

●第6章 レイの気持ち

 

ケンヂおじさんから、ゼータが近々地球からいなくなることを聞いた。それとナオミさんのことも。

 

おじさんは大丈夫かな?

ゼータ、このままずっと地球にいればいいのに。

 

チャミもいつかいなくなるのだろうか?

ボクのベッドでスヤスヤ眠っている宇宙ウサギのチャミを見た。

 

そうしたらボクにはママしかいなくなる。

 

週末にケンヂおじさんの所に行こう、チャミも連れて。

 

 

●第7章 ケンヂの気持ち②

 

ゼータとナオミと話した数日後、車で東北旅行に出かけた。

目的地は前々からナオミが行きたいと言っていた花巻の宮沢賢治記念館。本当はオーロラが見たかったそうだが、なかなか日本では難しい。少し前に北海道で観測されたのはまれで、南極とかなら一年中見れるらしいが。

 

途中蔵王に寄って「樹氷」も見た。

初めて見る「樹氷」に自然の驚異を感じた。

また蔵王で見た星空は圧巻だった。

「星降る夜」という言葉を実感した。

 

 

流れ星を見つけ、願いごとをしようとしたがすぐ消えたので無理だった。

明け方、トイレに起きた時、視界の隅にチラッと光ったものが見えた。

夜空を見上げるといくつも流れ星が見えた。流星群だ。

 

「ナオミが消えませんように、消えませんように、消えませんように...」

 

今度は言えた。

 

翌日、宮沢賢治記念館のお土産売り場でナオミは「デクノボーのこけし」が欲しいと言ったので買った。

 

 

週末、レイがチャミを連れて遊びに来た。

ゼータはレイとの再会を喜び、一緒に「Dancing れにちゃん」を踊った後、タイガーステップを踊り親交を温め、今はチャミとなにやら話し込んでいる。

 

 

●第8章 レイの気持ち②

 

ゼータと久しぶりに会っていろいろ話した。

ナオミさんとも。

二人から、おじさんを頼むと言われたけど、ボクにできるかな。

 

ナオミさんがいなくなり、ゼータが旅立つ。

なんだか実感がない。

ずっとこのまま楽しい日常が続くと思ってた。

 

おじさんが話してたようにゼータの目は右目は紫色になっていた。そして左目も少し...。

 

 

●第9章 12月23日早朝

 

『明日かな...』

ナオミからそう伝えられたのはクリスマスイブの前日、つまり12月23日の朝だった。

 

ゼータの左目もだいぶ淡い紫色になってきた。

 

茶の間のテレビの脇にはナオミが買った「デクノボー」が飾ってある。

 

23日から2日間、さいたまスーパーアリーナでHEAVENZのクリスマスライブが開催されている。招待され23日のライブを堪能した。終演後、ゼータを連れてHEAVENZメンバーにお別れの挨拶を済ませた。れなはレイが連れてきたチャミを抱いて、久々の再会を喜んでいた。チャミは元々れなが保護したのをレイが譲り受けていたのだ。

 

『ありがと』

 

ナオミがHEAVENZメンバーに感謝の言葉を伝えたが、残念ながらその言葉は聴こえない。

ナオミの声が聞こえるのは、オレとゼータ、そしてレイとチャミだけだった。

 

れなに抱かれたチャミがナオミの言葉に反応し「またな」と答えた。

「ん?チャミどうしたの?」れなが不思議そうにチャミの顔をのぞき込んだ。

 

ライブに来ていたモモたちにも会った。

モモたちは明日のライブにも参加する。

「ゼータ、母ちゃん見つかったらまた戻って来いよ」

モモはゼータにそう言って元気に手を振った。

他の連中も似たような挨拶を言っていた。

 

モモの兄のモモタは、海外武者修行に出ていて挨拶できなかったのがゼータには心残りだったらしい。

ゼータはモモタのいい修行相手だった。

HEVENZのSPを務めている謎の鉄仮面少女も心底残念そうな顔をしていた。

 

 

●第10章 12月24日深夜


『皆さん、こんばんはー。神出鬼没のレディオビーナス・高田れなの不定期ゲリララジオ・パンチDEハッピーの時間です!

HEAVENZのクリスマスライブ「HEAVENZクリスマス」どうでしたかー?

今日はライブの余韻に浸りながら特別放送をお送りいたします。

今日はこの曲から。ワタシの大好きな曲です。

ももいろクローバーZで「The Show」』

 

人生はまるで迷路みたい
愛はね 謎々みたい
がんばってみても もう1人じゃムリ
どうしたらいい?

くじけそうになるけれど
本当は怖いけど
平気なフリで考えすぎず
人生というショー
楽しみましょう

(中略)

Yeah
なんだか少し板挟み
どうしよう 問題ばかり
答えはいつも 見つからなくて
逃げ出したい
落ち込んじゃう時もある
本当は泣きそうでも
心配しないで 流れにまかせて
人生というショー
楽しみましょう

Just enjoy the show

 

 

 

●第11章 ナオミとの別れ

 

12月24日の深夜、うちに集まったのはゼータ(&ナオミ)、レイ、レイの母親のカコ、そしてもちろんオレ。

チャミはれなの家に行っている。

集まったみんなで家の前の浜辺に移動した。

 

ナオミとの別れの日。

 

ナオミが消えることを認識してから、いっぱい話した。

永遠に続くのかと思ったナオミからのダメだし。

言い残したことはないはずだ。

東北旅行にも行った。2人と1匹の思い出旅行。

短い時間を有効に使った。

やれることはやった。

覚悟はできてる。

それはナオミも同じだろう。

 

24時になり、クリスマスを迎えると同時に

 

『今までありがと。ワタシのこと忘れないでね(笑)。

それじゃね、またいつか』

 

そう言ってナオミはあっさり消えた。

そこにいた誰もがナオミの気配が消滅したのを感じた。

 

流星群に願いは届かったかったし、サンタクロースはプレゼントをくれずにナオミを連れていった。

 

「それじゃあ、次はオレの番だな」

 

そう言ったゼータの左目が淡い紫色に変わっていた。

これで両目とも淡い紫色だ。これがゼータ本来の姿。

 

夜空を見上げるとひとすじの流れ星が見えた。

 

 

●第12章 ゼータとの別れ

 

「それじゃ、オレも行くわ。世話になったな」

ゼータは額に完全再生したツノを取り付けながら言った。

 

ボクはゼータにパインアメの袋を渡した。

チョコもグミも渡した。冷凍したウニの貝焼きも渡した。

ゼータはそれらを小さなリュックにパンパンに詰め込んだ。

 

「ありがとな、レイ。チャミと楽しくやってくれ。一応言っておくと普通のネコはパインアメもチョコもグミも食べられないみたいだから気をつけろよ。オレが特別なだけだから。ウニは知らん」

「知ってるよ。ボクはベルカを飼っていたんだから」

「そうだったな。レイ、ケンを頼んだ」

「うん」

 

「ケン、オレがいなくなっても大丈夫か?泣くなよ?」
「泣くかよ」
「泣くだろ?」
「子供じゃないんだから、泣くかよ」
「泣いてもいいんだぞ?ケン、オマエ前にレイに言ってたよな。泣くのは悪いことじゃないって。そっくりそのままお返ししてやるよ。人の痛みがわかって泣くこと、人のために泣いてあげることは悪い事じゃねぇ。悔し涙もいい、でも自分を憐れんで泣くのはやめておけ。どうせならうれしくて泣けよ。そして笑えよ。

オマエ笑う時案外いい顔してるよ、おっさんだけどな。おっさんの泣き顔は見てられねえんだが、今日だけは大目にみてやるよ。

なんだかしゃべり過ぎたな。もっとクールにいこうと思ったんだが。まーなんだ、オレとオマエは一生の"トモダチ"だ」

 

「母ちゃん、見つけたらまた来いよ。ここにいるから」
「そうだな、気が向いたらまた来るわ。じゃあ、そろそろいくわ」ゼータはそう言って紫色の目でウインクをした。

 

レイの渡したお菓子類を詰めたリュックを背負ったゼータがみんなとグータッチをして背中をむけた。

 

「宇宙ネコZ-Ⅱ、ZZver.に転変!」

 

額にツノをつけたゼータがそう叫ぶとゼータの体が光り始め、白いオーラに包まれた。

 

「ニャーーーー!!」

 

ゼータの背中に小さな翼が現われた。

ユニコーンとペガサスの血をひいてるゼータの完全体。

ユニコーンのツノとペガサスの翼を持つネコの姿。

 

「じゃあニャ!」

 

ゼータはそう言って飛んでいった。

ゼータの飛んだ跡には虹が現われた。

 

ゼータサンタからの最後のプレゼントか...

 

 

●第13章 クリスマス・プレゼント

 

れなはさいたまスーパーアリーナでのクリスマスライブを終えた後、ひとりでラジオ番組を放送し帰宅途中だった。

帰宅中の車で隣にはチャミが座っている。

チャミが車の窓をコンコンと叩いた。

れなはどうやら寝てしまってしたようだった。

チャミがなにやら騒いでいるので窓から空を見上げると、夜空の中に「虹」が見えた。

 

「月虹!?」

 

れなは一気に目が覚めた。

 

 

●第14章 ゼータの決断

 

ねこねこヘヴン ニャンちゃって
カリカリ&ちゅ~る 引っ張って
ツンデレ気分 とんがって
(愛猫毎秒Feel so good yeah)


毎日が気まぐれで(My soul)
カラフルな夢の中(Your soul)


君がいてくれるから今日も
朝から(超絶級のハイテンション)

(マジ極彩色ハイテンション)
...Nyaderful

 

ゼータは飛びながらザ・リーサルウェポンズの「ねこねこヘヴン」を口ずさんでいた。

 

「待ってろ、母ちゃん。待ってろ、ケン」

 

 

 

 

●第15章 ナオミの想い

 

『皆さん、おはようございます。神出鬼没のレディオビーナス・高田れなの不定期ゲリララジオ・パンチDEハッピーの時間です!

今日は緊急生放送でお送りします。昨日の夜、このラジオ終わりの帰宅中、ワタシ月虹を見たんですけどー!!!

 

覚えてます?前に新国立競技場でライブをした時に見たんだけどほとんどの人が気づかなくって。急いでメンバーに連絡したらメンバーもみんな見れたって。

今度は結構長い時間現われてたから願い事もしちゃったよ。

この幸せな日々がずっと続きますようにって。

最高のクリスマスプレゼントでした。皆さんは見れましたか?

 

さて、実はリクエストも届いてたんですよねー。常連のナオミ・フェニックスさんからです。ナオミさんは月虹が現われることを知っていたんでしょうか?

 

「れなちゃん、おはようございます。

今日は寂しい報告をしなければなりません。以前お伝えしたことが現実になり、しばらくメッセージが送れなくなります。

れなちゃんのアドバイス通りカレとはいっぱい思い出を作りました。やれることはやりました。カレからプロポーズされたけどそれは断りました。次に再会した時にもう一度プロポーズしてくれって言いました。その方が再会する気持ちが続くと思ったから。

これまでありがとうございました。でもまた、いつかきっとメッセージを送ります」

 

『そうですか、残念です。でも、ずっとワタシたちはここにいるから、またいつかね。

 

えーと、ナオミさんのメッセージはまだ続きがありますね』

 

「最後にこの放送を聴いているであろうワタシの恋人に伝えたいことがあります。

ワタシのこと忘れないで、そうアナタに言いましたが、アナタが勘違いしそうなので少し補足説明しておきます。

その人がいなくなれば記憶は急激に薄れていきます。それは仕方がないことです。だからワタシの記憶が薄れていっても自分を責めないで下さい。ワタシがアナタに忘れないでいて欲しいのは、ワタシが生きていたことです。今度はちゃんとお別れできました。いい思い出も作れました。だからワタシは満足。この人生悪くなかった。あっ、プロポーズ断ってごめんね。

OKしたらもう2度と会えない気がしたの。

また、会いましょう!

だから、ごめん。ワタシはひとりでいく。

今のアナタなら大丈夫。

もしも、もしも誰か他の人を好きになったら...その時は躊躇せず自分の幸せを選んで。次、またいつか、どこかで。

ありがとう、そして愛してる」


『いけない、どうしよう、涙が止まらなくなっちゃった。

いろんなオモイのこもったメッセージでしたね。

では、ナオミ・フェニックスさんのリクエストでももいろクローバーZの「月虹」』

 

手を繋ごう 海にゆこうよ

2人だけ 切なくなるよね

上空には 月虹が見えるね

サヨナラ ゼッタイ ナカナイヨ

 

向かい風 つぶれそうな夢

星降る夜に 泡になり 融けて

セカイが深い眠りについても

歌い続けてゆく

きっとまた逢えるね

 

(中略)

 

夜明けの祈り 見えない夢

胸のキラメキ 今度は無くさない

流星の様 燃え尽きそうになっても

歌い続けてゆく

きっと 捕まえるよ

 

 

 

●第16章 ケンヂの想い

 

あの後うつらうつらしたもののケンヂは眠れなかった。

海が見たくなって朝日の昇った浜辺に行って海を眺めていた。

昨日ゼータが飛び立った辺りに何か光るものを見つけ手に取ると薄紫色の小さな玉だった。

その薄紫色の玉を太陽に透かして見ると猫目石のように白い筋が見える。

ケンヂはそれを大事にハンカチに包んでポケットにしまった。

 

 

●第17章 チャミの目線

 

2024年元旦

ケンヂの家にレイと母親のカコと一緒に遊びに来ている。

ケンヂは淡々と過ごしていて、以前とさほど変化はないように見える。

そんなケンヂの右手の薬指に指輪がはめられていた。

指輪にはネコの目のような模様の薄紫色のきれいな石がついていた。


「それ、どうしたの?指輪なんてしてなかったよね」

レイが聞いた。
 

「これか?ゼータが旅に出た次の日、海に行ったら見つけたんだよ。ゼータの目と同じ色の半透明の石。種類はわからないけどきれいだからモモのママに指輪に加工してもらったんだよ。ほら、あの人、趣味でアクセサリー作ってただろ。まー魔除けのオマジナイのようなものだ。ほら、オレ、いい男だから、こうしてると変な女が寄ってこない」

「おじさん、効果絶大だよ。わかってると思うけど右手の薬指の指輪は特別な意味があるよ」

 


どうやらケンヂは、一生独身を貫く決意をしたらしい。

バカだ。アホだ。アンポンタンだ。
ナオミを忘れろとは言わないけど、他の女性を積極的に拒絶するのもどうかと思う。恐らくそれはナオミも望んでいないと思うが。

 

「おじさん、スマホ貸して」

レイはそう言ってケンヂのスマホを奪い何やらいじっている。

時たまカコとヒソヒソ話をし、ゲラゲラ笑っている。

ワイはケンヂの膝の上で寝たふりをして様子を見ている。

アイツに頼まれたからな、仕方ない。

 

しばらくするとレイが「好きな女性のタイプは?」とケンヂに聞いた。

 

「別にないなー。強いて言えばお酒が好きな人がいいな、あとネコが好きな人。気が強過ぎないのも大事だな」

「なんかつまんないな。もう少し、なんか無いの?面白い条件」

「面白い条件ねえ」

その時、ケンヂの頭にはジャンケンする時にチョキで目つぶしをしてくるナオミの姿がよぎっていた。

 

「特にないなー」

「そんなんじゃいい人とマッチングできないよー。おじさんのためを思ってやってるんだから。まーでも、とりあえずはこれでいいか。あと追加で条件を入れたいなら自分でやって」

 

そう言ってレイはケンヂのスマホを渡してきた。

 

「マッチングねえ」

オレはラジオで聴いたナオミの言葉を思い出していた。

 

『自分の幸せを選んで』

 

しばらく何かを考えていたケンヂだったが、好きな色の欄に「紫」、好きなものの欄に「HEAVEZのれな推し。不死鳥も好き」と記入しアプリを閉じた。

 

ワイはため息をついた。

 

 

●第18章 3月9日

 

ナオミとゼータがいなくなって約3ヶ月が過ぎた。

今年3月9日のれなのソロコンが横浜で開催されるので、昨夜は横浜のレイの家に泊まった。

 

「おじさん、あそこの自販機で飲み物買っていこうよ」

 

ソロコンの会場に向かう途中の公園。

レイの言葉にジュースの自販機の方に目をやるとネコが2匹横切った。

 

「ん!?」

 

2匹のうちの1匹がゼータに見えた。

しかし2匹のネコは公園の植栽の中へ消えていってしまった。

 

しばらくキョロキョロと植栽の辺りを見渡したがネコは見当たらなかった。

 

「おじさん、どうしたの?」

「ゼ...いやなんでもない」

 

そんなやりとりをしていたら自販機の前にはラベンダー色のワンピースを着た女性が立っていた。

女性は何を買うか迷っているようだった。

レイと一緒にその様子を眺めていると、その女性は右手でコーンポタージュ、左手でスポーツドリンクのボタンを「えい、やー」という掛け声とともに同時に押した。

 

《ガコッ、ガコッ》

 

自販機の誤作動で取り出し口には2本の飲み物が出てきたようだ。女性はオロオロして周りをキョロキョロと見まわした。

 

振り返った女性と目が合った。

 

ナオミだった。

 

「ナオミ!?」

驚いて声を上げたが女性はきょとんとしていた。

 

「なんか間違って2本出てきたんですけど、これ飲みます?」

そう言って返事も聞かずにコーンポタージュの缶を投げてきた。

 

「熱っ!」めっちゃ熱かった。

 

女性が立ち去ろうとしたので「お金、払います」と言った。

「いや、いいですよ。タダだったし」

「いや、払います」少しでも女性を引きとめようと会話を長引かせようとした。

「じゃあ、ジャンケンで決めましょう。最初はグー!ジャンケンポン!」

 

その女性はチョキで目つぶしをしてきた。

やっぱり、ナオミだ、間違いない!

 

「ナオミっ!」

 

「その人はナオミであってナオミじゃないぜ」

声の方を見るとさっきのネコが植栽から姿を現した。

「久しぶりだな、ケン、レイ」

「ゼータ!?」

「そうだ。母ちゃん見つけて戻ってきたよ」

「息子がお世話になったようで...」

以前、写真で見たきれいな銀毛のネコがそう言った。

でも目の色は黄色だ。ゼータの目の色も見慣れた黄色だった。

 

 

「実は、思いの外、早く母ちゃん見つかってな。もう父ちゃんには愛想つかしたからどうしても故郷には戻りたくないってごねられてな。それなら地球で暮らすかって話になって、オマエたちのことを母ちゃんに話したんだよ。ナオミとのこともな。そうしたら何とかできるかもしれないって言われて。前に言ったよな、オレたち宇宙ネコには蘇生の能力があるって」

「でも、成功率は50%で前は失敗してナオミはオマエの意識の中に入ったんだろう?」

「そうだ。でもそれはオレ1人の場合だ。今回は母ちゃんと力を合わせて能力を全部使った。だからもうツノは再生しないし、空も飛べない。オレたちはただのしゃべれるネコだ。能力が無くなっからか目も黄色になっちまったよ」

 

「蘇生したナオミさんは亡くなる前の肉体だけども、以前の記憶は無いのよ。だからアナタのことも覚えていないわ。あっ、まだ名乗ってなかったわね。ワタシはゼータの母親のキルム、よろしくね」そう母ネコのキルムが説明してくれた。

 

「おじさん、よかったね」

「ああ、でも混乱してる。記憶は失っているけどナオミ本人なんだな」

「ああ、そうだ」

「よかった。本当によかった...また会えた。ありがとう」

「いいってことよ、トモダチだろ。その代わりオレと母ちゃんの面倒を一生みろよ」

 

ゼータはどさくさに紛れてなかなかの要求をサラッと言った。

 

 

●第18章 その後の顛末

 

ケンジおじさんとナオミさんはあの後、一緒にれなさんのソロコンを楽しみ、その後も連絡を取り合ってまずは友達になり、今はデートを重ねて関係を深めているらしい。

この前は、立川の南極・北極科学館に行って、オーロラの映像を見てきたと言っていた。

ちなみにゼータはおじさんと一緒に住んで、キルムはナオミさんと住んでいる。能力を失ったゼータたちが地球に定住することも決まった。なによりだ。

 

少し時間がかかるかもしれないけどきっとうまくやるはず。

おじさんとナオミさんはある意味3回目、ライブで例えるならまさかのダブルアンコールだ。本編より長いダブルアンコールがあってもいいんじゃない、会場の撤収時間があるわけじゃないし。

なによりみんなが望んでるしね。

 

『ブルブルブルッ』

おじさんからの電話だ。

 

「もしもし?どうしたの?」

「おい、レイ。ナオミに説明してくれよ。マッチングアプリはオマエが勝手にインストールしたってことを」

「レイ君、それ本当なの?」

電話の向うでナオミさんの声が聞こえる。

思ったより早く以前の関係性に戻ってるようだ。

結婚式、思ったより早いかもな。

 

「おじさん、ボクのせいにしないでよー。まっちんぐ?何のことかボクにはわからないよー」

「レイー!!!」

 

おじさんの断末魔が聞こえたがボクはスマホの電源を切り、ラジオの電源を入れた。

 

ベッドにはチャミが腹を出して寝ている。

そういや、コイツはなんで地球に来たんだろ?

今度、聞いてみよう。

 

 

『皆さん、こんにちはー。神出鬼没のレディオビーナス・高田れなの不定期ゲリララジオ・パンチDEハッピーの時間です!

今日は緊急生放送!まずはメールから』

 

「れなさん、お久しぶりです。ナオミ・フェニックスです。

フェニックスのごとく戻ってきました。ちょっと後遺症で記憶がない部分があるのですが、とりあえず元気です。

ところでれなさん、もう南極でのソロコンは実施しないのでしょうか?ワタシ、今度こそ南極にたどり着いてみせます。オーロラが見たいです。だからお願いです。人生七転八倒。一度の失敗で諦めずに南極リベンジを果たして下さい。アイドルの向う側を見せて下さい!」

 

『ナオミさん、戻ってこれたんですね。うれしいです。

でも多分「七転八倒」じゃなくて「七転び八起き」って言いたかったんですよね?うん、大丈夫、気持ちは伝わっています。

ワタシ、このメッセージで目が覚めました。

日和ってた自分に気がつきました。

去年の南極でのソロコンは現地にたどり着いた参加者が8人。

そして配信も繋がらず、バッドエンドで終わってしまいましたが、そうですね、このままでは終われません。ワタシ、誇り高きアイドルですから。南極リベンジを果たしてハッピーエンドで終わらせます!いや、終わらせない。ハッピーエンドを永遠に続けてみせます。ハッピーエンドの延長戦です。やってやりますよ!

 

というわけで来年の3月9日は南極でソロコンを開催します!

みんな、南極に集結セヨ。一緒に行こうぜ、氷点下の向う側!

来年の3月9日、幻想的なオーロラが煌めく南極で今度こそお会いしましょう!

 

今日、ラストにかける曲はこの曲です。

ももいろクローバーZの高城れにさんで「3月9日」』

 

流れる季節の真ん中で

ふと日の長さを感じます

せわしく過ぎる日々の中に

私とあなたで夢を描く

 

3月の風に想いをのせて

桜のつぼみは春へとつづきます

 

溢れ出す光の粒が

少しずつ朝を暖めます

大きなあくびをした後に

少し照れてるあなたの横で

 

新たな世界の入口に立ち

気づいたことは 1人じゃないってこと


瞳を閉じれば あなたが
まぶたのうらに いることで
どれほど強くなれたでしょう
あなたにとって私も そうでありたい

 

 

 

ボクの予想ではおじさんとナオミさんの新婚旅行は来年の3月9日南極だ、間違いない。

 

 

-【完】-